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燃え尽き症候群(Burnout Syndrome)とは、仕事のストレスや、献身的に努力をしても十分な評価や報酬を得られないことなどに起因する、心身のエネルギーの枯渇状態のことである。
概要
慢性的な疲労感、強い徒労感や無力感を特徴とする。自分の仕事が嫌になり、意欲が消失する。また、自信を喪失し、非生産的になる傾向がある。感情面や身体面で様々な健康上の問題を抱えやすく、ストレス性の身体症状として頭痛、肩凝り、不眠、胃腸障害などが現れることがある。人間関係に気を遣うことが苦痛となり、周囲を思いやる余裕を失うこともある。
要因
職業性の燃え尽き症候群の一因となるものを例示する。
- 働き過ぎている。頑張り過ぎている。
- 経済的苦境にあり、長時間、少ない給料で働かざるを得ない。
- 雇用が安定していない。
- 自身の能力を十分に発揮できない。
- 職場で不公平な扱いを受けていると感じ、ストレスがある。
- 仕事と私生活を分離できず、境界が曖昧になり、仕事に縛られてしまう。自分の時間を確保できない。
- 辞めたいが辞めさせてもらえない。
対処
- 休息をとり、心身を休める。気晴らしする。
- 勤務形態が適法なのか検証する。第三者に相談する。
- 仕事より大事なものはないか、優先順位を見直す。休職や転職を検討する。
- 仕事以外の趣味を持つ。
- 同僚以外にも友人を持つ。
- 家族とゆっくり過ごす時間を確保する。
辞めさせてもらえない場合
中には、「辞めたいが辞めさせてもらえない」「罰金・違約金・損害賠償などを求められる」「辞める条件として代わりの人員を用意することを求められる」という例もある。しかし、労働基準法第16条[1]より、違法性のある契約書(労働/雇用契約書)については署名捺印してあったとしても無効であり、違約金などを請求することもできない。
違法であるもの
そもそも、サービス残業、シフト強制、ノルマ未達成分の自腹買取、正当な理由のない罰金や減給、有給休暇を使わせない、辞めさせないなどといった、権利行使に対する妨害や報復、正当性や義務のない事象の強制や特殊条件の付与などは、違法である。しかし、どこでもこれが普通のことだと錯覚させてくる場合や雇用者がこれらを違法と認識していない場合もあるため、注意すること。
広義
日本では、仕事に起因する燃え尽き症候群以外にも、広くこの用語が使われている。何かに熱中していた人が、打ち込むものを失い、燃え尽き症候群と似た状態に陥る。
たとえば、受験を終えた学生、大会を終えたスポーツ選手などが燃え尽き症候群になることがある。長編小説や漫画を読み終えた読者、アニメやドラマを観終えた視聴者が、燃え尽きるケースも存在する。
ニコニコ動画関係では、動画を上げ続ける投稿者、絵を描き続ける絵師、記事を編集し続ける編集者の中にも燃え尽きてしまう人がいる。趣味の範疇を超えて頑張り過ぎないよう留意されたい。
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関連項目
脚注
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