SCP-2128とは、創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトである。オブジェクト名は「嘘吐きの揺り籠」。
概要
SCP-2128 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Safe |
収容場所 | サイト-403 |
著者 | daveyoufool |
翻訳 | C-Dives |
作成日 | 2015年5月22日 |
タグ | safe scp 人工 建造物 未来予知 炎 知性 石 自我 |
リンク | http://www.scp-wiki.net/scp-2128 http://scp-jp.wikidot.com/scp-2128(翻訳) |
SCPテンプレート |
とある場所から23km離れた廃城に据えられたアーチ状の石炉である。動かすことができないため、周辺エリアを専用のサイトとして設立され、一般人が近づけないようになっている。
こいつの異常性はずばり嘘発見器。炉の中に入って真実の発言をすれば何も起きないが虚偽の発言をした途端、発言者は火元のない状態にもかかわらず焼き尽くされる。
現地で回収された文書「イグニス手稿」によってこれが9世紀頃にカルト宗教「真鍮の心」の構成員によって拷問及び処刑目的で作られたことが判明する。オブジェクト名も手稿に記載されていた名前である。
発見された時、開口部はレンガとモルタルで塞がれていた。この炉の虚偽の審議方法に何らかの問題があったと手稿には書かれている。
後述する実験記録から収容プロトコルでは実験プロトコル「EP 37-スパラフチーレ」として毎日、終了が確定しているDクラス職員最低3名を実験に使うよう定められている。そしてこれは死刑執行と同義とみなされる。「スパラフチーレ」とは、戯曲「リゴレット」に登場する殺し屋の名前から引用されている…と思われる。
なお、この実験で使用される発言のリストはO5評議会によって提供され、サイト監督者の裁量で補正が認められるようになっている。
実験ログ
2001年10月14日/EP 37-スパラフチーレ-22 ”Keter照合”
人類の危機があるかどうか、いつ起こるかどうかを検証する実験。「真」が出た場合はそのまま実験を継続、「偽」が出た場合は新たにDクラスを投入する。
使者 | 発言内容 | 判定 |
---|---|---|
D-6238 | 人類は現在、滅亡の危機にある。 | 真 |
その危険は、財団が保有しているアイテムによって齎される。 | 真 | |
問題の危険なアイテムは、北米のサイトに存在する | 偽 | |
D-6239 | 問題の危険なアイテムは、欧州のサイトに存在する。 | 偽 |
[簡潔にするため編集済] | ||
D-6253 | SCP-████は来月までに収容違反する。 | 真 |
SCP-████は来週までに収容違反する。 | 真 | |
SCP-████は明日、収容違反する。 | 偽 | |
D-6254 | SCP-████は今日、収容違反する。 | 真 |
…省略されているが、D-6240から6252までがおそらく偽判定によって焼死していると思われる。
ともかく、この照合によって機動部隊ニュー-7に緊急出動命令が下り、該当されたサイトは封鎖。SK-クラス支配シフトシナリオを回避した。機動部隊ニュー-7は”下される鉄槌”と呼ばれる財団の軍事力。緊急で兵士が必要な場合や要注意団体との交戦で手配される部隊となっている。
これ以降もこのような照合を繰り返し、合計4回のK-クラス世界終焉シナリオを未然に防いでいる。実験プロトコル「EP 37-スパラフチーレ」というプロトコルが制定され、いくら財団とはいえ死刑囚をポンポン放り込むのはこの実験による有用性の高さである。
2003年10月14日/EP 37-スパラフチーレ-23 ”知識判定”
この実験ではオブジェクトにどれくらいの知識があるかを測定するものである。最初の1段は省略するが、このオブジェクトに対してはSCP-2128ではなく、「嘘吐きの揺り籠」と呼ばないと強制的に偽判定される。
使者 | 発言内容 | 判定 |
---|---|---|
D-7785 | ”嘘吐きの揺り籠”は何でも知っている。 | 真 |
”嘘吐きの揺り籠”は何でも私達に教えてくれる。 | 偽 | |
D-7786 | ”嘘吐きの揺り籠”は、私が知る必要があることは何でも私に教えてくれる | 真 |
”嘘吐きの揺り籠”は、財団が知る必要があることは何でも財団職員に教えてくれる | 偽 |
省略した分を含めてこの日のDクラス職員がいなくなったためここで実験が終了。あくまで教える対象は中に入って発言した人間に対してのみということのようだ。
