115系単語

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115系とは、旧国鉄開発した直流近郊形電車である。

概要

 1960年代、山岳地帯を走る幹線用に新電車を導入する事となったが、それまで使用されていた111系ではモーターの出が不足する事から、モーターの出を20増強して抑速ブレーキを装備した115系を開発した。急行電車165系とは同期である。

 同時期に出た113系との決定的な違いはその装備にある。温暖で坦な地域を走る事を前提に作られた113系と違い、115系は寒冷地でなおかつ勾配の多い山岳地帯を走ることを前提としている為、基本的なパーツ類は113系と共通仕様としながらも、抑速ブレーキや耐寒耐構造等の装備が強化されている。

 国鉄時代は上信越地方を始め、北関東幹線身延線岡山広島地区に配備された。

 113系と同様、量産された数も2000両近くと非常に多い為、年度や配備された地域によって様々な区分番台が存在する。基本番台を始め、耐寒耐構造を更に強化した1000番台、二117系とよく似た構造を持つ3000番台や、0番台の中で部分低屋根構造を持つモハ114 800番台といった特殊な車両も存在する。

 0番台から3000番台までの基本的な走行システムは共通で、相互に連結できる。岡山地区では最近まで、夕ラッシュ時などに、3500番台を除く各番台の編成を繋いだ列車が見られた。舞では115系と113系連結も見られた模様。

 種も、地方路線への配備が多かった事から、クモハが存在し、短編成が組めるようになっていた。また、需要の低い路線への配備が多かった為、同形式にはサロが存在しない。ただし、中央本線急行運用でグリーン車が必要になった際、165系のサロ165形を組み込んで運転した実績がある。

 民営化後はJR東日本JR東海JR西日本へ継承された。113系べて装備が充実しており、汎用性が高いことから2009年4月時点で900両以上が残っていた。JR西日本岡山・下関地区では現在も活躍中。山陽本線では岡山~下関間の長距離列車にも使用された。

 JR東日本で最後まで残った新潟車両センター所属は、2014年から2022年にかけてE129系に置き換えられた。JR電車編成表2023交通新聞社)によると、上記新潟のほか、JR西日本福知山地区でも115系がされた。広島地区では227系が大量導入され、山陽本線三原岩国間、呉線可部線からは2019年3月をもって115系が撤退した。岡山地区でも2023年度以降、227系の投入が発表され、2023年7月より営業運転を始めている。当初は117系113系の置き換えが優先されたが、115系300番台も置き換えの対となり、回送も始まった。

 JR以外への譲渡例は、伊豆急行200系(元0番台300番台)、しなの鉄道115系(1000番台)がある。いずれもJR東日本からの移籍。伊豆急では既に済、しなの鉄道でも新SR1系への置き換えが始まっている。

 鉄道模型世界では今も根強い人気があり、NゲージHOゲージで各番台が製品化されている。

バリエーション

0番台

1963年に登場した基本番台で、登場時は東北本線高崎線に配備された。側面のが丸い非ユニットで、ヘッドライトはデカと呼ばれる大白熱灯を採用している。当初は非冷房であったが、1975年から冷房化改造が実施された。

モハ114にはパンタグラフ部分の屋根を低くした800番台が存在し、小断面トンネルがある中央線で活躍していた。一部は臨時列車対応を兼ねて東北線に配置し、信越線横川軽井沢間を通過できるようになっていた(横軽対策)。

一部はヘッドライトシールドビームにする改造も実施された。基本的にはライトごと取り替えているが、中にはデカ活用した「チクビーム」と呼ばれる改造を受けた車両も存在した。

2018年11月、下関に先頭化改造600番台として残っていた最後の1両が引退し、番台区分消滅となった。

300番台

防災対策が施された新製冷房。1973~1977年の製造。側面ののついたユニットとなり、ヘッドライトも小シールドビームに変更された。集中的にロングシート改造を受けたり、方向転換の対がら外されたりと、115系の中では独自性が強く、形式・番号の変更を伴う改造も極めて少ない。全標準で横軽対策済み。

日本各地では既に引退している。2022年10月現在岡山地区で活躍しており、湘南色に復元された3両編成2本は特に人気がある。

1000番台

寒地対策を強化したシートピッチ拡大で1977〜1982年に製造。このグループからは体側面の割りが変わったほか、編成中の便所数が削減されている。全標準で横軽対策済み。地方線区向けに一部は冷房装置を搭載せずに投入されたが、JR移行後に全冷房化を了した。

の多い上越線信越本線に投入されたほか、1982年に電化された伯備線向けにも配備された。2022年10月現在高崎(保留1両のみ)、岡山、下関、しなの鉄道に在籍する。

2000番台

1000番台から耐寒装備を簡略化したタイプで、1977〜1981年に製造。広島地区と身延線に投入されている。長編成での投入がなかったことや、将来転用時の柔軟性を考慮してか、付随は製造されなかった。

広島地区では1977年から2019年まで、40年にわたって山陽本線とその周辺線区で車両として活躍した。2009年までに全編成が体質善40N・30N工事を受けている。

1981年からは身延線にも投入された。同線のトンネルの高さが低いため、モハ114は低屋根2600番台となっている。このグループのクハの一部は新潟へと転属した。塗装は沿線で取れるぶどうイメージしたワインレッド富士山イメージした帯の地域カラーを採用したことが特徴である。

