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バーチャレーシングとは、1992年にセガ（現セガ・インタラクティブ）から発売された業務用レーシングゲームである。
概要
F1をモチーフにした3Dレーシングゲーム。周回コース（コースデザインはすべてオリジナル）を制限時間内に5周し、1位を目指す。コースは3種類、車種は1種類のみだがシフトはオートマチック、マニュアル7速（バタフライシフト）を選択可能。周回を重ねるごとにタイヤが減り、グリップが低下してカーブで膨らみやすくなるなどリアリティを追求している。
セガ初の3Dポリゴン基板「MODEL1（秒間18万ポリゴンの描画能力を持つ）」により、車両だけでなくコースやその背景なども緻密な3Dで描き、先行していたナムコの3Dレーシングゲーム「ウイニングラン」シリーズ（1988年～）に比べてオブジェクト量・モデリングの緻密さ双方で大きく上回るクオリティのグラフィックを30fpsで実現した。また、F1のコクピットを模したDX筐体ではアーケードゲームとして史上初めて16:9のモニターを採用した。
移植
メガドライブ版
1994年3月18日発売。スペック的にはどう見ても無茶移植の部類であるが、独自設計のカスタムチップ「セガ バーチャプロセッサ」（秒間9,000ポリゴン、メガドライブの12倍の高速演算処理）を積むことでメガドライブにおいて3Dポリゴン描画を実現。それでも画質は低く、プレイヤーの期待度も低かったとされるが、操作感はアーケードをよく再現できていたという。
なお、カートリッジ内の電解コンデンサが経年劣化により液漏れを起こしており、基板腐食により起動しない事例が多数報告されているので、今から中古ソフトを探す場合には注意が必要である。
スーパー32X版「バーチャレーシング デラックス」
1994年12月16日発売。スーパー32X用専用ソフトとして「バーチャレーシングデラックス」と改題されて登場した。さすがにアーケード版には劣るものの、メガドライブ版より画質・fpsともに改善されプレイ感覚が向上した。新コースが2つ追加されたほか、性能の異なる車種が追加された。32XオリジナルのリプレイBGMの評価が高い。
同年11月にはセガサターンが発売されており、ほとんど普及しなかったスーパー32Xというハード向けに発売されたため、かなりマイナーかつレアなソフトと言えよう。
セガサターン版「バーチャレーシング サターン」
1995年12月22日に（何故か）タイムワーナー・インタラクティブから発売。待望の高性能機・セガサターン版であったが、コースが変わっている、フレームレートが不安定（メガドライブ版よりも）なため評価は極めて低い。
PS2版「バーチャレーシング -FlatOut-」
2004年2月26日発売。SEGA AGES 2500シリーズとしてリメイクされた。アーケード版を製作した鈴木裕が監修しており、PS2のパワーを活かしテクスチャなどを使わないまま影表現を強化した。アーケードの雰囲気を残して高精細、かつ60fpsを実現していた……のだが、肝心の操作感覚が大幅に変化しており、ゲームプレイとしては「32X版が一番アーケードっぽい」と言われたりする。
Nintendo Switch版
長らく完全移植に恵まれなかった本作だが、2018年9月開催の東京ゲームショウにて、Nintendo Switchで展開される「SEGA AGES」シリーズの一つとしてラインナップ入りが発表され、2019年4月25日にニンテンドーeShopで配信が始まった。開発はM2。当初「セガ3D復刻シリーズ」として、ニンテンドー3DSでの配信を目指していたが断念していたとのこと。アーケード版のソースコードを元に、アーケード版に忠実な挙動のまま60fps化と背景描画距離の延長が図られているパワーアップ移植。Nintendo Switch1台で2人～8人対戦が可能で、リプレイモードも搭載。BGMは32X版リプレイモードのBGMをMODEL1の音源でアレンジしたものというサプライズ要素もあった。多人数対戦のリプレイは当時あったライブモニターを模した形で、実況の「MR.VIRT MCPOLYGON」の勇姿とともに鑑賞できる。
関連動画
関連商品
現在安定して入手できるのはNintendo Switch版のみ（ニンテンドーeShopで購入可能）。
ほかのゲームソフトなどは中古でも入手が難しい。上記の通り経年劣化も心配されている。
実機で遊べる機会はもはやほとんどない。探すならTwitterでレトロ系ゲーセンでの稼働報告を探すのが一番早いと思われる。
関連リンク
関連項目
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