布施正単語

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布施正とは、宮崎県宮崎市出身の元騎手・元調教師である。

概要

基本情報
布施正ふせただし
国籍	日本
性別	男性
出身地	宮崎県宮崎市
生年月日	1921年9月23日
調教師情報
所属団体	国営競馬 (1952-1954) 日本中央競馬会(JRA) (1954-1997)
所属厩舎	小倉競馬場 (1952-1953) 阪神競馬場 (1953-1969) 栗東T.C. (1969.11-1997.2)
初免許年	1952年
引退日	1997年 2月28日(定年)
重賞勝利	40勝
GI級勝利	4勝
通算成績	8,337戦817勝
表彰・記録
中央競馬三冠達成調教師クラシック牡馬(1990)
調教師テンプレート

1921年に当時存在した宮崎競馬場で厩舎を開いていた布施文蔵の子として誕生。

尋常小学校を卒業すると早くも父の厩舎に出入りするようになり、中学校(ここでの中学校は旧制中学を指し、現在でいう高校の事)に通いながら騎手見習いとして働きだした。1937年には中学校を中退して独り立ちし、阪神競馬場の新堂捨蔵厩舎に弟子入りした。しかし直後に起こった太平洋戦争により1943年末から兵役に就くことになり、騎手デビューは先送りになってしまった。

戦争の終結により無事に日本に戻ってきた後の1947年、新同厩舎に所属する騎手として正式にデビューした。しかし戦後直後ということもあり騎手時代の成績は判然とせず、1949年に小倉競馬場に移っていた父の厩舎に移動したことは分かっているものの勝利数や騎乗馬の情報などは残っていない。

騎手として活動し始めてから5年後の1952年には調教師免許の取得に成功し小倉競馬場で自分の厩舎を開業したが、翌年には阪神競馬場に移動するなど多少のゴタゴタがあったようである.その後は関西の中堅厩舎として活躍を続けた。

1962年には自厩舎から後にマチカネフクキタル、ツルマルツヨシなどを手掛ける二分久男調教師が騎手としてデビューしている。

1966年、パワーラツスルで日本経済新春杯を勝利し重賞初制覇。

翌年、同じ宮崎出身の二分騎手の話を聞きつけ、大阪から天満の花屋で店員をしている青年、岩元市三が弟子入りを志願しに布施厩舎を訪れた。話を聞いたところ既に定職に就いていると言うので、布施は岩元青年を気遣い弟子入りを断るものの、岩元青年は再び厩舎を訪れ弟子入りを志願。布施はこの熱意を見て弟子入りを許し、7年後の1974年に騎手デビューを果たすと、布施厩舎の所属騎手として活躍していく。

1979年、ラフオンテースで阪神3歳ステークスを勝利し初めて大レースを勝利する。

1982年、バンブーアトラスで日本ダービーを勝利し弟子の岩元騎手共々八大競走初勝利。ダービートレーナーの栄誉を手にした。又この勝利を目撃した岩元騎手の幼馴染である竹園正繼氏が馬主として厩舎に多くの競走馬を預けてくれるようになった。

1989年、岩元騎手が調教師免許に合格し独立。同年の菊花賞をバンブーアトラスの産駒バンブービギンで勝利。翌1990年にはハクタイセイで皐月賞を勝利しクラシック三冠を制覇した。

1994年にはネーハイシーザーが天皇賞(秋)をレコード勝ちなど中距離戦線で活躍した。

引退前年の1996年もテイエムジャンボ、ネーハイジャパン、ファンドリショウリで重賞5勝を挙げている。

1997年、3月に開催された引退式に参加し二本柳俊夫調教師らと共に引退。当時は70歳定年の移行期間中だった為、引退式には本人も含めて70歳以上の調教師が多く顔を揃えていた。通算成績8,337戦817勝。重賞41勝。うちGI級4勝。

