SCP-4560単語

SCP-4560とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

概要

SCP-4560
基本情報
OC	Keter
収容場所	サイト-64,81,77
著者	Jacob Conwell
作成日	2018年9月24日
タグ	ミーム 精神影響 精神感応 聴覚 視覚
リンク	SCP-4560
SCPテンプレート

SCP-4560は、自らを男性とみなしている15-45歳の人物に見られるミーム感染。このミームに感染した男性たちが筆記・口述・及び身体的手段によるコミュニケーションにおいて、他者に人生のネガティブな側面を公然と表明することをさける。これには病気、財政難、ちょっとしたいらだちや欲求不満、怒り、抑鬱、不安といった感情などが含まれるが、それに限らないらしく、とにかくマイナスな感情を表明することなくなり、ポジティブなことばかりを言うようになる。多分頑張るを『顔晴る』とか言っちゃうようなポジティブさを示すのだろうな。

感染初期では、自分の人生における好ましくない出来事や感情を軽視することになり、自分の状況をより不幸と思える状況と比較して、問題の出来事から目をそらそうとする。例えば、お金がなくてご飯が満足に食べられなくても、「アフリカの子供に比べたら」などと現実逃避するわけだ。

症状が進行していくと、そもそも自分にネガティブな出来事、感情が起きていることに公的な認知が完全に不可能になる。だから、どれだけ他人の目から見てその人が不幸な目にあっていても、自分が不幸であると言うことはまずありえない。

更に、他者がネガティブな状況に陥っても認識できないので、事故や病気で身体の一部を失った人にも「何くよくよしてるんだよ」などと軽いノリで言ってしまったりするわけだ。全体的にあらゆる交流において過剰なまでに楽観的であり、更に空気も読めない。こうなったSCP-4560は、自身がミームの媒介物を作り上げる。この人達が製作した激励のメッセージ、「ありがとう」メール、ボイスメールのメッセージなどを適切な視覚的・聴覚的ミーム保護無しで見た、SCP-4560未感染の15-45歳の男性はあらたなSCP-4560の感染のホストになる。

このようにあまりに簡単なミーム伝染のために、SCP-4560感染者がどれだけ未収容の状態で一般社会にいるかは不明である。

「ゆーても、ポジティブになれるのなら悪いことではないのでは？」

――そう思った方も多いと思う。確かに、SCP-1010-JP (未確認飛行物体が見てる)のように、社会的に良い影響を与えうるKeterというのも世の中存在する。収容できない異常存在といっても、全てがわるいなにかというわけではないはずだ。

そう、本当に「ポジティブになれる」のならば。

残酷な事実

そう、ポジティブになれるのがSCP-4560の特性ではない。ポジティブな言葉と感情しか表現できないのがSCP-4560の特性である。彼らは何もかもポジティブにとらえているわけではなく、依然としてネガティブな感情を抱いていることを推察されており、単にそれを表明できないだけだというのがSCP-4560に対する財団の見解である。

なぜそう言えるかというと、SCP-4560の患者第1号と目される人物、ロバート・ヘイル氏の存在が背景にある。SCP-4560は2005年6月にオレゴン州はポートランドで発生したアウトブレイクにより財団エージェントに確認され、機動部隊ベータ-7(“マズ帽子店”)、ガンマ-5(“燻製ニシンの虚偽”)、パイ-1(“シティ・スリッカーズ”)の3部隊により当時確認できた感染者はすべて収容され、このロバート・ヘイル氏が最初であると特定した。

ロバート・ヘイル氏は2005年6月28日にアパートで首吊り死体として発見された。SCP-4560が本当にネガティブな感情を抑制するなら、氏は首など吊るわけがない。家族や友人へのインタビューにより、氏は学業不振と財政難により、大学院を中退していたことが発覚した。氏の遺書にかかれていた言葉は――