星名透とは宇宙戦艦ヤマト2199に登場する架空の人物で、リメイクにあたって登場した新キャラの一人である。CV:高城元気、東京都出身、年齢18歳の准尉と士官候補生も同様だが…?
概要(表向き)
ヤマト艦内の治安を維持する保安部の所属で、伊東保安部長の信頼も厚く、裏表のない人当たりのよい性格。中性的な容貌をしており、初期の頃から年齢や階級の近い岬百合亜との間柄も良かった。
佐渡先生から「伊東の腰巾着」と揶揄されることもあり、序盤から中盤はさほど出番はない。ただしガミロイドオルタの一報的な破壊を強行しようとする伊東と異なり、真田さんやアナライザーの意見を一度聞くなど、年齢相応以上の柔軟性。一度は拘束された山本玲を労うなど、人間的に練れた側面も見せている。
因みにメ2号作戦や太陽系赤道祭での扱いは、アニメとコミックでは微妙に異なっている。アニメ版ではメ2号作戦でヤマトが偽装沈没し、多数の負傷者が出ても伊東ともども微笑を浮かべ監視するだけで、太陽系赤道祭ではそもそもの出番が全くなかった。本格的な出番は第9話からである。
しかしコミック版では「こういう非常時におかしな行動をとるものがいないか監視するのも仕事」という伊東に対し「では内偵に行ってきます」と、岬百合亜ともども負傷者の応急手当に当たる。果ては太陽系赤道祭では、中の人も一度披露してみせたメイド・コスプレをやらかし、新見さんでさえ「あんな子いたかしら?」と見事な女装を発揮した。
その実際は…
しかし彼は伊東に忠実なだけの昼行灯ではなく、その正体は第16話のクーデターに際してついに明らかになる。彼の本来の素性は戦略作戦部第6課所属にして、藤堂極東管区部長直属のイズモ計画クーデター派を抑制するダブルスパイだった。保安部に軟禁された沖田艦長を佐渡先生とともに救出。
自らのクーデターが瓦解しつつあることにより、自暴自棄を起こした伊東保安部長による発砲を阻止。逮捕拘禁するなど八面六臂の活躍を見せた。高城元気氏自身もまさかこんな役回りとは監督から知らされておらず、相当に驚愕したらしい。コメンタリーによると出渕裕監督はキャスト陣に先の展開はけして教えない。
その上で素の状態で演技に入ってもらうことを重視し、尚且つキャスト陣を驚かせることが楽しみだとかなんだとか…
因みに伊東から「裏切ったのか、俺を!」と言われた時の「嫌だなあ、表がえっただけですよ」というのを、監督は特撮怪獣のピグモンで茶化していたが、本来の元ネタは戦前の映画「浪人街」の模様である。
正体露呈後の展開
伊東保安部長が拘禁されて以降は、実質的に彼がクーデターに参加しなかった保安部要員の指揮官になっている。
同時に岬百合亜に憑依したユリーシャ・イスカンダルの護衛のような役回りも担っており、彼女に憑依したユリーシャ経由で「星名にギュッとして欲しい」と百合亜の思いを受け取っている。
そしてその後、七色星団沖海戦でザルツ人からなる特務小隊の襲撃を受け負傷。皮肉にもその情景を目の前で見てしまった百合亜の意識を目覚めさせ、同時にユリーシャの意識を本来の肉体に戻す役目を果たすことになる。
幸いにして致命傷には至らず、その後は遠慮もなく百合亜とのリア充…もとい仄かな恋心と進展してゆく間柄を見せている。やっぱりリア充じゃねえか!イスカンダルからコスモリバースの申し出があった時の咄嗟の玄門応対、デスラー直々の襲撃を受けた際には、保安部要員として応戦の指揮を執っている。
補足:保安部の実力
一応、ヘルメットやアーマーベスト。89式機関短銃で完全武装することが許され、艦内の侵入者排除や軍規違反者の検挙。捕虜の尋問を行う権限を持つ保安部だが、その実力の程はといえば…
仮に「さらば宇宙戦艦ヤマト」「宇宙戦艦ヤマト2」「SPACEBATTLESHIPヤマト」で活躍した空間騎兵隊の斉藤始が見たら「ただのカカシじゃねえか!」というほど弱い。
それもその筈、彼らは空間騎兵隊でも正規の警務隊出身でもなく、クーデターに賛同していたかは別として、情報収集がメインの情報部出身者ばかりなのだ。現代のイメージで言えばプルトニウム輸送船の警備に、SATやSSTではなく、尾行や情報収集がメインの、荒事が本業ではない公安警察官を乗せたようなものである。
相手がザルツ人出身の精鋭中の精鋭の特殊部隊、あるいは四桁に達するであろうガミロイド兵の集団とはいえ、陸戦が本業ではない航空隊でさえ、古代の損傷したコスモゼロの機関砲を持ち出し奮闘しているのに、本当に弱い。というより丸腰の山本玲に完全武装した三人が倒されてる時点で……
この点に関して出渕監督は保安「部」と他の航空「科」、戦術「科」と明らかに異なる部門として、違和感と胡散臭さを出したかった模様である(警務なら警務「科」と名付けられる)。
正直、本業が対人戦闘ではない古代、榎本掌帆長、航空隊よりも先に次々と倒れていく彼らは、特にクーデターに関与していなかった面々は、哀れさえ催す有り様だった。芹沢軍務局長による選出らしいが、仮にイズモ計画を断行するとしても、惑星調査のために空間騎兵を乗せる発想はなかったのだろうか…(2199でも空間騎兵隊は存在する)。
もしかしたら、反乱の際にクーデター参加者以外の保安部員によってすぐ鎮圧されないように仕向けた芹沢の陰謀なのかもしれないが、それはまだ謎のままである。
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