キン肉マンマリポーサとは、漫画・アニメ『キン肉マン』に登場するキャラクターである。
概要
キン肉スグルのキン肉星大王就任を妨害するべく邪悪の神々が擁立した運命の5王子の1人。スグルと同じ病院で1960年4月1日同じ時刻に産まれた。飛翔の神が宿った超人であり、正体は泥棒で生計を立てていた盗人ジョージ。
飛翔チームのリーダーらしく身のこなしが軽く、その様は飛んでいるかのよう。バランス力・体のバネも高く、試合ではロビンマスクのマスクの角部分に逆立ち指一本でピタと立つという離れ業を見せている。また、神が宿っているので超人強度は1億パワーを誇る。
敵ではあるがリーダー・次期王位継承者候補としての人格と威厳を持ち合わせており、敗北した部下を責めたりはせず、バラバラになっても引き分けに持ち込み果てたキング・ザ・100トンを褒めたたえている。部下が身を挺して勝利のために動くあたり、慕われていることが分かる。このあたりは部下を捨て駒として平気で切り捨てるフェニックスや金でしかチームメイトを繋ぐことができないゼブラと大きく違う点である。スグル達からも大王候補として申し分ないと評価されている。
ただし、不幸を盾に自らの盗みや王位争奪戦を正当化しているフシがある。貧乏さを経験したからか心が貧しく飢えており、力の源ではあるが、それが敗因だとスグルに言われている。
新シリーズで再登場して以降は、かつてのような"心の貧しさ"は克服されたようで、品格と威厳のあるカリスマ性を感じさせられる超人として描かれている。また、味方に適切なアドバイスを送りながら、時には鼓舞する優秀な指揮官としての一面も見られる。
プロフィール
- 所属・・・運命の五王子・飛翔チーム大将
- 出身・・・キン肉星→メキシコ→モクテスマ星、エントリー上はメキシコのメキシコシティ
- 身長・・・185㎝
- 体重・・・100㎏
- 超人強度・・・1億パワー、盗人ジョージ時代は90万パワー
- 生年月日・・・1960年4月1日
- 年齢・・・登場時24歳
- パワー源・・・ハングリーパワー
活躍
前半生
産まれはキン肉星だが、飛翔の神に見い出されるまでモクテスマ星という惑星で暮らしていた。一家は貧しい暮らしを送り、酸素が薄いモクテスマ星で生きながら酸素ボンベを購入出来ないほどの極貧生活だった。やがて貧しい生活の中で母は少ない稼ぎを出すべく苦労し、さらにアニメ版では妹は病に罹っても薬を購入できず心配掛けないように歌を歌いながら死んでいった。やがて母親も死んだようで、この貧しい生活はマリポーサの心に暗い影を落とした。
やがてマリポーサは生きるために盗みを行うようになる。モクテスマ星は酸素濃度が少ないため、酸素マスク無しでは激しい運動が禁じられるような場所だった。しかし、マリポーサは酸素マスク無しで盗みのために走る飛び回るなどを行い、これを続けるうちに驚異的な肺活量と瞬発性・体の柔軟さを手に入れ、貧乏ゆえのハングリー精神と底力を養った。貧困に苦しむ育ちから金持ちへの強い憎しみを抱き、盗みに入るのは裕福な家庭だけだった。また、キング・ザ・100トンとは昔からの友人らしく、盗人仲間だったと思われる。
モクテスマ星での生活の最中にロビン家の屋敷に忍び込んでおり、そこで幼少時のロビンマスクと出会っている。この時の盗みの成果としてロビン家の家宝アノアロの杖を盗み出し、炎を生み出し操る能力を手に入れている。
そんな中、飛翔の神と出会い、自らが出生時のゴタゴタで取り違えたキン肉星の王子かもしれないと知る。野心を燃やしたマリポーサはチームメイト(ザ・ホークマン、ミスター・VTR、ミキサー大帝、キング・ザ・100トン)を集め、王位継承争いに乗り込んだ。
キン肉星王位争奪編
飛翔チームは王位継承サバイバル・マッチ1回戦において、熊本城でキン肉マン・チームと対戦。当初たった2人だけだったキン肉マン・チーム相手に勝利を確信し、中堅のミキサー大帝がキン肉スグルの火事場のクソ力を奪うが、スグルとミートの奮戦や途中で増援(テリーマン、ロビンマスク)が来たことで試合は激化。飛翔チームはマリポーサ以外戦死してしまう。
