SCP-1602-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
SCP-1602-JP | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-8175 |
著者 | gokiso |
作成日 | 2022年5月7日 |
タグ | わかばコンテスト 人間型 儀式 宗教 歴史 |
リンク | SCP-1602-JP |
SCPテンプレート |
脚部、つまり両足が伸長した身長約4mのレベルIII霊的実体(幽霊)。顔立ちは2012年2月25日に行方不明になった福岡県太宰府市の高岳 敦也氏にそっくりである。幽霊だが肉眼で観察することが可能であり、また基本は非実体化しているが、財団は幽霊に実体を与えられるnPDN装置を有しているため実体化は問題がない。
……とはいえ、現在こそ霊的実体用大型収容房に入れられているが、当初はかなり収容が困難であった。まず、日没から明け方にこの幽霊は鳥居をくぐるようにして登場し、童謡『通りゃんせ』を口ずさみながら移動する。このとき、周囲の人間に恐怖と不安を与え、またマラリアに似た重篤な症状、原因不明の感電と熱傷を与える。またSCP-1602-JPがダメージを与えられるか警戒状態に陥ると、自身から最も近い鳥居に素早く逃げ込み、消失する。財団はこんな幽霊をどうして捕まえられたのか。
だがその前に、SCP-1602-JPは何故こんな特性を有するのかを考察した車道博士の提言を読んでいきたい。
SCP-1602-JPがそっくりとされている行方不明の高岳氏は、職場での昇進を妬んだ同僚によって虚偽の失敗の責任を課され、地方に左遷されたことが判明している。日記の内容から、高岳氏は幼少期よりの自身の優秀さと、同僚の奸計で陥れられた境遇から自身を菅原道真公にたとえ、その神格化存在たる『天神』に心酔していたことが確認された。
SCP-1602-JPは高岳氏が自身を依代に、その天神を召喚しようとした結果生まれたバケモノである、と車道博士は考察したのである。高岳氏が失踪した2月25日は菅原道真公の逝去した日であり、現場には道真公が埋葬されたとされる太宰府天満宮が存在する。また通りゃんせは自らの子供が菅原道真公のように賢く無事に育つことを祈り天神に参詣するという意味を有する。高岳氏は自らの体を依代に菅原道真公の御霊を継承する形で天神を召喚し、それを体に通りゃんせを歌うことでとどめていると財団は見ている。
ただし財団が分析したところ、ぶっちゃけ高岳氏の召喚方法の間違いと、神格の依代になるのに不十分な認知抵抗値からSCP-1602-JPは暴走状態であり、かつ降ろせたのは天神ではなく、火雷火気毒王・または柘榴天神ではないかと考察されている。高岳氏が天神を召喚したいとした理由の1つは天神の『雪冤の神』としての側面、つまり冤罪を晴らすための神様という点を理由とするだろうというところだが、SCP-1602-JPはむしろ『懲罰の神』としての側面が強いためである。そして暴走しているせいで神格の神威を制御できず、無関係な人たちまで巻き添えにしてしまっているのだと。
鳥居をくぐることで出現と消失するのは鳥居が俗世と神域をつなげる門であるから。そして目的はどう考えても先程の讒言で自らを左遷に追い込んだ同僚への復讐のために全国各地を探して暴れまわるのだろうと。この同僚を収容のための誘導に用いる案も出ているようだ。
財団は、SCP-1602-JPの収容のために、プロトコル・籠目を制定。出現したSCP-1602-JPに対して、対霊障装備・対高電圧装備・捕縛用器具を所持した複数名のフィールドエージェントを包囲するように配置し、包囲を確認したあとに近くの鳥居を破壊して逃避を防止、nPDN装置で実体を与え、捕まえるというもの。
しかし相手もダメージを負ってなお逃げ果せ、さらに財団が把握していない民間人の小祠の鳥居から逃げたりととことん困難を極めていた。ついでに前述の通りの異常から出現の度に民間人に被害が発生した。
――と脅威となっていたSCP-1602-JPであったが、最後はあっけなく捕まった。というのも、こいつはあくまで最も近い地点の鳥居から逃げようとする特性を持つ。それがどんなに小さくても。近傍の袋小路に退避したSCP-1602-JPは、頭部が消失した状態でうずくまった。そこには確かに鳥居はあった。
そう、さしものSCP-1602-JPもサイズ的に通ることができず、異常性の都合上一番近い鳥居から離れることもできず、なんともマヌケな格好になってしまったわけである。なお財団がSCP-1602-JPを引っこ抜くと頭部は再出現した模様。
SCP-1602-JP
通りゃんせ(通れるとは言ってない)
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関連項目
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