アンブレラデート(Umbrella Date)とは、2018年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牝馬。
概要
父エイシンフラッシュ・母ダイワスカーレット(母父アグネスタキオン)。
父エイシンフラッシュは2010年東京優駿(日本ダービー)と2012年天皇賞(秋)の優勝馬。天覧競走だった天皇賞(秋)で鞍上のミルコ・デムーロが見せた最敬礼などのパフォーマンスが有名かも知れない。種牡馬としては2022年3月18日現在JRA重賞勝ち馬はオニャンコポンのみと苦戦している。
母ダイワスカーレットは2007年桜花賞・秋華賞・エリザベス女王杯、2008年有馬記念の優勝馬。GI級7勝の同期の牝馬ウオッカに直接対決で3勝2敗と勝ち越しており、近代の日本競馬においてトップクラスの名牝といえる。繁殖牝馬としては2022年3月18日現在産駒の重賞実績はほぼなしとこちらも苦戦している。
母父アグネスタキオンは4戦4勝で底を見せぬまま引退、種牡馬としてもリーディングサイアーに輝くなど*サンデーサイレンスの後継として大活躍した。
2018年2月24日に北海道千歳市の社台ファームで生産され、社台ファーム代表吉田照哉の妻の吉田千津が名義上の馬主として栗東の角居勝彦調教師の元でデビューすることとなった。
相合い傘
デビューは2020年10月31日のメイクデビュー京都(芝1600m、藤岡康太騎乗)。牡馬との混合戦でのデビューながら、2番手での先行策から直線抜け出しで押し切り、デビュー戦を勝利で飾る。
続く12月のこうやまき賞(1勝クラス・中京芝1600m、藤岡康)は直線で伸びず8頭立ての6着。
明けて3歳、2月の阪神の1勝クラス(芝1400m、三浦皇成)は直線で差し切られたものの逃げて2着に粘り込む。
角居調教師が2021年2月で定年を待たず引退したため藤原英昭厩舎に移籍し、桜花賞を目指してトライアルのフィリーズレビュー(GⅡ)に挑戦(池添謙一)。内枠を活かして道中は3~4番手で最内の経済コースを確保、直線でも最内を突いて一度は抜け出し先頭を争って粘ったが、最後はシゲルピンクルビーとヨカヨカに突き放され、外からミニーアイルに半馬身差かわされ惜しくも4着。桜花賞の優先出走権獲得はならなかった。
その後は半年休んで、秋からは一般競走の自己条件に戻り、芝1400m戦に狙いを絞って出走を続ける。先行策から見せ場は作るものの最後はまとめてかわされるというパターンで7着(岩田望来)→5着(川田将雅)と敗れたあと、11月の阪神の1勝クラス戦(岩田望来)を、これまでよりやや控えた5番手からのレースで直線外から差し切って2勝目を挙げる。
12月の阪神2勝クラス(岩田望)は中団から直線で外に持ち出すも前を捉えきるところまではいけず8着に敗れ、3歳シーズンは終了。
明けて4歳となった2022年、2月の阪神2勝クラス(岩田望)も中団から同じように前を捉えきれず4着。
3月の熱田特別(中京、岩田望)は3~4番手から直線抜け出しを図るも、同オーナーのタイニーロマンスに突き放され2馬身半差の2着。
4月の東京2勝クラス(福永祐一)は好スタートからかかり気味なのを鞍上が抑えるようにして4番手につけたが直線で伸びあぐねて8着。
このレースを最後に、4月27日付けで中央競馬の競走馬登録を抹消、現役引退となった。通算11戦2勝。
行き先は千歳だそうなので、故郷の社台ファームで繁殖入りするものと思われる。
「同じ傘の下で」
以上、競走馬としての概要を書くだけならごくごく平凡な条件馬で終わった牝馬である。特に珍名馬というわけでもないし、競走馬として何か特筆すべき話題性があるわけでもない。だが、そんな彼女の名前が突如として一部ファン層に広く知られることになる事態が2022年2月に出来した。
さて、もう一度彼女の血統情報を見ておこう。
父エイシンフラッシュ、母ダイワスカーレット、母父アグネスタキオン。
そう、2021年2月のアプリ配信とともに爆発的ヒットとなり、競馬界に大量の新規ファンをもたらした『ウマ娘 プリティーダービー』。上記3頭は、いずれもその作中で擬人化=ウマ娘化されている競走馬なのである。
牝馬や21世紀のメジャーな種牡馬はあまりウマ娘化されていないため、両親ともウマ娘化されている現役競走馬は彼女とピエドラデルーナ(父キタサンブラック、母スイープトウショウ。未デビュー)ぐらい。いわゆる「ウマ娘血統」の中でも濃厚かつ貴重なウマ娘血統と言える。
とはいえ、それだけで彼女の存在がすぐに注目されたわけではなかった。前述の通りエイシンフラッシュもダイワスカーレットも2021年まで産駒に目立った活躍馬はおらず、アンブレラデートも桜花賞に出られなかったこともあり、「ウマ娘血統」として目をつけていたファンはいたが、知名度はそれほど高くなかったと言える。
話が変わったのは2022年2月、アプリの配信1周年に合わせて実装された新育成シナリオ「Make a new track!!~クライマックス開幕~」(以下「MNT」)でのこと。
これまでの育成シナリオ「新設!URAファイナルズ」および「アオハル杯」では、各ウマ娘ごとに史実をベースに設定された目標レースをクリアしてウマ娘ごとに個別のシナリオを進めていくというゲームであったのだが、「MNT」では個別のシナリオと目標レースという概念が撤廃され、全てのウマ娘を自由なローテーションで育成することが可能になった。
そして、個別シナリオが無くなったかわりに、「MNT」ではウマ娘同士の絡みを描いた日常イベントが大量に投入されたのである。
そんな日常イベントの中にあったのが「同じ傘の下で」というイベント。
これは、「ダイワスカーレットとエイシンフラッシュが相合い傘をして、親しくしている後輩の選抜レースを応援に行く」という内容のイベントであった。
アンブレラデートの名前が直接出たわけではないが、明らかにアンブレラデートを想起させるイベントである。
これまでダイワスカーレットは史実のライバルであるウオッカや父であるアグネスタキオン、エイシンフラッシュは一緒にドバイに行ったスマートファルコンや世代の近いゴールドシップあたりとの絡みが中心であったため、これまで特に目立った接点のなかったこのふたりの濃厚な絡みに驚いたファンが検索して彼女にたどり着いたり、彼女の存在を元々知っていたファンが「こういう風にネタとして拾うのか!」とSNSで紹介したりしたことで、アンブレラデートの名前は一躍、ウマ娘ファンに知られるところとなったのであった。
なお、イベント内で描写されるレース展開は、アンブレラデートが勝利した新馬戦を意識したものと思われる。
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https://twitter.com/RT250435/status/1496701796559233026
血統表
エイシンフラッシュ 2007 黒鹿毛 |
*キングズベスト 1997 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
Allegretta | Lombard | ||
Anatevka | |||
*ムーンレディ 1997 黒鹿毛 |
Platini | Surumu | |
Prairie Darling | |||
Midnight Fever | Sure Blade | ||
Majoritat | |||
ダイワスカーレット 2004 栗毛 FNo.4-d |
アグネスタキオン 1998 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | *ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
スカーレットブーケ 1988 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Victoria | |||
*スカーレットインク | Crimson Satan | ||
Consentida |
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関連リンク
関連項目
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