両チーム共に大将を残しての決戦となり、マリポーサと因縁のロビンマスクの一騎打ちに突入する。驚異の身体能力をフルに活かしロビンを手玉に取り、王位継承者の証であるキン肉族三大奥義の1つ”マッスル・リベンジャー”を繰り出し周囲を驚愕させた。なおも食らい付くロビンに対しアノアロの杖を使用し火炎攻撃も追加。さらに自らの辛い境遇とそれゆえの貪欲さを語り、ロビンの戦意を喪失させている。
勝負を決めるべく渾身の”マッスル・リベンジャー”を放とうとするが、友であるスグルも同じように辛い境遇を経験していると知ったロビンが復活し、さらにロビンの魂に呼応したアノアロの杖が勝手に動きロビンの手に渡ってしまう。アノアロの杖を装備したロビンの”ユニコーンヘッド”で”マッスル・リベンジャー”を返され、追撃の”ファイヤー・タービン”を喰らい吹っ飛ばされる。
完璧な技である”マッスル・リベンジャー”があっさり返されたことで掛け方が違う偽物の技であると判明し、三大奥義が記された壁画からの天罰を受けてしまう。黒こげになって無防備に落下したところをロビンの必殺技”ロビン・スペシャル”をモロに喰らい敗北、死亡した。
アニメでは死亡直前に諭され改心した。王位争奪編ラストでスグルのフェイス・フラッシュによって今まで死んだ超人達と共に復活している。
余談ながら、モクテスマ星の極貧家庭出身なのになぜかキン肉星の王族御用達な病院で産まれていたり、キン肉マンと同年同日産まれでありながら正義超人の古参であるロビンマスクの幼少期にアノアロの杖を盗んでいたり、そもそもキン肉王族とは似ても似つかない色黒なのに取り違え候補としてスカウトされたりと、その経歴にはツッコミどころ謎が多い。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編
2017年から開始された新シリーズにて、再びマリポーサマスクをつけてスーパー・フェニックス、ゼブラ、ビッグボディと共にオメガ・ケンタウリの六鎗客との戦いに参戦。決戦前には状況が理解できず説明を求めるキン肉マンに対し、深く語ろうとしないフェニックスやゼブラに代わり、話せる範囲で事情を伝えるべきだと判断し、最低限の説明とともに六鎗客との徹底抗戦の意思を示す。
面々は世界各地に散って戦うことになり、マリポーサはルーマニアのブラン城でヘイルマンと対峙する。
ルチャリブレ戦法で翻弄しコルバタから右腕を抑えるも、もう片方の腕からブリザードハンドの反撃でマスクごと傷付けられると、先のティーパックマンとの試合と同様にリングを氷漬けにされたことによって動きを止められた・・・。
と思ったら、コーナーへのクロスチョップから回転で摩擦熱を起こし、まさかのモクテスマ・ディフェンスにヘイルマン(と読者)は驚きを隠せなかった。
身に纏った炎で足場を作り、一気に形勢逆転するもヘイルマンの奥の手「アイスウォール・プリズン」で閉じ込め、酸素不足による炎の鎮火によりヘイルマンが勢いづき、胸や足に傷を付けられ再び劣勢になってしまう。その猛攻の中でヘイルマンが振り上げた手をみて反撃の糸口をつかみ、足四の字固めを仕掛けるが切りかえされて鎌固めを決められマスクから徐々に氷漬けにされ・・・
なかった。そこまでがマリポーサの計算で、ヘイルマン自身を利用して自身の体に再び炎を宿すことに成功。ヘイルマンの技量を認めたうえで鎌固めでカウンターを仕掛けてくることまで先読みしていたマリポーサの作戦勝ちだった。
驚くヘイルマンに種明かしをし、相手を称賛しつつも勝利への希望をヘイルマンから奪っていった。
悔しがるしかないヘイルマンに対しマリポーサ式マッスル・リベンジャーの体勢に入ると、トドメとしてかつての必殺技から柵(しがらみ)を超えた新必殺技の「アステカ・セメタリー」でヘイルマンを撃破。運命の王子側に1勝目をもたらし、試合後は謎のポーズまで披露する。
尚、web上で公開された際の漫画の煽り文の「ヘイルマンのアイスショーは中止に・・・!?」や「ヘイルマン!背中背中~~!!」等、対ヘイルマン戦では何かとネタが多いバトルとなった。
超神編
“調和の神”が超神を率いて攻めてくると、フェニックスやビッグボディは活躍したがマリポーサの試合はしばらく無かった。バベルの塔での戦いが終わり、“刻の神”が創造した時間超人が地上に現れると、邪悪神から情報を聞いたマリポーサはゼブラと共にレバノンのバールベック遺跡に現れる。そこではスクリュー・キッド調査団が時間超人にやられており、その場に残ったケンダマンを救出する形で時間超人と相対する。
