貴族から庶民になったので、婚約を解消されました!とは、小鳥遊郁による小説作品である。
概要
小説投稿サイト『カクヨム』において2017年から2018年まで連載し完結していた(後に小説家になろうにも転載)が、2020年4月にドラゴンノベルス(KADOKAWA)において書籍版が刊行された。書籍版のイラストは椋本夏夜が担当。
なお、書籍版第1巻では書き下ろしエピソードの他にも加筆修正されている。大きく展開は変更はされていないが、14歳編にあたる39話の展開まで収録されておらず、続刊は長らく刊行されていなかった。また店舗特典SSが付加したのビジュアルボードがアニメイトのみで付加されていた。
2年半の沈黙を破り原作書籍版の続刊が漫画版4巻の発売に合わせて2022年10月5日に刊行され本編は完結した。書き下ろしエピソードも三編ほど加筆されている。
漫画版が2020年6月よりComicWalkerとニコニコ漫画において連載開始した。レーベルはFLOS COMIC(KADOKAWA)。漫画版の作者は大岩ケンヂ。2023年7月現在既刊5巻。オリジナル要素としてアネットによる視点の展開の描写が増え、アネットのアンナに対する配慮の描写も直接的になっている。またビル視点の描写も増えている。2022年10月6日現在の第21話その1の段階ではWeb版28話までの展開まで描かれている。
アネット視点のサイドストーリー『庶民から貴族になったけど、聖女になんてなりません!』も2020年5月にかけてカクヨムと小説家になろうにおいて連載しており、一部エピソードが漫画版にも反映されている。
あらすじ
上級貴族の侯爵家セネットの第二子の長女のアンナは自身の成人の日となる13歳の誕生日パーティーの準備の最中、庭の真ん中で自身の容姿が両親たちと似ても似つかないことを改めて自覚されて落ち込んでいた。
佇んでいたところに空から聞こえてきた声により、自身が「妖精が他人の子供同士を取り替えるイタズラ」であるチェンジリングで取り換えられた庶民の子であることを知る。その言葉を発していたのは妖精だった。ある程度の詳しいことを話すと飛び立とうとするが、アンナはなぜか妖精「クリュー」を捕まえることができた。「クリュー」との約束により、庶民になったときのことを考えて「クリュー」から魔法を教えてもらったり、助言を受ける中で成長していくアンナ。
しかし14歳の学院の入学試験合格発表の当日に、クリューとは別の妖精に、アネットの家族にチェンジリングのことがバラされてしまう。
登場人物
主な登場人物
- アンナ・デュ・セネット →アンナ
- 侯爵家セネット家当主の第二子(長女)として育った少女。実は妖精により別の子と取り替えられており(チェンジリング)、貴族の家で育ったが血筋は庶民であり、セネット家の血筋の特徴である金髪碧眼や癒しの魔法の素質が無かった。ただし魔法が使える能力は持っていたため、クリューやサラの協力を得て水を出す・力を出せる、点火・クリーン魔法等の生活魔法の習得し、料理などの家事能力も身に付けた。
- チェンジリングがバラされたあとは本来の家族の元へ戻されることになる。マンチェス学院に合格はしていたものの、経済的な事情から通うことはせずに庶民として暮らしていくことに決める。
- クリュー
- 少年の容姿をした妖精で、赤ん坊の頃のセネットとアンナに合っている。仲間の妖精がチェンジリングをすることによくは思っていなかったがルールで妨害することができないので見守っていた。アンナが13歳の成人になったときに近づいて喋ったところ気づかれ、アンナに事態を説明する。協力する気はなかったが、負けるはずのない勝負に負けてしまったためアンナに協力することになる。
- エドモンド・ルーカス
- 辺境伯の伯爵令息でアンナの婚約相手。最初は高慢な態度をアンナに取っており嫌われていたが、徐々にアンナと打ち解けていき、アンナの手料理を楽しみにするほど気に入っていた。チェンジリング発覚後はアンナとの婚約は解消されアネットと結び直されることになったが、本人はアンナに執着しているため苦悩することになる。
