「シャンティア〜しあわせのくに〜」とは『映画 トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』の主題歌である。
作詞:六ツ見純代、作曲・編曲:森いづみ
挿入歌バージョン歌唱:キュアサマー(CV:ファイルーズあい)・キュアコーラル(CV:花守ゆみり)・キュアパパイア(CV:石川由依)・キュアフラミンゴ(CV:瀬戸麻沙美)・キュアラメール(CV:日高里菜)
エンディングバージョン歌唱:キュアサマー(CV:ファイルーズあい)・キュアコーラル(CV:花守ゆみり)・キュアパパイア(CV:石川由依)・キュアフラミンゴ(CV:瀬戸麻沙美)・キュアラメール(CV:日高里菜)・キュアブロッサム(CV:水樹奈々)・キュアマリン(CV:水沢史絵)・キュアサンシャイン(CV:桑島法子)・キュアムーンライト(CV:久川綾)、ダンス振り付け:ナナエ モンジェラ
概要
映画にあわせて新たに書き下ろされた楽曲で、作詞はシリーズお馴染みの六ツ見純代、作編曲は『ヒーリングっど♥プリキュア』からキャラソン等で参加の森いづみが手がけている。
挿入歌とエンディングテーマの2バージョンがあり、挿入歌ではトロプリの5人が歌うのに対し、エンディングテーマではさらにゲスト出演のハトプリの4人も加わっているほか、物語の展開にあわせて挿入歌バージョンのほうが曲が長く、おごそかなスローテンポな作りになっており、エンディングテーマバージョンは短くアップテンポに編曲、さらにこれまでのシリーズで振り付けを行っていたナナエ モンジェラ(旧名・原ななえ)が再びダンス振り付けを行っている。
この項目は、『映画 トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』のネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
物語上のあらまし
出会いの歌
雪の王国シャンティアで王女シャロンが女王としての戴冠式を執り行うので招かれたまなつたち。「戴冠式ならば自分が歌うのにふさわしい大きなステージがあるはず」と目立つ気満々のローラではあったが、衣装のデザインを巡ってえりかとの一悶着があった末に怒って部屋を出て行ってしまい、宮殿内に泉があったのを見て、人魚に戻ってくるるんと泳いでリフレッシュ。鼻歌交じりに漂っていると、美しい歌声が。それはシャロンが歌う国に代々伝わる歌だった。
その歌声がきっかけで二人は打ち解ける。ともに女王を志し、よりよい国を作ることを考えていたことから意気投合。「いずれは互いの国を友好国に」と約束し、シャロンはローラの幸せを願って指輪を贈る。そしてローラはシャロンから先ほどの歌を教わった。
亡国に伝わりし歌
ローラはえりかとの仲直りを果たし、そして戴冠式が行われる。マジシャンや大道芸人などがシャロンの即位を祝う芸を披露した後、挨拶して国を離れようとしたときシャロンの表情が急変する。シャロンは「国民になってもらう以上、国を離れてはならない」とシャンティアを雪と氷で閉ざし雪の怪物を放って客人達を閉じ込める。まさかの事態にまなつたちはプリキュアになって戦い、さらにつぼみたちも変身して加勢。しかし怪物はシャロンの力によって降りしきる雪とともに復活する。
一同がシャロンに問うと、彼女はこの国の悲しい過去を語り始めた。
シャンティアもシャロンも実は現代には存在しない存在。シャンティアは遙か太古に存在した超古代文明の王国で、シャロンはその国の王女だった。国王夫妻に暖かく見守られ、国民からも慕われていた王女だったのだが、彼女が即位する日、災いをもたらす星が接近する。シャロンは国王夫妻によって地下に避難したものの、後に地上に出てみればそこは両親だけで無く国民も国自体も跡形も無くなった惨状しか無かった。シャロンは絶望しながら降りしきる雪に覆われ、そのまま命を落とした。
※この時ムーンライトが「1万3000年前の彗星衝突」と直ちに言っているが、これはこの頃から始まる「ヤンガードリアス」と呼ばれる小氷河期の発生要因の一説として、彗星が地球に衝突したと考えられているためである。この辺がすぐ思い浮かぶのは博識なゆりさんが流石であるとしか言えない。
