グレンイーグルス(Gleneagles)とは、2012年生まれのアイルランド生産・調教の元競走馬で、現在は種牡馬である。
概要
父Galileo、母You'resothrilling、母父Storm Catという血統。
父ガリレオは言わずと知れたヨーロッパの大種牡馬、母ユーアーソースリリングはイギリスの重賞勝ち馬でさらに2代母、3代母も重賞勝ち馬、母父もまたアメリカの大種牡馬ストームキャットという血統に一切隙がない良血馬である。
グレンイーグルスはユーアーソースリリングの2番仔として生まれ、父や母も調教したエイダン・オブライエン厩舎に預けられた。
2歳時(2014年)
グレンイーグルスは6月6日にレパーズタウン競馬場での7ハロンの未勝利戦に単勝2.375倍という圧倒的1番人気を集めデビューしたがConvergenceの4着に敗れた。3週間後のカラ競馬場での7ハロンの未勝利戦では最後の1ハロンでよく伸び、2馬身半差で快勝した。
7月24日のタイロスステークス(レパーズタウン・7ハロン・GIII)は3頭立てとなったが最初のレースでグレンイーグルスを負かしたConvergenceが出走してきた。このレースでは3番手から直線でTombelaineとConvergenceを交わし3/4馬身差で優勝した。オブライエン師は「まだ子供だし、これからもっと良くなると思うよ」とコメントした。
1ヶ月後のフューチュリティステークス(カラ・7ハロン・GII)では5頭立ての4番手でレースを進めたが、最後の1ハロンで先頭に立ち、3/4馬身差で優勝した。
9月14日にはアイルランドの2歳チャンピオンを決めるレース、ナショナルステークス(カラ・7ハロン・GI)に出走した。エイコムステークス(GII)優勝馬のDutch Connectionなどが出走する中でグレンイーグルスは単勝1.33倍の1番人気に支持され、レースでは最後方から最後の1ハロンでゴドルフィン所属のToscaniniを交わし、これに1馬身半差をつけゴールした。鞍上のジョセフ・オブライエン騎手も「彼は素敵な馬で、今日はリラックスして走ることができた」と馬をほめたたえた。
シーズン最終戦としてフランスに遠征し、10月5日のジャン・リュック・ラガルデール賞(ロンシャン・1400m・GI)に出走した。グレンイーグルスはコヴェントリーS(GII)とモルニ賞(GI)を勝ったThe Wow Signalに次ぐ2番人気となった。レースではグレンイーグルスはいつも通り後方からレースを進め、最後の200メートルでフランスのGIII勝ち馬Full Mastを半馬身交わして1位で入線したが、レース後Full Mastと3位入線のTerritoriesの2頭に対する進路妨害という裁定が下り、3着降着となった。陣営は「ルールはルールだし不満はない」とした。
グレンイーグルスは6戦4勝でこの年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬を受賞した。
3歳時(2015年)
グレンイーグルスは冬の間十分な休養を取り、2000ギニーステークスを目標とした。
5月2日の2000ギニーステークス(ニューマーケット・1マイル・GI)では中団につけ最後の1/4マイルから仕掛けると、最後の1ハロンで先頭に立ち2馬身1/4差でゴールした。7回目の2000ギニー優勝を果たしたオブライエン師は「彼は偉大なトラベラーで、凄いスピードを持っている。騎乗のムーア騎手もペースを作り大きな仕事をしてくれた」と讃えた。その後、アイリッシュ2000ギニーとセントジェームズパレスステークスを目標とすることが発表された。
単勝1.4倍の支持を受けた5月23日のアイリッシュ2000ギニー(カラ・1マイル・GI)ではいつも通り後方からのレースとなり、ムーア騎手は位置取りに苦労したが最後に追い込み3/4馬身差で勝利した。ムーア騎手は「少し手応えが悪かったし、余裕も多くなかったが、最後にはギアを上げていって上手く走ることができた」と語った。グレンイーグルスは一応ダービーステークスには登録していたが、オブライエン師はグレンイーグルスをマイラーと判断してダービーを回避した。
6月16日のロイヤルアスコットでのセントジェームズパレスステークス(アスコット・1マイル・GI)では単勝1.53倍の支持での出走となり、プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)の優勝馬Make Believeとの対戦となった。5頭立てとなったレースでは外側から差して2馬身半差で快勝し、Make Believeは最下位に敗れた。オブライエン師は本馬について「今までで最高のマイラー」と評価した。
回避王グレンイーグルス
次走は7月のサセックスステークスを目標にしたが、馬場が柔らかくなったことを理由に回避し、一旦は候補に上がったジャック・ル・マロワ賞も結局回避。続くインターナショナルステークスも前日の雨による若干の馬場悪化を理由に回避した。