- ヘンリー・デュ・セネット
- セネット侯爵家の嫡男。金髪碧眼で眉目秀麗なセネット家の特徴を併せ持つ。両親から冷遇されていた妹のアンナを家族で唯一大事にしており甘やかしていたが…。
- バレット
- ヘンリーの従者でアンナの幼少の頃からアンナとも親しかった。妖精に両家にチェンジリングをバラされた際にアンナには冷たく接し、本来のアンナの家との取次を担当する。
- サラ
- セネット家のメイドの一人でキッチンメイド。アンナから請われて自身の出身地の東方の国「マルヒノ王国」の料理の「うどん」や、「クレープ」などの簡単な料理を教える。アンナとアネットとのチェンジリングが発覚からしばらくしてセネット家を辞めて街に屋台を出す。
アネット方面
- アネット→アネット・デュ・セネット
- 貴族の両親から生まれたがチェンジリングによって庶民の子として育てられた少女。家族を愛していたが、自身の容姿から母が不貞を疑われ家族に亀裂を起きているのを悲しく思っていた。ビルとは犬猿の仲。弟の病気の際に教会へ嘆願するなどあらゆる手段をとって治療法を手にしようとしていた。後に自身に宿った癒しの魔法を使い生計を立てていたが、自身を取り替えた妖精の言葉に備えてアンナや家族のために庶民としては豪華な家に引っ越したり家の蓄えを貯めていた。神殿に通って勉強をしており、普通の学校なら授業料無料の特待生として入学出来るほど優秀で、特待生としてマンチェス学院に入学が決定していた。妖精の口車に乗って見に行く必要の無い合格発表を見に行ってしまい、チェンジリングに気付いたセネット家に確保される。
- ベラ
- アンナの本当の母親。庶民になって家にきたアンナに戸惑いながらも受け入れる。それはアンナがセネット家にいるときよりも温かいもので、これから先のアンナの状況も心配していた。
- マル
- ベラの第二子で長男。アンナが家に来た際にはアンナを姉と認めない発言をする。フリッツとともに学校を通う。
- フリッツ
- ベラの第三子で次男。マルとともに学校に通う。
- アニー
- ベラの第四子で次女。アンナが来た際には6歳だった。
- ビル
- アンナやフリッツ・マル・アニーの実の父親。アネットが自分たちの子供と容姿が違ったことからベラの不貞を疑い喧嘩続きになったり、家にいられなくなったりと家出している。そのためアネットとは常に距離が遭いていた。実は鑑定の能力を持っており技量は高い。赤ん坊のアネットと対面した際に鑑定の能力でアネットを鑑定した際に貴族の子供だという表示が出てしまいショックを受けていたらしい。血筋は系譜をたどると貴族の血筋を引いているため鑑定魔法を使えるらしく、素質の高さ、魔力の多さはアンナにも引き継がれた。
- マリー
- アンナたちの近所に住んでいる少女。アンナが初めて共同井戸に水を汲みに行った際にアンナと出会う。アンナを貴族として横柄なものだと想像していたが、認識を改め友達となる。
関連静画
関連商品
原作
漫画版
書籍版対応表
書籍版 巻数 |
Web版 収録対応話数 |
備考 |
---|---|---|
1巻 | 第1話-第39話 (プロローグ~ 13歳~14歳編) |
単行本書き下ろしエピソード ・エピローグ1(ビル視点) ・エピローグ2(クリュー視点) ・アネットの想い ・僕の妹は聖女になれない |
2巻 | 第34話-第89話 (15~18歳編) 番外編2話 |
単行本書き下ろしエピソード ・庶民から貴族になったので毎日お風呂に入ってます! ・アンナとアネット ・駅弁を作ろう |
関連リンク
- 原作連載サイト(カクヨム) /サイドストーリー
- 原作連載サイト(小説家になろう) /サイドストーリー
- 貴族から庶民になったので、婚約を解消されました!(書籍版公式サイト/ドラゴンノベルス)
- 漫画版連載サイト(ComicWalker)
- 漫画版連載サイト(ニコニコ漫画)
関連項目
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