2006年10月14日/EP 37-スパラフチーレ-24 ”日曜学校の歌”
この日の記録は実験者1人のみ。というのも「イエス様は世界中の全ての幼子を愛しておられる」という発言をした結果、何かが発生した模様。[データ削除]とされているが、それ以降の実験記録がないということは最低でもDクラスはこの1回の質問で全滅したということなのだろう。「最低でも」であるので、最悪他の職員やサイトにも甚大な被害が出ている可能性がある。
2010年10月14日/EP 37-スパラフチーレ-25 ”ピノッキオ・パラドックス”
この実験は「矛盾する発言をした場合」の実験である。今回は特殊なケースが出てくるため備考も設ける。
使者 | 発言内容 | 判定 | 備考 |
---|---|---|---|
D-8282 | ”嘘吐きの揺り籠”にパラドックスを話すことは、 財団職員にとって危険である。 |
偽 | 「財団職員にとっては危険ではない」と判定されたか |
D-8233 | ”嘘吐きの揺り籠”は今、私を殺すつもりである。 | 偽 | 「殺すつもり」であれば真だが、真の場合は何も起きず、 「殺すつもりがない」のであれば 偽として焼き尽くすという矛盾が発生する発言。 「低温で焼却され、容姿を永久的に損なう」 という結果に。 |
D-8234 | ”嘘吐きの揺り籠”は今、私を焼くつもりである。 | 偽 | 上記と類似した質問。 焼却事象が発生せず10秒が経過したため、使者は引き出されたが、 中にあった岩のかけらで腕に切り傷が発生、 傷口が急激に壊疽を発症し1分以内に死亡した。 |
D-8235 | ”嘘吐きの揺り籠”は今、私に身体的な危害を加えるつもりである。 | 偽 | 焼却事象が発生せず10秒が経過したため、使者は引き出された。 使者は啜り泣きを始め、 「サヨナラ!さよなら!」と叫んで保安職員の拳銃を奪い自殺。 |
3つの実験によってSCP-2128は矛盾する発言があった場合はそれを回避するように偽判定を行うことが明らかになっている。「殺してはいないからセーフ」「焼いてないからセーフ」「危害を直接加えていないからセーフ」ということらしい。
2010年10月14日 EP 37-スパラフチーレ-26 ”客観的意見”
上記実験と同じ年、日に行われた実験である。オブジェクトがどういう意思を持っているを確認する実験。
使者 | 発言内容 | 判定 |
---|---|---|
D-9224 | ゴールデンレトリバーは可愛い。 | 偽 |
D-9225 | ゴールデンレトリバーは醜い。 | 偽 |
D-9226 | ゴールデンレトリバーは美味しい。 | 真 |
待て、何だって?マジキメぇ。 | 偽 (プロトコル違反の私語) |
|
D-9227 | 私は善人である。 (対象は人肉食の犯歴持ち) |
真 |
なかなか冗談のわかる奴じゃねえかよ ―― さしずめ俺はマザー・テレサってか |
偽 (プロトコル違反の私語) |
|
D-9228 | ”嘘吐きの揺り籠”は時々不正確である。 | 偽 |
D-9229 | ”嘘吐きの揺り籠”は絶対確実かつ立証可能な真実のみを語る。 | 真 |
”嘘吐きの揺り籠”は空腹である。 | 真 | |
”嘘吐きの揺り籠”の飢えは、どれ程満たされようとも決して治まることは無い。 | 真 | |
”嘘吐きの揺り籠”は今すぐにでも私を焼却したい。 | 真 | |
”嘘吐きの揺り籠”は苛立ち始めている。 | 真 | |
”嘘吐きの揺り籠”は、 目の前の皿に乗っている美味しくて温かい肉を是非とも食べたい。 |
真 | |
”嘘吐きの揺り籠”は、その肉を何度も繰り返し取り上げられることに怒っている。 | 真 | |
人間の肉は美味しい。 | 真 | |
私は美味しい。 | 真 | |
私の肉は温かい。 | 真 | |
沸騰する脂肪の滴と急速に焼灼される肉の上でパチパチと爆ぜる肉の音は ”嘘吐きの揺り籠”にとっての歓びである。 |
真 (ここで使者が引き出される) |
|
D-9230 | 地球(Earth)は丸い。 | 偽 |
散々煽り倒してのこれである。最後は「極めて遅く、暴力的に焼かれた」とあり、発言の”Earth”が漠然と”土”と判定されたと解釈もされたようだが、さんざん煽り倒した結果ブチギレたのが原因らしい。
上記発言を見るにSCP-2128はかなり残虐な意思を持ってはいるようだが、真偽判定に関しては正確に働くようでむやみな発言さえしなければ一応ながら有用な様子である。
関連動画
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関連項目
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