抜刀隊(ばっとうたい)は、西南戦争における警視庁抜刀隊の活躍を称えた軍歌である。
概要
作詞:外山正一(東京帝国大学総長)
作曲:シャルル・エドゥアール・ガブリエル・ルルー(Charles Edouard Gabriel Leroux)
先の大戦にて、学徒出陣の神宮外苑行進の際に流れた曲という認識が強いため他の昭和の軍歌同様に悪しきイメージをもたれることもあるが、実際のところそのテーマは日本の明治初期の内戦(西南戦争田原坂の戦い)であり、また、軍人を讃えるのではなく、警官を讃えるものであることから他の軍歌とは区別され、現在も陸上自衛隊、警察において「陸軍分列行進曲」(「扶桑歌」とのアレンジ)として演奏される。
フランス作曲家らしい曲調であり、ビゼー作曲「カルメン」の「アルカラの竜騎兵」や「アルルの女」の「ファランドール」を彷彿とさせる。
カラオケでは、JOYSOUNDでは配信済み(曲番号:129978、対応機種:CROSSO、HyperJoyWAVE、HyperJoyV2)
歌詞(著作権切れ)
内戦での戦いを歌ったものという特殊な事情もあってか、1番の歌詞では敵の大将や敵兵を賞賛していると取れる箇所もある。
1.我は官軍我(わが)敵は 天地容れざる朝敵ぞ
敵の大將たる者は 古今無雙(双)の英雄で
之に從ふ兵(つわもの)は 共に慓悍(ひょうかん)決死の士
鬼神(きしん)に恥(はじ)ぬ勇あるも 天の許さぬ叛逆を
起しゝ者は昔より 榮えし例(ためし)あらざるぞ
敵の亡ぶる夫迄(それまで)は 進めや進め諸共に
玉ちる劔(つるぎ)拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
2.皇國(みくに)の風(ふう)と武士(もののふ)の 其身(そのみ)を護る靈(たましい)の
維新このかた廢(すた)れたる 日本刀(やまとがたな)の今更に
又(また)世に出づる身の譽(ほまれ) 敵も身方も諸共に
刄(やいば)の下に死ぬべきぞ 大和魂ある者の
死ぬべき時は今なるぞ 人に後(おく)れて恥かくな
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
3.前を望めば劔なり 右も左(ひだ)りも皆(みな)劔
劔の山に登らんは 未來(来)の事と聞きつるに
此世(このよ)に於(おい)てまのあたり 劔の山に登るのも
我身(わがみ)のなせる罪業(ざいごう)を 滅(ほろぼ)す爲にあらずして
賊を征伐するが爲 劔の山もなんのその
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
4.劔の光ひらめくは 雲間に見ゆる稻(稲)妻か
四方(よも)に打出(うちだ)す砲聲(声)は 天に轟く雷(いかずち)か
敵の刄に伏す者や 丸(たま)に碎(砕)けて玉の緒の
絶えて墓なく失(う)する身の 屍(かばね)は積みて山をなし
其血(そのち)は流れて川をなす 死地に入(い)るのも君が爲
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
5.彈丸雨飛(だんがんうひ)の間にも 二つなき身を惜(おし)まずに
進む我身は野嵐に 吹かれて消ゆる白露の
墓なき最後とぐるとも 忠義の爲に死ぬる身の
死(しに)て甲斐あるものならば 死ぬるも更に怨(うらみ)なし
我と思はん人たちは 一歩も後へ引くなかれ
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし6.我今茲(ここ)に死(しな)ん身は 君の爲なり國の爲
捨つべきものは命なり 假令(たと)ひ屍は朽ちぬとも
忠義の爲に捨(すつ)る身の 名は芳(かんば)しく後の世に
永く傳(伝)へて殘るらん 武士と生れた甲斐もなく
義もなき犬と云(い)はるゝな 卑怯者(ひきょうもの)となそしられそ
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし
関連動画
陸軍分列行進曲
抜刀隊
MADおよび派生動画
関連項目
- 6
- 0pt
- ページ番号: 2957837
- リビジョン番号: 3136805
- 編集内容についての説明/コメント: