目玉焼き丼、または裕ちゃんライスとは、とある銀幕のスターが愛した粋な食べ物である。
裕ちゃんライスに関しては後述。また、ハチクマライスやその他の呼び名も存在する。
概要
目玉焼きを丼ぶり飯の上に乗せただけの料理で、言い換えればロコモコ丼からハンバーグを抜いたような簡素な丼ものである。
材料としては卵かけご飯に近いが、卵がフライパンで焼かれているため味がしっかりしている。
基本的には飲食店ではお目にかかる事が出来ない家庭料理であり、お手軽料理や節約料理の一種である。
言うなれば一人暮らしの男の料理でもある。
乗せられる目玉焼きは単体の場合もあれば、ソーセージが付いていたり、ハムエッグやベーコンエッグの場合もある。
その場合、名称も適宜「ソーセージエッグ丼」や「ハムエッグ丼」などと改められる事がある。
目玉焼きの例に漏れず、これにも調味料は醤油派とソース派がおり、また目玉焼きの焼き加減も片面半熟、片面完熟、両面焼きといった具合に個々人の嗜好が反映される。
アレンジとして、ご飯と目玉焼きの間にキャベツの千切りを敷いたり、ライスにバターを乗せる、またはガーリックライスなどにするといった一手間加える事もあり、お手軽料理とはいえアレンジの幅は広い。
なお、ご飯の上に目玉焼きを乗せるという事は比較的多くの地域で行われており、類似する料理としてはハワイのロコモコ、タイのガパオライス、インドネシアのナシゴレン(ただし本場では基本は目玉焼きは乗っておらず、乗っているものは”nasi goreng special” ナシゴレン・スペシャルなどと呼ばれる)などがある。
目玉焼き丼として提供している飲食店は滅多に存在しないが、北海道の一部の飲食店では「目丼」という名称で提供している所もある。また、飲食店の中には朝食セットなどで「ハムエッグ定食」などを提供している所もあり、外でやるには行儀が悪いがハムエッグをご飯の上に乗せる事で外食でも食べる事が可能である。もしやるのであれば、TPOを守りながらどうぞ。
裕ちゃんライス
往年の大スターである故・石原裕次郎は若かりし頃、日活撮影所の食堂でハムエッグライスを注文すると、そのハムエッグをキャベツの千切りごとライスの上に乗せ、ソースを回し掛けてフォークで食べる事を好んだという逸話がある。
その姿が様になっていた事もあり、共演者やスタッフの間で「裕ちゃんライス」という呼び名と共に撮影所でその食べ方が流行っていた、と言われている。
今日でも旧来の映画ファンには石原裕次郎が好んでいたという理由でその食べ方をする人がおり、相伴する人に蘊蓄を垂れている。
ハチクマライス
今は昔、旧国鉄の食堂車の職員が業務終了後に賄い飯として、ライスの上に目玉焼きを乗せたものを「ハチクマライス」と呼び食していたという。
ハチクマという語源は、一説には落語に出てくる気短な八っつぁん熊さんが自分で作って食べていそうな、簡素でざっかけない料理だから、と説明されている。
味もさることながら、その食べる事に時間をかけないスタイルは時間厳守を旨とする旧国鉄職員の気質にも非常に受けていたようで、深夜帯に限らず日中の交代時にも食されており、職員の食べるハチクマライスが一般乗客の目に留まると「あれは注文は出来ないのか」と尋ねられる事もあったという。
今も国内の一部の鉄道博物館内の食堂メニューとしてハチクマライスは提供されている。その際は目玉焼きではなく温泉卵であったり、具材の増えたちゃんとした料理となっている。
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関連項目
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