JR東海では2007年までに運行を終了し、新潟に移ったクハも2016年までに引退。下関配置の車両2020年度までにされて番台消滅した。

3000番台

1982年から1983年にかけて広島地区に導入された、2グループである。他の115系と同じ前面スタイルであるが、側面は117系そっくりの2で、座席も転換クロスシートを採用している。初期には111系とも編成を組んだため、運転台には115系・111系の切り換えスイッチが付いている。先頭スノープロウは省略された。

JR西日本へ引き継がれたほか、117系の中間電動改造編入した3500番台も登場している。(2024年現在引退済み)

ベージュに帯という瀬戸内色の塗装を採用したのは、この115系3000番台が最初である。民営化後には広島快速色と呼ばれる新塗装に塗り替えられたが、体質善30N工事を行った際に消滅した。単色化計画により黄色1色(末期色)への塗替えが始まり、その第1号は本番台の編成であった。その後も順次塗装変更が実施されている。2022年11月現在山陽本線岩国〜下関間で運行されているが、老朽も始まっている。2023年10月に「懐企画で1本が瀬戸内色に戻された。

形式と車両番号

形式一覧

増備による変化と番台分け

0番台

300番台

1000番台

2000番台

3000番台

改造車

冷房改造

新製冷房300番台が登場した後、0番台国鉄標準形のAU75形(クハ115形の一部は153系発生品のAU13形)によって、冷房改造が順次進められた。この際、クハ115形はジャン連結器の増設により方向が固定された。JR移行後に改造された車両には各社独自開発クーラーも使われている。ただし、老朽化などにより非冷房のままされた例もある。
1000番台2000番台3000番台は前述の通り、準備工事で落成したを含めて全冷房となった。

3500番台

モハ117形、モハ116形を改造したグループオールクロスシートからセミクロスシート装された。台車117系時代の空気バネ式DT32形のままで、パンタグラフもモハ115形の前位に付いている異端

運転台の増設

国鉄末期以降の短編成化で大量の改造が発生している。制御電動は運転台増設のみ(モハ114クモハ114)。なお偶数向きで改造された制御には、例外なく便所が設置された。

国鉄仕様の改造

1000番台仕様の運転台ブロックを取り付け

 JR西日本における改造

方向転換

300番台以降の制御は、連結される方向が固定されているが、10002000番台は短編成化のから方向転換の必要に迫られることがあった。奇数向きの1100・2100番台のうち、後期の便所設置23両が、偶数向きの10002000番台の続番等に編入された。

このほか3001000番台の一部で番号が変更されないまま方向転換された車両もある。また、少数ではあるが、偶数向き→奇数向きの例も確認されている。

113系からの編入

他系列への改造

クハ115-0番台からクハ111-0番台、サハ115-300番台からサハ111-400番台、クハ115-612→クハ401-901(後に101)の改造例がある。

高速対応化(西日本)

ほぼ全が対応化された113系と違い、115系は京阪神区間(東海道山陽線)への導入が少数だったため、施行されたのは3001000番台の31両のみに留まった。

更新工事

JR東日本では1998年から、300番台1000番台を対更新工事が行われた。座席をはじめとした内装、台車コロ軸受化などが施工されている。ただし、既に老朽が始まっていたこともあり、更新は全には及んでいない。

関連動画

ニコニコ動画においては、現在も運用の多い北関東、上信越、中国地方の115系の動画が多い。

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66 ななしのよっしん
2019/03/26(火) 12:59:06 ID: 1xJSkj1lvo
いい加減全から消えてほしい
特に岡山山口。こっちにも227系よこせ
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67 ななしのよっしん
2020/02/01(土) 13:20:38 ID: 7g9+UM3QRx
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68 ななしのよっしん
2020/02/02(日) 15:54:41 ID: 7g9+UM3QRx
115系による上野東京ラインとかあったら乗ってみたかったぜ…
115系上野東京ライン熱海行(創作)
タイトル:115系上野東京ライン熱海行(創作)
この絵を基にしています!
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69 ななしのよっしん
2020/05/25(月) 17:30:58 ID: I3L78gqq+3
新潟地区はほとんどの編成をものの数年でE129系に置き換えたのに、残り数編成をそのまま残してるのは何か理由があるのかな?別に115系じゃないとできない運用っていよね。
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70 E233系0番台
2022/01/03(月) 12:59:18 ID: Q2WUzfXAQF
>>>68
なんかすごい(粉みかん🍊)
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71 ななしのよっしん
2022/02/26(土) 18:52:37 ID: 195xXuIKli
115系1000番台は寒冷地対策に関して言えば、北海道にいる車両以外右に出るものがいない為か、ではまだまだ需要があるみたい。417系と基本設計を一緒にしているところを見ると、国鉄近郊最強種って言えるかもね。
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72 ななしのよっしん
2022/03/12(土) 09:21:21 ID: NvnnXjAd96
ついに新潟支社でもこの正で115系の運用が終了(ついでに弥彦線に残ってたE127系0番台も)するみたいね
これで関東115しなの鉄道が最後の砦かな?
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73 ななしのよっしん
2022/08/11(木) 23:49:54 ID: 3hBbliUVIB
>>>71
そりゃだって元々当時のの観点から設計変更すべきという事と上越線走行を想定していたから他の115系とは違う感じになったのだよ。そんでもってそれが使いやすかったから651両も量産されただけ。そもそもこの番台区分だけドアレールヒーター標準装備だから他の車両とは大きくちゃう。
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74 ななしのよっしん
2023/03/20(月) 23:17:32 ID: NvnnXjAd96
3/18のダイヤ正でしなの鉄道の2両編成が運用離脱したことで2連の115系全消滅ですかね
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75 ななしのよっしん
2024/05/24(金) 16:18:08 ID: nveJBYZ/Av
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