ゼブラと組んでタッグマッチを行おうとしていたところに驚異の復活を遂げたマリキータマンがオメガの星から駆けつけ、時間超人への因縁と戦意を顕わにすると、マリポーサはマリキータマンに試合を任せて退く。すぐには納得できないゼブラに、命を懸けて戦った二人の間はリスペクトの精神が生まれていると説得。ゼブラも翻意してくれて、マリキータマンとのタッグ「エグゾセミサイルズ」を結成。マリポーサはリングサイドから戦いを見守る事になった。
時間超人の「超回復」を目の当たりにした際は持久戦は不利と冷静に分析し、エグゾセミサイルズに対して一撃必殺のツープラトンで決着を付けるようアドバイスを送る。アドバイス通りに心をシンクロさせたエグゾセミサイルズは「シンクロニシティ・インフェルノ」によってエル・ドミノスを撃破。威厳のある的確な指示で勝利に導いたマリポーサは試合をしていないのに大きく株を上げることとなった。
試合後、邪悪神から得たと思われる情報を元にエル・ドミノスの魔時角を見破り、破壊。その後、エル・ドミノスよりもさらに格上の時間超人である五大刻が姿を見せると、満身創痍のケンダマンをザ・マンの元へ戻らせ、手負いのゼブラとマリキータマンも下がらせると、一人バールベックの地に残った五大刻のパピヨンマンと戦うことに。
レバノン決戦第2ラウンドとなった"蝶"上決戦は予想通りの華麗な空中殺法が繰り出される試合展開となるが、パピヨンマンの必殺技二連発を受けてしまうなど序盤の主導権を握られると、反撃もできないままに今度は関節技の「ダウンダウンスカイミッション」に捕らえられてしまう。
パワーで上回るパピヨンマンの羽根から力での脱出は不可能と悟り、モクテスマ・ディフェンスを発動させて何とか脱出はできたものの、リリース時に「ホーイルスピンヘッドショット」によって鉄柱に脳天を叩きつけられ、ダウンする。
満身創痍のまま立ち上がると、五大刻の強さを完璧超人始祖に匹敵するレベルと痛感しながら悲壮な覚悟で立ち向かっていく。
ようやく延髄蹴りで一撃を与えるが、今度は鱗粉によって分裂したパピヨンマンに一対二の状況を作られ、シングルマッチなのにツープラトン技を立て続けに喰らってしまう。それでも再び炎を纏い、アステカヘッドバッドによってアバターを消滅させ、「パピヨンメテオフォール」を回避してからのマリポーサ式マッスル・リベンジャーを放つ。しかし、起死回生の必殺技もパピヨンマンには全く通用せず、カウンターからの強烈なブレーンバスターによって逆に石のリングに沈められ、ダウン。
五大刻との力の差を見せつけられ、まさに絶望的な状況のなか、ゼブラに自分の戦いをしっかり見るように告げると、「やれることは全部やるう」と決意。最後の奥の手として飛翔の神を呼び出し、再び自身に憑依させることで1億パワーを得る禁断の手段に打って出る。
再融合したことで圧倒的なパワー不足が解消され、得意のルチャ殺法で反撃に出るが、パピヨンマンは余裕の姿勢を崩さない。それでも、傷ついたマリキータマンへの想いを込めて再びマリポーサ式マッスル・リベンジャーを仕掛ける。今度も通用しなかったものの、ここからフェイバリットのアステカセメタリーに繋げて勝負に出る。しかし、これもパピヨンマンの「キラータービュランス」によって攻略され、逆に「バタフライ・デッドレコニング」によってまたもダウンする。
マリキータマンからの声援を受け、諦めずに立ち上がり反撃に出るが、力の源である飛翔の神がパピヨンマンに捕まり、ボコボコにされてしまう。1億パワーをもってしてもひるまない理由、それはパピヨンマンも超人強度1億パワーの持ち主だったからだった。
瀕死の状態のまま再び「ダウンダウンスカイミッション」に捕らえられ、モクテスマ・ディフェンスによる脱出すらパピヨンマンに対策を打たれてしまう。それでも、飛翔の神に自らの体内で発火するように指示を出し、全身のダメージを顧みない捨て身のモクテスマ・ディフェンスを発動させる。
しかし、不幸にもパピヨンマンはまだ技の全貌を見せておらず、「トゥルーダウンダウンスカイミッション」によってリングに叩きつけられ、とうとう飛翔の神と共にKOされ、完敗という結果に終わる。