これをギャンブル好きのイギリス人がネタにしないわけもなく、グレンイーグルスのこの有様を見た一部のブックメーカーでは「グレンイーグルスは2015年にヨーロッパでもう1戦するか?」という賭けまで行われた。しかしそんなことはつゆ知らず、グレンイーグルスはアイリッシュチャンピオンステークスも馬場状態を理由に回避した。
Dream Aheadも真っ青の連続スクラッチの末、グレンイーグルスの次走は10月17日のクイーンエリザベス2世ステークス(アスコット・8ハロン・GI)に決まったが、一部のブックメーカーは馬券に保障をつけ、レーシングポスト紙はレース45分前の時点でもなお「高い確率で出走」と言葉を濁すなど、ファンはかなり疑心暗鬼であった。グレンイーグルスを待つファンの心理は以下のツイートに集約されるだろう。
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https://twitter.com/RacingTV/status/655368640779452416
しかし蓋を開けてみるとグレンイーグルスの調子は見るからに悪く、結局GI4勝を含む8連勝を挙げてきたSolowの6着(9頭立て)に敗れた。オブライエン師はグレンイーグルスの調子が悪かったことを認め、ブリーダーズカップ・クラシックでの雪辱を誓った。
だがアメリカでのブリーダーズカップ・クラシック(キーンランド・ダート10ハロン・GI)では遠征に加え初ダート、初距離とグレンイーグルスに不利な条件が重なり、American Pharoahをはるか後方から見る最下位に敗れた。そしてこのレースを最後に引退した。
通算11戦7勝。
種牡馬として
2016年からアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬として供用されている。
2020年にはショックアクションが日本のGIII・新潟2歳ステークスを勝利した。
血統表
Galileo 1998 鹿毛 |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Fairy Bridge | Bold Reason | ||
Special | |||
Urban Sea 1989 栗毛 |
Miswaki | Mr. Prospector | |
Hopespringseternal | |||
Allegretta | Lombard | ||
Anatevka | |||
You'resothrilling 2005 黒鹿毛 FNo.11 |
Storm Cat 1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer |
South Ocean | |||
Terlingua | Secretariat | ||
Crimson Saint | |||
Mariah's Storm 1991 鹿毛 |
Rahy | Blushing Groom | |
Glorious Song | |||
*イメンス Immense |
Roberto | ||
Imsodear |
クロス:Northern Dancer 3×4(18.75%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
父Galileoは8戦6勝。ダービーステークスやキングジョージなどの勝利があるが、それ以上に種牡馬として大活躍している。
母You'resothrillingはチェリーヒントンS(GII)、ソールズタウンスタッドスプリントS(GIII)の優勝馬。
母母Mariah's Stormはアメリカで走りターフウェイパークS(GII)など重賞6勝。
母母母*イメンスはリトルシルヴァーH(GIII)優勝。
全姉にアイリッシュ1000ギニー(GI)優勝のMarvellous、全妹にジャン・リュック・ラガルデール賞(GI)優勝のHappily。
おじにGI6勝のGiant's Causewayがいる。
主な産駒
- Highland Chief(2017年産 牡 母 Pink Symphony 母父 Montjeu)
- Loving Dream (2018年産 牝 母 Kissable 母父 Danehill Dancer)
- ショックアクション (2018年産 牡 母 Reset in Blue 母父 Fastnet Rock)
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関連項目
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