概要
やさいのようせいとは、NHK教育で放送されているアニメ作品である。2007年4月5日より毎週木曜、金曜の7:15~7:25に第1シリーズが、2008年5月5日より月曜~金曜の7:40~7:45と17:10~17:15(同日再放送)に第2シリーズが放送された [1]。現在、毎週土曜日の7:25~7:30と17:30~17:35(同日再放送)に両シリーズを合わせて放映中。
N.Y.の夜のキッチンを舞台に、生まれたばかりの「野菜の妖精」達が冒険を繰り広げるファンタジックなお話。1話につき5分のショートアニメである。
かわいらしい絵柄と軽快な音楽が特徴。また、原田知世の落ち着いたナレーションも魅力のひとつ。
ファイナルファンタジーのキャラクターデザイン・イメージイラストでおなじみのイラストレーター、天野喜孝の画集「N.Y.SALAD」をアニメ化した作品である。
鉛筆で素描したような描線と水彩画のような色彩であるが、すべて3DCGによって描かれている。
N.Y.SALADは、天野が仕事の合間の息抜きとして描き溜めた絵を自費出版で出した画集である。それをデジタル・メディア・ラボが試験的に映像化したことが発端となり、あれやこれやの後、TV放映のアニメ作品「やさいのようせい」として制作されるに至った。試験段階では画集そのままの絵が動いていたが、あまりにも怖い芸術的であり過ぎるため、アニメ向けにデザインされなおしている。なお、そのキャラクターデザインを行ったのも天野自身である。
「創造力を喚起させ、イマジネーションを高める」が作品のコンセプトの一つとして掲げられており、その一つの表れとして妖精たちがしゃべっている「ようせい語」がある。日本語とも英語とも言えないナゾの言葉で、何を言っているのかは人には分からないため、視聴者に不思議な世界を連想させ、空想の世界へといざなう。そのため、ストーリーはナレーションによる解説を交えながら進められる。
また、背景をあまり描かず空白を多用するのもそのコンセプトの表れであり、一方でそのことがオシャレでセンスある絵作りに一役買っている。時として都会的な寂しさを感じさせもするが、その中を愛らしい妖精たちが楽しく動き回るさまは、心がとても安らぎやさしい気持ちにさせてくれる。
優しさ、思いやり、好奇心…。無邪気なこどもの無垢なココロをテーマとした作品であるが、時にモルドレイスのような死の影を漂わせる存在も登場し、夢物語の範疇にとどまらない寓意的な示唆も多く含まれている。良質な子供向けアニメとして親子そろって見るもよし、用いられている高い技術力に目を見張るもよし、レタスさんの可憐さに萌えるもよし。
主な登場キャラクター
そのほかの仲間たち
各話リスト
第1シリーズ
サブタイトル | 脚本 | 演出 | 絵コンテ | 総合演出 | |
---|---|---|---|---|---|
1話 | 妖精たちの目覚め | 松宏彰 | - | - | |
2話 | 知りたがりやの芽キャベツ | 磯見大 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
3話 | ピクニック | 石田洋平 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
4話 | 水あそび | 西川未和子 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
5話 | ぎんいろの湖 | 松宏彰/高橋夏穂/鈴木真理子 | - | - | |
6話 | ガーリックのウソ | 西川未和子 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
7話 | 妖精たちの演奏会 | 磯見大 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
8話 | ピーナッツ大騒ぎ | 石田洋平 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
9話 | モルドレイス | 松宏彰 | 井端義秀 | - | |
10話 | こまったジャガイモ | 西川未和子 | 藤田啓介 | 松宏彰 | |
11話 | ゆかいなジャンプ | 石田洋平 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
12話 | きのこのなぞ | 磯見大 | - | 松宏彰 | |
13話 | 氷の国の冒険 | 高橋夏穂 | 外山草 | 松宏彰 | |
14話 | プレゼント | 石田洋平 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
15話 | びっくりカボチャ | 北澤有香 | 外山草 | 松宏彰 | |
16話 | トウガラシのいたずら | 北澤有香/石田洋平 | 北澤有香 | 井端義秀 | 松宏彰 |
17話 | しめった季節 | 松宏彰 | 井端義秀 | - | |
18話 | はっぱのそり | 高橋夏穂 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
