〈ベルーフ〉シリーズとは、米澤穂信による小説シリーズである。
概要
米澤穂信の作品『さよなら妖精』の登場人物、太刀洗万智が主人公のシリーズ。
『さよなら妖精』では高校生だった太刀洗が、記者(新聞記者→フリージャーナリスト)となった姿を描いたミステリー。いずれも『さよなら妖精』の後日談のような形となっており、同作の主人公の守屋路行が登場する話もある。ミステリーとしての謎とその解決を通して、報道の在り方と太刀洗のジャーナリストとしての矜持を描く話が多い。
シリーズ第1作は「ユリイカ」2007年7月号に発表された短編「失礼、お見苦しいところを」(単行本収録時に「正義漢」に改題)。その後、2015年まで断続的に短編が発表されていた。
2015年7月に単行本1作目となる長編『王とサーカス』が書き下ろしで刊行。そして同年12月に、それまでに発表された短編をまとめた短編集『真実の10メートル手前』が刊行された。
『王とサーカス』は前年の『満願』に続いて「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリー・ベスト10」「ミステリが読みたい!」の3ランキングで1位を獲得する三冠を達成。『真実の10メートル手前』は第155回直木賞候補になった。
ベルーフというシリーズ名の由来は、マックス・ウェーバーの『職業としての政治』に〈「それにもかかわらず!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ〉とあり、その〈天職〉に〈ベルーフ〉とルビがふられていたことから。太刀洗万智は記者を天職としていくだろうと思いこのような表記にしたと語っている。
刊行リスト
長編
短編集
関連項目
親記事
子記事
兄弟記事
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