『宇宙大戦争』(うちゅうだいせんそう)とは、以下のことを指す。
- 1959年12月26日に公開された日本の特撮映画。当記事で解説する。
- 上記作品の劇中で使用された劇伴楽曲 →「宇宙大戦争マーチ」。当記事で解説する。
- 2000年にアメリカで制作されたSF映画 → 『スペース・ウォーズ 宇宙大戦争』
- 2005年5月26日にディースリー・パブリッシャーから発売されたSIMPLEシリーズ → 『THE宇宙大戦争』
- みちのくプロレスが毎年12月末に開催している特殊なプロレス興行。
概要
制作・配給は東宝。監督はドラマ部分を本多猪四郎が、特撮部分を円谷英二が担当している。
2年前に公開された特撮映画『地球防衛軍』と同じ流れを汲む姉妹編。一部、地球防衛軍から同じ役名のキャラクターが存在している。ナタール人という宇宙からの侵略者が地球に襲来するが、今作では地球防衛軍のモゲラのような怪獣的・人型な兵器は登場せず、地球人側、侵略者側ともに宇宙戦闘機やロケットといった兵器を用いて戦う。なお、終盤では地球人側の切り札としてメーサーを連想させるパラボラアンテナ状の「地上熱線砲」なる熱線砲が登場している。
あらすじ
1965年、宇宙ステーションが謎の円盤隊に襲われ壊滅、以降地球では建物や建造物が宙に浮かび破壊されるという事件が頻発する。
これを受けて東京の国際宇宙科学センターで会議が行われ、これらの現象が何者かによる“超低温化による物質振動の停止による無重力現象”とし、その対策として熱線砲が持ち出されるが、突如、会議参加者の一人アーメット教授がその熱線砲を奪おうとし、センター技師の岩村の手で阻止されるという事件が起こる。逃げようとしたアーメットは空から現れた円盤に焼き殺され、その遺体から正体不明のインプラントのようなものが発見される。
一連の事件から月に“ナタール人”なる異星人が前線基地を建設し、地球侵略を進めているという事実が発覚。国連はリチャードソン教授を中心とする調査団の派遣を決定し、調査団は宇宙船スピップ号でナタール人が潜む月に向かうが、そこにナタール人の船が襲いかかり、しかも調査団員の一人岩村がナタール人に洗脳されて船内で暴れるといったトラブルに見舞われるも調査団はどうにか月に到着する。
そこで調査団が目の当たりにしたのは着々と地球侵略の準備を進めているナタール人の基地であった。この光景を見た調査団は熱線砲による攻撃を開始。地球の命運をかけた宇宙規模の戦争が始まった。
キャスト
スタッフ
宇宙大戦争マーチ
当作品にて、地球人側の宇宙戦闘機出撃シーン、およびその後の宇宙でのドッグファイトシーンにて流れる劇伴楽曲。通称「宇宙大戦争マーチ」。サウンドトラックなどに収録される場合は作品名と同じ「宇宙大戦争」というタイトルが用いられる。
伊福部昭作曲であり、元になった楽曲は同氏が戦前に海軍からの依頼で作曲した「古典風軍樂『吉志舞(きしまい)』」が初出であるとされる。また、戦後にそれを編曲した「子供のための舞踏曲 より『楽しい学校』」で後に「怪獣大戦争マーチ」と呼ばれる曲の源流がほとんど完成していた事が近年判明した。
映画での初出は『ゴジラ(1954年)』の「フリゲートマーチ」であるとされる。先述の通り、この楽曲のモチーフはその後の映画『怪獣大戦争』にも別アレンジで使用されており、そちらも「怪獣大戦争マーチ」として根強い人気を持っている。また「宇宙大戦争マーチ」という通称通り行進曲であり、出撃する戦闘機たちを鼓舞するかのような曲調となっている。
後年、2016年に公開された映画『シン・ゴジラ』にて、この楽曲および怪獣大戦争マーチが使用された(宇宙大戦争マーチは「ヤシオリ作戦」のシーンで、怪獣大戦争マーチはエンドクレジットにて流れている)。
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関連項目
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