歌唱祖国(かしょうそこく)は、中華人民共和国の革命歌、愛国歌である。王莘 作詞作曲。
概要
義勇軍進行曲に次ぎ、第二国歌の存在である。「歌おう祖国を」という意味であり、内容も「中国を褒め讃えて歌おう」的な意味である。国家的行事(建国記念日である国慶節やオリンピックなどの国際大会開会式など)でほぼ必ず歌唱される。エンディング曲としての使用が多い。
立場的には日本の唱歌「故郷」のような曲だが、この曲は式典でほぼ必ず歌唱され、少し暴力的な歌詞を含む点が異なる。唱歌「故郷」のような平和的かつ優しい旋律の中国曲もあり、それは「我的祖国」である。
王莘(オウ・シン、Wáng Xīn)が1950年9月15日付の人民日報に発表。中华人民共和国开国大典(1949年に毛沢東が建国宣言した大会)を見て彼が感じたことを、初頭の歌詞「五星红旗迎风飘扬(五星紅旗は風になびく)」で表現している。
なお東方紅は朝日が昇る最中に制作されたのに対し、当曲は夕日を見ながら作曲された。
1950年10月の中国共産党全国大会の際に、あの毛沢東もこの曲を耳にし、好評を得た。そして「毛沢東選集(特に優れた毛沢東個人に関する作品集のこと)」に特別採用された。
1966〜77年の文化大革命時代は歌詞が異なる。また2008年の北京オリンピックバージョンは、「敵を殲滅させる」などの脅迫的な歌詞が省かれている。現在では初代のバージョンが採用されている。
2013年8月30日、AKB48の公式姉妹グループ・SNH48(中国・上海市)の公演劇場開業式でも歌われた[1]。
2008年北京オリンピック開会式にて
2008年の北京オリンピック開会式で広く世界に知れ渡った。五星紅旗を掲揚台に移動する間に流れた。林妙可(Lín miàokě、当時9歳)という少女が歌ったとされた。彼女は可憐であり「天使の歌声」として話題となった。
しかし後日、彼女は実際には歌っておらず、杨沛宜(Yáng Pèiyí、当時7歳)による録音音声を口パクしていたことが発覚。中国人ネットユーザー間で大変な騒ぎになったらしい。ただ口パクを演じた林妙可も、口パク発覚後CCTVのテレビ番組に出演し、自身に歌と踊りの才能があることを証明している。
ベトナムでの選曲ミス
2015年7月25日、ベトナム国防省の愛国コンサートが開かれた。No.2のチュオン・タン・サン国家主席が演説のために登壇しようとした時、中国の革命歌「歌唱祖国」が誤って放送されてしまった。
ちなみにチュノム(ベトナムの漢字)から推測すると、ベトナムで歌唱祖国は"Ca Ngợi Tổ Quốc"と表される。偶然にも同名のベトナムの曲が存在した。この"Ca Ngợi Tổ Quốc"は、Hoàng Vânが作曲し、Hồ Bắcにより歌唱された曲と思われる。愛国歌である点を除いて、メロディや歌詞は微塵も似ていない。
しかしコンサートの音響担当者は、"Ca Ngợi Tổ Quốc"を再生するはずが、勘違いして中国の「歌唱祖国」を流してしまった。つまり、実際の音源は中国の「歌唱祖国」であり、それも直訳で"Ca Ngợi Tổ Quốc"と表記されていた。そのため、担当者は中国の愛国歌「歌唱祖国」を、ベトナムの愛国歌「Ca Ngợi Tổ Quốc」と誤認識した可能性が考えられる。
カラオケ
- ガァチァンジゥグオ / ワンシン(歌唱祖國 / 王莘,曲番号: 117634)
- ガァチァンズゥグオ / ファチァン(歌唱祖國 / 合唱,曲番号: 961351)
歌詞
各種表記
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関連項目
脚注
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