アルバートオデッセイとは、SFC(スーパーファミコン)時代の1993年に、SUNSOFT(サン電子株式会社)により作られた、SRPGゲームである。
概要
この作品は、有名なようでマイナー部類に属するゲームと言える。
代表的なSRPGといえば、当時はファイアーエムブレムが一番の人気作であり、当時のコンシューマ機のSRPGはどれもこのタイプに偏る傾向にあった。
しかし、アルバートオデッセイはその常識を跳ね除ける自由度の高さと斬新な取り組みを試みた進化系SRPGといえる作品になっている。まず、行動システムは1ターンごとに敵味方が交代動くという形を採用。これだけならなんの変哲もないのだが、驚くべきは動きの自由度の高さである。
このゲームは1面、2面といった区分けが無く、「勝利条件の達成」がSRPGの目標だが、アルバートオデッセイでは街から街へ、街からダンジョンへ、というように普通のRPGのように行動していく。
エリアごとにボスがいて、それを倒すのが一応の目標であるが、別に一直線に進んでもよし、適当にレベル上げながら進んでもよし、というように、好き勝手に動けるのがミソ。さらにはターン制限はなく、かなりRPGよりのシステムのゲームだと言える。
そしてこのゲームの最大の焦点となるのが、オーソドックスなストーリーの割に、エンディングが驚愕の結末になってしまうことだろう。数々の犠牲を負いながらも、あんなにほのぼのしたゲームであったはずなのに、エンディングが悲惨すぎる結末になっている。一言でいうならば『トラウマ』。その続きは(アルバートオデッセイ2)に繋がるという意味だったのと理解したい所だが、その割にはストーリーに一致点が少なすぎることや、2の割に壮絶な劣化度が否めないのにも疑問符が付く。
登場人物
旧世紀、グローバスによって危機に陥った世界を救った勇者ゴートの末裔。大陸西方の山村チベリス出身。16歳。
RPGの主人公たるにこれ以上申し分の無い血統だが、おかげで本人は苦労を強いられる。(どのゲームでもそうだが)
性格、明朗かつ豪放磊落。自信家。一人称俺。勇者という格式ばった肩書きにはいささか似つかわしくないが、そこに他の一般勇者(笑)にはない気持ちの良さが感じられる。ゲーム内では、序盤とエンディングを除いてはセリフはほとんどないが、ボス戦やイベント等の際は、豪気に溢れる彼の言動があたかも耳に響くかのようである。
髪の毛の色は青。神獣の霊気を操る「青カミの一族」の末裔たる証。
幼少の頃に両親を失い、以後、村の司祭の手で僧侶として育てられた少年。チベリス出身。16歳。
アルバートとは幼なじみ。アルバートの旅に修行のために同行させられるが、本人は至ってヤル気のようだ。
序盤のセリフに「Thank You!」などの英語が入ることからも分かるように、彼はアメリカン的陽気さを備えたオモシロ僧侶少年である。そこのところは「僧侶に似つかわしくない」という設定の通り。時にはパーティーのムードメーカー、時には血気盛んなアルバートの制止役として、なくてはならない存在。
旧世紀の古代文明・グローバスを復活させ、世界を魔導の力によって掌握せしめんとした魔導師オズワルド。彼が行軍中の村で目を留めたのは、魔導の力を奥底に秘めた一人の幼い少女だった。オズワルドは後々の我が身の危険を危惧しその少女を手にかけようとする。少女の母は身を呈して娘を守った。母親の絶命を目の当たりにする少女。彼女は叫んだ。「ママをかえして!」
オズワルドは、その瞬間目覚めた少女の絶大な魔導の力を受けて、閃光と共に、大地の彼方へ吹き飛ばされた。眩い閃光は、遥か海を越えた隣国までも達したという。
彼女には、戦争で父を、眼前で母を失った、負の記憶がある。そして、我が身に秘められた得体の知れない絶大な力への予感。14歳という年齢には重過ぎる荷にあるといえよう。髪は赤毛。
彼女は打倒オズワルドの命を受け、勇者の末裔の力を借りて旅立つ。言いようのない不安を胸に抱えながら。
その不安が、旅のさなかに明るい仲間たちに支えられたことによって、どれほど安らいだことだろう。勇者アルバートは彼女の支えとなり、そして彼女自身もまた新米勇者の支えとなった。一人の少年が救国の勇者になりえたのは、仲間、そしてこの少女の導きがあったからに他ならない。勇者と少女の間には、深い絆ができたはずだ。
ゴート騎士団の総督であった騎士。たった独りになったソフィアを手元に引き取り、養女として育てる。一人娘は宮廷魔術師として成長し、やがて勇者と共に旅立つこととなる。しかし、冒険中盤のパーティーは、若者3人に対し、中年1人になるのが実情。きっとアルバートは彼を「おっさん」と呼んでいたと推測する。
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