消滅世界(しょうめつせかい)とは、村田沙耶香による長編小説である。
概要
芥川賞作家・村田沙耶香が描く、新感覚のディストピア小説。2015年12月発売。
世界観
人工授精の進歩により交尾は全く不要になり、閉経後の女性や男性も妊娠できるようになった。
恋は交尾の名残と見なされ、マスターベーションやセックスは発情状態の処理方法でしかない。
初潮を迎えた女子には避妊処置が施される。また、男子も精液が透明な液体となる避妊処置を受ける。
実験都市千葉には、楽園(エデン)システム――人口はコンピュータで管理され、すべての大人はすべての「子供ちゃん」の「おかあさん」となる世界――が構築されている。
「いまにも新しい命で破裂しそうな世界」の行く末はどうなるのだろうか。
あらすじ
セックスによる妊娠・出産が忌避される社会で、両親が愛し合った末に生まれた坂口雨音(あまね)。彼女は自身の出自にコンプレックスを抱き、その原因となった母親を嫌悪していた。
二十五歳になった雨音は結婚するが、夫に発情され、そのショックで離婚してしまう。
三十一歳のときに、婚活パーティーで雨宮朔(あまみやさく)と出会った彼女は彼と再婚し、「正常」な結婚生活を過ごす。それに対し、「順調すぎる結婚生活って、何だか不安よね」と雨音の母は言う。
関連項目
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