SCP-830-JPとは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『凋落一夜城』。
概要
SCP-830-JP | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | ██県███山 |
著者 | semiShigUre |
作成日 | 2016年7月8日 |
タグ | 人間型 建造物 強制力 歴史 自我 蒐集院 |
リンク | SCP-830-JP |
SCPテンプレート |
毎年8月30日の午後9時から翌日の午前3時の間にのみ、██県███山の頂上に出現する山城。およそ150,000㎡にも渡る安土桃山時代の山城であり、高さ55mにも渡る本丸・二の丸・三の丸と各所の郭・櫓・砦より安土桃山時代の武装では突破は困難。██家に所属していた戦国武将の旗印を染め抜いた旗が各所に立つ。加えて当時の鎧兜を纏った武士たちが、刀・弓・鉄砲で武装している。彼等は殿様を守るために全力であり、戦意も高いものの、普通の人間が致命傷を負うような傷を負うと消失する。彼等の元を潜り抜け、殿様を倒すと午前3時を待たずに城は消えてなくなる。ただしこの時に武士たちに殺害されてしまうと、翌年以降は自分がその武士の仲間になってしまうため注意。自分は死なず、殿様をなんとかして倒さないと戦力を増大させてしまうのだ。
「そもそも一夜でどうせ消えてなくなる城をわざわざそんな危険な真似してまで落城させないといけないのか」と思うだろうが、この城はしっかり殿様の命を頂戴し、落城させないと翌年には増築し拡大してしまう。これは明確に人類の脅威なのだ。おまけにこの城を見た人はその時持っている中で殺傷能力の一番高い武器を携えて攻城を開始してしまう。このため財団は一般人がこの城を目撃した時に備え記憶処理等の準備を行っている。
来歴
SCP-830-JPはもともと財団日本支部の前身である蒐集院から引き継いだオブジェクトであり、蒐集院の文献によれば、この地に城を築いた武将、北畠██が██軍の侵攻に対して籠城を行ったものの、相手方軍師の奇策でわずか一夜にして落城させられたことを恨んでいるため、当地に毎晩出没するという旨が記載されていた。また、この城が現在の異常性を発現させたのは1615年の一国一城令によってこの城が廃城させられたことに起因するらしい[1]。
蒐集院は当初蒐集を開始した際は祈祷師による除霊を試みた。しかし城を目撃した祈祷師は大幣を持って城にカチコミ。この年この城を落とせなかったため、次の年は増築が行われることに。その後も祈祷が効かないと判明すると、今度は真正面から攻城し殿様の首を落とすことで対抗するようになった。
しばらくはそれでどうにかなっていたのだが、130年近くもやっているうちに武士も練度が上がってきており、幾度となく攻城は失敗。上杉の春日山城もかくやの規模に拡大してしまう。今度は隠密部隊による闇討ちを試みる。こちらはなんとか首尾よく成功したため、以後は隠密部隊に任せるようになる。
しかし100年近くも経過し19世紀になると、いささか対応が遅すぎる気はするが殿様も影武者を用意して対抗するようになり、またうまく行かなくなってきた。このとき、蒐集院は洋の向こうからやってきた怪しげな『財団』なる組織と交渉をしていたが難航。嫌気がさしていた蒐集院はいっそのこと、この城の管理を財団に押し付けてしまおうと画策。かくして、城は財団に管理されるアノマリーとなったのであった。
財団は何度かは内部の調査も兼ねて機動部隊により制圧を行っていたが、無人航空機と高性能の焼夷弾を開発すると、翌年以降は城を焼夷弾で徹底的に焼き払う特別収容プロトコルを制定。
流石に戦国時代の山城にドローンで空襲したらオーバーキルであり、加えて攻城サイドは無人のため戦力も拡充できず、対抗しようにも刀剣と弓・鉄砲程度でどうにかなるわけもなく、殿様は立て札に
「止 む べ し」
と泣き言を書くしかなくなった。もっとも、城の性質上やめるわけにも行かないので、財団は毎年無情に城を焼き続けるのだ。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
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