鬯とは、香草で匂いをつけた酒である。神を降すのに用いたという。
漢字として
鬯
- Unicode
- U+9B2F
- JIS X 0213
- 1-82-14
- 部首
- 鬯部
- 画数
- 10画
- 意味
- ウコンを漬けて作った匂い酒、香草、ウコン。〔論衡・異虚篇〕の倭について述べているところに「周の時、天下太平なり。倭人來りて鬯草を獻ず」とある。
- (暢・畼と通じて)伸びる、(韔と通じて)弓袋。
- 〔説文解字・巻五〕には「秬を以て𩰪艸を釀すなり。芬芳の服する攸(ところ)、以って神を降すなり」とある。秬は黒黍。𩰪は〔説文〕に「芳草なり」とありウコンのことといわれている。白川静によると卜辞に「鬯六卣」などの語が見え、金文には秬鬯を賜与する例が多いという。[1]
- 字形
- 香草を酒壺に浸している象形。
- 字形について〔説文〕には「𠙴に從ふ。𠙴は器なり。中は米に象る。匕、之れを扱(すく)ふの所以なり」とあり、小篆体はまさにそんな感じだが、甲骨文・金文は形が違う。
- 音訓
- 音読みはチョウ(漢音)、訓読みは、においざけ、のびる。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第二水準。
- 部首
- 鬯は部首鬯部を作る。香りのついた酒、香草という意味の意符として用いられる。
- 声符
- 鬯を声符とする漢字に𥠴などがある。
- 語彙
- 鬯弓・鬯圭・鬯浹・鬯酒・鬯逐・鬯茂
異体字
互換文字
脚注
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