ドン・ブレイザー単語

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ドン・ブレイザー(Don Blazer、本名：ドン・リー・ブラッシンゲーム(Don Lee Blasingame))とは、元プロ野球選手・監督のことである。

概要

1932年3月16日生まれ。アメリカ合衆国ミシシッピ州出身。

リプスコム大学を経て、1953年にセントルイス・カージナルスへ入団。

1955年にメジャー初出場、1956年頃からレギュラーに定着。

1958年にはオールスターゲームにも出場、守備の名手その名を知られるようになった。

1959年には日米野球のメンバーとして来日。南海ホークス・毎日オリオンズの連合チームとの試合に出場し、榎本喜八の鋭い打球を華麗に捌き、周囲をアッと言わせた。

1960年サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。1961年途中からはシンシナティ・レッズへ移籍、ナ・リーグ制覇に貢献し、ワールドシリーズにも出場した。

その後、故障している間にピート・ローズにレギュラーの座を奪われ、1963年途中にワシントン・セネタース(現：テキサス・レンジャーズ)へ移籍。セネタースでは再びレギュラーに定着する。

1966年途中にカンザスシティ・アスレチックス(現：オークランド・アスレチックス)へ移籍。

1967年、南海ホークスに入団。本名のブラッシングゲームではスコアボードに収まりきらないことから、愛称の「ブレイザー」を登録名とした。

1967年、打率.268、28打点と繋ぎや勝負強い打撃で活躍。また、鉄壁の守備で守りを支えた。この年ベストナインに選出され、翌年1968年も活躍し、2年連続でベストナインに選出された。

1969年シーズン終了後、現役を引退。翌年から選手兼任監督に就任することになった野村克也からの強い希望もありヘッドコーチに就任することになった。

ブレイザーは持てる知識や理論を惜しげもなく選手や首脳陣に伝授していきプレーの質が大きく向上、1973年のリーグ優勝にも大きく貢献している。

1977年、野村の退任に伴いブレイザーも南海を退団、広島東洋カープの古葉竹識監督の要望により広島のヘッドコーチ兼守備コーチに就任。

1979年、阪神タイガースの監督に就任。トレードで獲得した、真弓明信、若菜嘉晴、竹之内雅史らや、所謂空白の一日により加入した小林繁らの活躍もあり、前年最下位だったチームを4位に引き上げた。

しかし2年目の1980年は大型ルーキーの岡田彰布の起用をめぐりフロントと対立。加えてチームが低迷したことからマスコミやファンたちの不満が爆発。悪質な一部のファンから執拗に「岡田を使え」と野次られ、挙句の果てにはカミソリ入りの手紙が届くなど嫌がらせにあい、妻がノイローゼになったこともあり、5月半ばに退任。

1981年、古巣の南海ホークスの監督に就任。しかし、思うような結果を残せず、ブレイザーの体調面の不安やフロントが補強に消極的という事情も重なり、2シーズンで退任した。

帰国後は南海の駐米スカウトを経て、セントルイス・カージナルス、フィラデルフィア・フィリーズでコーチを務め、その後フィリーズではアドバイザーに就任した。

2005年4月13日、アリゾナ州にて死去。享年73歳。

人物・エピソード

現役時代は広い守備範囲を生かした堅実かつ無駄のない守備と、頭脳的なプレーで活躍した守備の名手。バントや逆方向への打撃も得意としていた。

考えながら野球をする「シンキング・ベースボール」というメジャーリーグ仕込みのスタイルは合理的かつ理論的であり、それまでの根性論一辺倒であった日本の野球に革命をもたらした。例えば「一塁にランナーがいてヒットエンドランをするとき、セカンドが二塁カバーに入ったら一二塁間に、ショートが入ったら二三塁間に向けて打つ」という、現代では当たり前となっているプレーも彼によって伝えられたものである。

ブレイザーの存在や考え方は、後に指導者として大成する野村克也や古葉竹識、広岡達朗らに大きな影響を与え、現代の日本野球の礎を築いた。

通算成績

打撃成績

通算:15年	試合	打席	打数	得点	安打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	打率	出塁率
MLB：12年	1444	5938	5296	731	1366	21	308	105	62	13	552	15	462	43	.258	.329
NPB：3年	366	1501	1356	171	371	15	86	13	33	6	102	4	104	15	.274	.325

監督成績

通算:4年	試合	勝利	敗戦	引分	勝率
NPB	416	180	208	28	.464	Bクラス4回

獲得タイトル

• ベストナイン：2回（1967年、1968年）

関連項目

• プロ野球
• セントルイス・カージナルス
• サンフランシスコ・ジャイアンツ
• シンシナティ・レッズ
• 南海ホークス
• 広島東洋カープ
• 阪神タイガース
• 野村克也
• プロ野球選手一覧