2001年に79歳で死去。弟子の岩元調教師とその幼馴染の竹園氏の愛馬テイエムオペラオーが天皇賞(春)を連覇してから程なくの事であった。

人物・エピソード

GIを何勝もする大厩舎というわけではなかったものの、多くの馬主と信頼関係を築き上げることに成功し、バンブーアトラスとバンブービギンの父仔を始め、ネーハイジェット→ネーハイシーザー、シンブラウン→シンチェストなど、同じ冠名の競走馬が長期間にわたって所属していた。
競馬にかかわりのない一般家庭に生まれた弟子の岩元騎手を1人前の騎手に育て上げ、日本ダービーを始め多くの重賞を共に勝利、また晩年の厩舎を支えた「テイエム軍団」の竹園氏には相馬の基礎を伝授し、この幼馴染二人の将来に大きな影響を与えることになった。

主な管理馬

勝ち鞍は布施厩舎所属時のみ。太字は記事のある馬。

パワーラツスル
- 1966年日本経済新春杯
タイバブー
- 1972年北九州記念
ディクタボーイ
- 1973年シンザン記念、1973年阪神大賞典
キングラナーク
- 1977年中日新聞杯、1978年中京記念、1978年サンケイ大阪杯
スリーファイヤー
- 1978年阪急杯、1978年金鯱賞、1979年中日新聞杯、1979年北九州記念
ネーハイジェット
- 1979年きさらぎ賞、1979年高松宮杯、1979年神戸新聞杯
ラフオンテース
- 1979年阪神3歳ステークス、1979年デイリー杯3歳ステークス、1981年北九州記念、1981年小倉大賞典、1981年朝日チャレンジカップ
- 1979年優駿賞最優秀3歳牝馬
- 1981年優駿賞最優秀5歳以上牝馬
バンブーアトラス
- 1982年東京優駿
- 1982年優駿賞最優秀4歳牡馬
シンブラウン
- 1983年阪神大賞典、1984年阪神大賞典(GII)
ダイナシュペール
- 1985年小倉3歳ステークス(GIII)
ニューファンファン
- 1985年毎日杯(GIII)
シャダイチャッター
- 1985年小倉記念
シンチェスト
- 1987年京都記念(GII)
バンブービギン
- 1989年菊花賞(GI)、1989年京都新聞杯(GII)
- 1989年 JRA賞最優秀父内国産馬
ハクタイセイ
- 1990年皐月賞(GI)、1990年きさらぎ賞(GIII)
テイエムハリケーン
- 1992年札幌3歳ステークス(GIII)
ネーハイシーザー
- 1993年中日スポーツ賞4歳ステークス(GIII)、1994年天皇賞(秋)(GI)、1994年産経大阪杯(GII)、1994年毎日王冠(GII)、1994年京阪杯(GIII)
- 1994年 JRA賞最優秀父内国産馬
テイエムジャンボ
- 1996年京都記念(GII)、1996年京都金杯(GIII)
ネーハイジャパン
- 1996年東京障害特別(春)
ファンドリショウリ
- 1996年中日新聞杯(GIII)、1996年愛知杯(GIII)

中央競馬の三冠達成調教師
クラシック三冠	牡馬三冠	★田中和一郎 \| 尾形藤吉 \| 藤本冨良 \| ★武田文吾 \| ★松山康久 \| ★野平祐二 \| 布施正 \| ★大久保正陽 \| ★池江泰郎 \| 角居勝彦 \| 長浜博之 \| ★池江泰寿 \| 友道康夫 \| ★矢作芳人 \|
牝馬三冠	尾形藤吉
変則三冠	尾形藤吉
中央競馬牝馬三冠	稲葉幸夫 \| ★奥平真治 \| 松田由太郎 \| 鶴留明雄 \| 松田博資 \| 伊藤雄二 \| ★松本省一 \| 西浦勝一 \| 松田国英 \| ★★国枝栄 \| ★石坂正 \| ★杉山晴紀 \| ★中内田充正
古馬三冠	春古馬	達成者無し
秋古馬	岩元市三 \| 藤沢和雄
★は同一馬による達成者。変則三冠、古馬三冠は同一年達成者のみ。
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