19話 | やさしいまなざし | 磯見大 | 井端義秀 | 松宏彰 | |
20話 | はじめてのダンスパーティー | 西川未和子 | 外山草 | 松宏彰 | |
21話 | かくれんぼ | 石田洋平 | 村田美穂 | 松宏彰 | |
22話 | 消えたお月さま | 高橋夏穂 | 外山草 | 松宏彰 | |
23話 | 炎の谷 | 北澤有香/磯見大 | 外山草 | 松宏彰 | |
24話 | ひろがるもののかげ | 松宏彰 | 井端義秀 | - | |
25話 | ふしぎな砂時計 | 西川未和子 | 外山草 | 松宏彰 | |
26話 | 夜のつぎにくるもの | 磯見大 | 井端義秀 | 松宏彰 |
第2シリーズ
サブタイトル | 脚本 | 演出 | 絵コンテ | 総合演出 | |
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1話 | しゃっくりとめて! | 中村哲治 | - | ||
2話 | 白ナスとんだ | 松村麻郁 | 中村哲治 | ||
3話 | 困った足あと | 坂井史世 | 香川豊 | 中村哲治 | |
4話 | プチトマトの誕生日 | 中村哲治 | - | ||
5話 | ピアノがいなくなっちゃった | 井端義秀 | 石黒育 | 中村哲治 | |
6話 | イヤリングころころ | 中村哲治 | - | ||
7話 | まいごのピーナッツ | 井端義秀 | 中村哲治 | ||
8話 | ジャガイモの不思議な箱 | 坂井史世 | 中村哲治 | - | |
9話 | おしゃれなプチトマト | 坂井史世 | 井端義秀 | 中村哲治 | |
10話 | イースターエッグ | 中村哲治 | - | ||
11話 | カヌーレース | 松村麻郁 | 中村哲治 | ||
12話 | きのこのおばけ | 井端義秀 | 中村哲治 | ||
13話 | 芽キャベツのなやみごと | 坂井史世 | 井端義秀 | 中村哲治 | |
14話 | みんなでなわとび | 松村麻郁 | 中村哲治 | - | |
15話 | ガーリックの家出 | 相馬和彦 | 石黒育 | 中村哲治 | |
16話 | だるまさんがころんだ! | 高橋学 | 中村哲治 | - | |
17話 | お花畑みつけた! | 坂井史世 | 中村哲治 | - | |
18話 | びっくりパーティー | ハラダサヤカ | 中村哲治 | - | |
19話 | 炎の精のおくりもの | 中村哲治 | - | ||
20話 | お星さまさがし | 坂井史世 | 板村智幸 | 中村哲治 | |
21話 | 冬のともだち | 坂井史世 | 中村哲治 | - | |
22話 | ないしょないしょ | 坂井史世 | 中村哲治 | - | |
23話 | はっぱのひこうき | ハラダサヤカ | 三原武憲 | 石黒育 | 中村哲治 |
24話 | しゃぼん玉あそび | 坂井史世 | 中村哲治 | - | |
25話 | サニーおばさんの宝物 | ハラダサヤカ | 中村哲治 | - | |
26話 | 流れ星におねがい | 井端義秀 | 中村哲治 |
制作スタッフ
- 原作
- 天野喜孝
- ナレーション
- 原田知世
- 総合演出・脚本
- 松宏彰/中村哲治
- テクニカルディレクター
- 青海徳之/高橋学/佐藤宣吉
- 音楽
- 藤野浩一
- 背景美術
- 児玉徹郎/松村麻郁/遠藤雪代/山崎陽平/宮城公広/鈴木菜つみ
- 効果
- 川田清貴
- 録音
- 細貝真弓/はたしょうじ
- ビデオ編集
- 中谷和弘
- プロデューサー
- 鈴木真理子/中村哲志/佐々木拾
- アニメーションプロデューサー
- 浦澤貴洋/小林正俊/中野美穂子
- アニメーション制作
- デジタル・メディア・ラボ
- 制作・著作
- N.Y.SALAD 製作委員会(加賀電子/NHKエデュケーショナル/デジタル・メディア・ラボ/モンスターフィルムス)
映画化
2010年2月13日から、ワーナー・マイカル・シネマズのデジタル3-Dを導入している全国43劇場にて、劇場版3D映画「やさいのようせい/N.Y.SALAD」が上映された(上映時間約35分)。2部構成で第1部はテレビ放送された3作品のリマスター版(15分)、第2部はオリジナルストーリー3D版(20分)。
当初の上映終了予定日であった3月5日の後も一部の劇場において上映期間の延長・再延長が行われる事となり、最終的には4月9日まで上映された。[2]
第1部で上映されたのは以下の3作
劇場版制作スタッフ
脚注
- ^第2シリーズは第1シリーズ25話の後に続けて放送され、第2シリーズ全26話の後に第1シリーズ26話が放送されます。第2シリーズの放送開始日を2008年3月31日としている情報もありますが、これは第2シリーズを加えた放送が開始された日付で、第2シリーズ単体としては2008年5月5日~2008年6月27日が初回放送となります。
- ^未確認情報ですが、ワーナー・マイカル・シネマズ各務原劇場においては2010年4月18日まで上映されていました。
関連動画
関連項目
関連リンク
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