試合後、飛翔の神はいずこかへと消え去ってしまい、一人取り残される。パピヨンマンからゼブラたち共々トドメをされそうになったが、突如現れたキング・ザ・100トンとバイクマンによって救われ退却。ゼブラの言葉によって命がけでパピヨンマンの前に立ちはだかった100トンの覚悟を汲み取り、涙を浮かべて再起を誓う。
戦績
- ✕ロビンマスク(ロビンスペシャル)
キン肉星王位争奪サバイバルマッチ1回戦 / 熊本城 - ○ヘイルマン(アステカセメタリー)
オメガ・ケンタウリの六鎗客 VS 運命の王子 / ルーマニア・ブラン城 - ✕パピヨンマン(トゥルーダウンダウンスカイミッション)
運命の王子 VS 五大刻 / レバノン・バールベック遺跡
主な必殺技一覧
- マリポーサ式マッスル・リベンジャー(偽マッスル・リベンジャー)
- キン肉星三大奥義の1つの偽物。壁画に描かれたマッスル・リベンジャーの部分をマリポーサは技の掛け手と受け手を本来とは逆に受け取ってしまい、その結果誕生した技。高く飛び上がり、頭上から相手の頭部に連続で頭突き攻撃を繰り出す。相手は技を受けるたびにマットに沈んでいってしまう。
鍛練に鍛練を重ね身体中のムダな贅肉を絞り、全身をバネとしたマリポーサだからこそ可能な技であるが、やはりフィニッシュホールドとしては不完全だったためロビンマスクに破られた。
六鎗客編以降は「マリポーサ式マッスルリベンジャー」という呼称となっている。 - モクテスマ・ディフェンス
- 全身から火炎を生み出し身に纏うマリポーサの伝家の宝刀。リングロープに引火して炎でリングを覆うことも出来る。攻撃だけではなく防御にも使え、熱で思考力を奪うことも可能。
王位争奪戦ではアノアロの杖を用いて使用していたが、オメガ・ケンタウリの六鎗客編でのヘイルマン戦ではコーナーポストにクロスチョップで当てた後、それを軸に回転して炎を呼び起こした。パピヨンマン戦ではリストバンドをマッチのようにこすりつけることで発動させている。
マリポーサ曰く「火種を作る事ができれば、いつでも使う事が可能」との事。 - アステカ・ドロップ
- 炎を纏った状態でエルボードロップを繰り出す。
- アステカ・セントーン
- 炎を纏った状態でセントーンを繰り出し、相手を押し潰す。
- アステカ・ニードロップ
- 炎を纏った状態でのニードロップ。
- アステカ・ヘッドバット
- 炎を纏った状態でヘッドバットを放つ。
ロビンには上記4つの技を連続で出す「アステカ・ラッシュ」として使用し、痛めつけた。 - セントーン・ケブラドーラ
- リングロープで前転して勢いをつけてのセントーン(※尻餅をつくような形で相手に背面や臀部をぶつけていく技)。マリポーサの飛翔の力があってこそ可能な技。
- 秘技・鉄杭縛り
- 相手を脚で挟み込み、そのまま投げ飛ばしコーナーにぶつける。その際の衝撃でコーナー柱は4つに割れてしまう。 その柱をダウンした相手の四肢に突き刺し動けなくして次の技に繋げる。
- アステカセメタリー
- 上記のマッスルリベンジャーを否定された事から、キン肉王位の柵(しがらみ)から解き放たれたマリポーサの真の必殺技として、偽リベンジャーを発展させた新たな必殺技。
途中までマリポーサ式リベンジャーの流れ(ヘッドバッドを連続で当てる)で当て、そこから相手の頭部を脚で挟み、相手の頭を支点に複雑に旋回し、最後は相手の頭部をマットに激しく叩きつける。絶妙な空中での体重移動、身体操作術で成立するマリポーサならではの大技である。
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関連項目
- キン肉マン
- キン肉マンの登場人物一覧
- 貧乏
- 蝶
- キン肉スグル
- キン肉アタル
- 邪悪五神 - 飛翔の神
- 運命の5王子
- キン肉マンマリポーサ ※当記事
- キン肉マンビッグボディ
- キン肉マンゼブラ
- キン肉マンソルジャー
- キン肉マンスーパー・フェニックス
- 飛翔チーム
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