これではんごろしにします
はんごろしとは、米を半分程度に潰すこと、またはその製法で作られた餅を指す方言である。多くの場合は「おはぎ」や「ぼた餅」を指すが、五平餅やきりたんぽなど、他の餅の製法でもこの言葉を使うことができる。
全て潰すとみなごろしになる。ぜんごろし、ほんごろしとも呼ぶ。
概要
徳島県那賀町相生地区のはんごろしが有名である。その独特な名前から、徳島大学地域再生塾での提案を経て商品化されており、パック詰めにされて町の和菓子店等で市販されている(徳島大学)。小学生にもはんごろしの作り方が伝授されることもある(農水省)。
ただし、秋田県や長野県、富山県等でも同様の方言がある。そのため、もともとは日本全国で広く使われていた言葉である可能性もある。長野県には「野沢菜はんごろしキムチ漬」があり、「炊いた米のつぶし具合(はんごろし/ほんごろし)で味も食感も変化する事にヒントを得て誕生した」とされている。
はんごろしには昔話もある。旅人が家に泊まったとき、別の部屋にいる家人の「はんごろしにしようか、みなごろしにしようか…」という話が耳に入り、震え上がるというもの。こちらも、山形県・茨城県・岡山県・熊本県など広範囲で伝わってきた昔話である。
昔話「かちかち山」の絵本にも、「はんごろし」を使っている版のものがある。
「おばあさん、これぐらい つけば はんごろしかのう?」
きぬを かかえて たぬきが きく。
(略)
「はんごろしより みなごろし! たぬきじるより ばばあじる!」
ガツンと きねを うちおろした。
相生地区の「ビーンズあい」ではんごろしを作っている女性従業員が、すりこぎを持って言ったセリフ「これではんごろしにします」も有名である。2015年2月17日のテレビ東京の番組『たけしのニッポンのミカタ!』で放送された(テレ東)。
後に2022年11月24日に放送された日本テレビの番組『たとえ発掘バラエティ 後藤&河合はウリふたつ!?』でも、ビーンズあいですりこぎを持った女性従業員が同じ台詞を言っており、「みなごろし」も紹介されている。
関連動画
関連静画
関連項目
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