ローズ・オブ・メイ(英名:Rose of May)とは、ゲーム「ファイナルファンタジーIX」に収録されているBGMである。作曲者は植松伸夫。
概要
アレクサンドリア最強といわれる女将軍ベアトリクスのシーンで流れる曲。
自然的短音階で始まる儚くも美しいピアノオンリーなメロディーが、主君ブラネの変貌に対するベアトリクスの戸惑いや逡巡の感情を鮮明に表しており、彼女のテーマ曲ともいうべき楽曲となっている。
最初に流れる場面は、ブラネがオーディンを召喚してクレイラの街を消滅させた直後の飛空艇レッドローズでのイベント。ブラネの一連の暴挙に困惑し、挙句に護衛対象のガーネットを処刑すると言われ耳を疑うベアトリクス。それを聞いたジタン、ビビ、フライヤの三人は、ガーネット(ダガー)を救出すべくアレクサンドリアに向かう。
この曲をアレンジしたスローテンポ版「迷いの剣」、アップテンポ版「守るべきもの」も評価が高い。ちなみに作中の初登場順は、ベアトリクス戦の「迷いの剣」→レッドローズでの「ローズ・オブ・メイ」→アレクサンドリア城下町でスタイナーと共に霧の魔獣と戦う「守るべきもの」という順になっており、「豹変したブラネへの戸惑い→過ちに気づき目を覚ます→ガーネットへの迷いなき忠誠」というベアトリクスの心境変化とリンクしている。シアトリズムファイナルファンタジーの曲説明文では「真実を知り、己の過ちに直面した清廉な哀しみが伝わってくる。」と書かれている。
5月の薔薇
FF9はウィリアム・シェイクスピア作品のオマージュが随所に登場するゲームで、この曲名にも戯曲「ハムレット」に登場する有名なセリフ「五月の薔薇(Rose of May)」が使われている。
ハムレットでは兄レアティーズが乱心した妹オフィーリアのことを指して美や儚さや憂いを交え「五月の薔薇よ」と表現しているが、対するFF9では、民から慕われていた女王ブラネが家族の死やクジャの扇動により乱心している。
またブラネの好きな花は薔薇という設定があり、飛空艇のレッドローズ(赤いバラ)という名前からもそれがうかがえる。ブラネ亡き後はバラ園に墓が建てられ、昔のブラネを慕っていた国民からはバラのリースが手向けられた。
なお、オランダのベアトリクス女王へ捧げられた薔薇はケニギン・ベアトリクスという献名である。
関連動画
YouTubeでは海外ユーザー「katethegreat19」が秀逸な英語の歌詞でアレンジして歌ってみた動画が有名。
演奏してみた、アレンジしてみた
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関連項目
- 植松伸夫
- ファイナルファンタジーIX
- ファイナルファンタジーの関連項目一覧
- ゲーム音楽の一覧
- ブラネ・ラザ・アレクサンドロス16世
- ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世
- アデルバート・スタイナー
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