ところが現代になって、皮肉にも彗星から分かれた隕石がもつ不思議な力によってシャロンはこの世に復活する。シャロンは今再び理想の国を、とその力を用いて新たにシャンティアを興し、精霊ホワンを各地に放って国民になる人々を見つけ呼び寄せ、どのような手を使ってでも強制的に国民にしてしまおうと企んだのである。
鎮魂の歌
ラメールはシャロンと仲良くなったため、彼女の事を想わずにはいられない。しかしそれが元でシャロンを庇ってしまい窮地に陥ることになり、ハトプリの4人は捕らえられ、トロプリも退却を余儀なくされる。自分の責任を感じるラメールであったが、仲間たちの励ましを受けてシャロンの元へと向かい、彼女に直接想いをぶつける。言葉を投げかけられたシャロンは溜まらず雪の大怪獣を召喚するが、ハトプリの力を得たトロプリによるプリキュア・ハートシャイニングオーケストラで消滅する。だが力を使いすぎた代償か、シャロンの力は尽き姿も薄れ始めていた。
そんなシャロンのためにラメールは教わったシャンティアの歌を歌い始める。いつしか仲間たちも加わって美しいハーモニーとなり、そしてシャロンはかつての国の光景、両親や国民が歌っていた情景を思い出し涙ぐむのだった。
ラメールはシャロンにこの歌を歌い継ぐことを誓う。自分が歌うことで未来永劫、世界各地で歌い継がれるようになるはずだと。それを聞いたシャロンはラメールにその意志を託し感謝しながら消えていった。
幸せの歌
しばらくして。あおぞら市のショッピングモールで開かれる歌謡祭に出場するトロピカる部一同。まなつによって知り合いもそうでない人も観客として呼び込まれたため大観衆に。「私達の歌を歌おう」とローラをセンターにステージに上がるのだった。幸せと笑顔を願った彼女のために、そして彼女が大切にした歌を世界に広めるために。
こぼれ話
- 終盤でトロピカる部一同が着ているステージ衣装。これは物語上でえりかがデザインしたものが元になっている。この辺のデザインセンスは健在と言うべきか。また、胸元にはコサージュが飾られているが、これはシャロンの心の花であるスノードロップが元になっている。劇中で語られる花言葉は「希望」。
- この終盤、つぼみの祖母薫子が声は無いものの姿を見せている他、モブキャラをよくよく見るとヒープリののどか・ちゆ・ひなたの姿もある。春の短編で出会っているし、まなつが「知り合いに声をかけた」というのもあるので呼ばれたのだろうと想像。……アスミの姿が見えないけど、ラビリンやラテ様たちとお留守番かヒーリングガーデンにいるんだろうか?
- エンディングダンスの合間にステージで歌っている様子や歌を広めている場面が描かれており、合唱しているまなつやつぼみたち、社歌を教える感じのみのり、レコーディングしているさんご、浪曲調のローラ、ストリートミュージシャンのあすか・ゆり・いつき、文化祭で歌うローラやつぼみたち、などがあったりする。
- 歌の特性上、ラメールがメインボーカルとなり、他のトロプリ4人がコーラスとして参加、エンディングバージョンではさらにハトプリ4人も加わる構成。そしてラスサビ冒頭では各主人公がソロパートとしてそれぞれを象徴する一節を歌うのだが、いきなり入り込むブロッサムによる「芽吹く春」という力強い歌声。この一節だけのインパクトの強さは、さすが紅白歌手・水樹奈々の実力あってこそ。直後のサマーの「真夏の太陽」がファイルーズあいによるまなつらしい天真爛漫さとの対比もあってかなり際立っている。ついでに言うと先ほどの場面描写のラスト、和服姿で演歌っぽく歌うまなつの直後に、このブロッサムのソロパートが来るのだった。演歌歌手志望だった水樹だっただけにこれは狙ってますか?
- このソロパートの件、公開記念の舞台挨拶で久川綾が「うちには水樹奈々という紅白にでたすごい歌手がいますから」と案の定水樹をいじり、ファイルーズも「奈々様のこのパート、トロプリの現場でみんなで振り付けの真似しているよね」と日高里菜に同意を求める形で明かしている。絶賛されて恐縮の水樹、「貴重なソロパートを頂いて、ものすごい気合いを入れて歌ったんです」と語っている。
CD情報
2021年10月20日にマーベラスからシングルが発売。両バージョンのほか、OP歌手のMachicoによる雪遊びのシーンで使われた挿入歌「大好きのSnowball」も収録されている。
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関連項目
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