概要
日中に出会った人であれば誰に対しても使える挨拶。講演や配信などの始めの時にも使われる。
見知らぬ通行人に対して言う人はなかなかいないものの、知り合い以上家族未満の関係性であれば(その関係が悪くなければ)言うことが多い。家族に対しては、朝に既に「おはよう」と挨拶していることが多いためか、特殊な状況でなければほとんど使われない。
もともとの意味と使い方
もともと「こんにちは」というのは「今日は」という意味で、後ろに「ご機嫌はいかがですか」「いい天気ですね」などを意味する言葉があった。現在はこれを省略して「こんにちは」とだけ読む。こうした経緯もあり、「こんにちは」の読み方は「こんにちわ」だが、書き言葉で「こんにちわ」と書くと誤りとなる。
「おはようございます(おはよう)」や「こんばんは」という挨拶もあり、時間帯によってどれを使うか区別される。厳密なルールはなく業界や集団によっても異なるが、だいたい午前9時~10時ぐらいまでなら「おはようございます」を使い、日が沈んだら「こんばんは」を使うことが多い。
同じ日に「こんにちは」と言った人に再び会った場合は使わないことが多く、「お疲れ様です」や簡単な会釈などで済まされることが多い。
動画冒頭などでの挨拶の場合は視聴者がどの時間に見ているかわからないため、「おはようございますの人はおはようございます、こんにちはの人はこんにちは(以下略)」「おはこんばんにちは」「おはこんばんちは」など混ざった挨拶が使われることもある。
歴史
江戸時代の上方(京都または関西)の遊郭から「こんにちは」単体での用例が見かけられるようになり、19世紀には庶民の間で軽い挨拶として使われていたが、この時期は「ありがとう」「さようなら」「おはよう」と比べると一般的ではなかったとされる。
明治時代の教科書でも「おお、○○君」が挨拶として載っていた。しかし、「こんにちは」も明治・大正期の教科書に掲載されたことで、日本で全国的に使われるようになった。
こんにちはする
稀に出会うことや何かが見えてしまうことを「こんにちはする」と動詞的に呼ぶことがある。
関連動画
関連静画
関連リンク
- 倉持益子「江戸から明治期における「今日は」」(明海日本語, 17, 2012)
- 倉持益子「あいさつ言葉の変化」(明海日本語, 18, 2013)
- 「“こんにちは”って何?」(NHKステラnet, 「チコちゃんに叱られる!」2022年1月28日放送, 小木曽智信(国立国語研究所)の解説)
関連項目
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