ガーディアンヒーローズとは、1996年に発売されたセガサターン用の格闘アクションゲームである。
販売元はセガで開発はトレジャー。通称「ガーヒー」。
概要
スリーライン制の横スクロール型アクションゲームで、四名の主人公から一人(二人プレイも可)を選んでプレイするストーリーモードと、ゲームに登場するキャラクターを使用して二~六名で対戦できるVSモードがある。
ストーリーモード
ストーリーモードはルートで区切られた全30ステージ。
途中途中の選択肢によってルートが決定され、最終的なルートによってラスボスとエンディングが異なるマルチエンディングとなっている。
敵を倒すことで経験値が入り、レベルを上げることでステータスが成長していくRPG的な要素もある。
VSモード
好きなキャラクターを選び対戦するモードで、このゲームのキモでもある。
相手が倒れるまで続く時間無制限バトルと、時間内に出来るだけ相手にダメージを与え、ポイントを稼ぐのが目的の時間制バトルの二種類の対戦方式がある。
VSモードで使用できるキャラクターは最初は少ないが、ストーリーモードをプレイすることでキャラクターがアンロックされていき、最終的には45ものキャラクターを使用することができるようになる。
キャラクターはライン移動と一つの攻撃しかないただの一般市民から、とてつもない強さを持つラスボス級のキャラまで存在するが、チーム制度やキャラクターのレベルを0~200の間で設定できるので、キャラ性能の差はレベル等のハンディキャップを設けることである程度は緩和される。
VSモードは対戦相手をコンピュータに設定することで一人でも遊べるが、マルチタップを繋ぐことで最大六名まで遊ぶことができる。
システム
ライン移動
ステージは三つのラインで構成されていて、ライン移動ボタンを使用することでいつでも別のラインに移動することが可能である。
移動中は完全に無敵であり、直線的な攻撃を避けたりするのに使えるが、移動の終わり時に若干の隙がある。
必殺技と魔法
各キャラクターには、必殺技とMPを消費する魔法が用意されており、どちらもコマンド入力によって出すことができる。
キャラクターによっては魔法が無かったり、必殺技すら用意されていないキャラクターもいる。
また、魔法に関してはコマンドが苦手な初心者救済のためか、魔法ボタンを押すことで出るメニューから魔法を選択して魔法を撃つこともできる(ただしメニューを選んでいる間は無防備になる)。
消費したMPは、攻撃をしてコンボを稼ぐことで早く回復していく。
ガードと避け
ガードが出来るキャラクターはガードボタンを押すことでガードができ、ガードボタンを二回連続で押すと攻撃をかわす避けになる。
キャラクターによってはガードや避けができないキャラクターもいる。
ストーリーとキャラクター
ストーリー
かつて世界には「魔法の時代」、そして「剣の時代」と呼ばれる時代が存在した。
魔法と剣の時代が過ぎ去った現代、王国の魔道士であるカノン・G・グレイは、己の野望のために「剣の時代」に存在したという「伝説の剣」を捜し求めていた。
そして、ある四名の冒険者たちが目的の「伝説の剣」を発見したと聞いたカノンは、王国の騎士団に「どんな手段を持ってでも、剣を奪取せよ」との命令を下した。
そんな事も知らぬ、「伝説の剣」を手に入れた四名の冒険者たちは城下町の宿屋で旅の疲れを癒していた・・・。
登場キャラクター
主人公たち
- ハーン・サムウェル (CV:真殿光昭)
王国の騎士団に所属していたが、王家の姫であるルシアを無断で外に連れ出した罪で騎士団から追放され、冒険者になった。
パワー型のキャラクターで、魔法より剣での直接攻撃が得意。
また、ルートによっては専用のイベントが発生し、劇的にパワーアップする。 - ランディ・M・グリーン (CV:亀井芳子)
多数の魔法を使いこなす魔法使いの少年で、杖による棒術もお手の物である。
魔法使いというキャラクター上、MPに頼った技が多く、MPがあるうちは強いがMPが切れると厳しくなる。
ストーリーモードでは常に遣い魔のエドワード・M・コニャック(通称エド)(CV:大谷育江)をつれており、エドも自動的に攻撃してくれるため他のキャラに比べると多少有利。
名前の元ネタはデータイーストのゲーム「エドワードランディ」。 - イブシ・ギンジロウ(燻 銀次郎) (CV:大川透)
「村柾」と呼ばれる剣を捜し求める忍者。
「伝説の剣」が捜し求めていた「村柾」ではないかと思い、ハーンたちと行動を共にしていた。
主人公キャラクターの中では一番素早いが、攻撃はかなり癖があるテクニカルなキャラ。 - ニコレ・ニール (CV:大谷育江)
僧侶だが、自分の幸せのために神を信じているという不埒者。
だが、一応僧侶なので回復魔法による味方のサポートや闇属性の敵に対しては圧倒的な強さを誇る。
敵を隅に追い込んでの「ばりあー」は凶悪。 - セレナ・コルセア (CV:沢海陽子)
王国の赤騎士団団長。騎士団の襲撃に先んじてハーンたちの元に駆けつけた。
「伝説の剣」やアンデッドヒーローの事に詳しいが、その正体はストーリーの中盤で明らかにされる。
初回プレイはNPCとして登場するのみだが、一度ストーリーモードをクリアすることで、プレイヤーキャラとして使用できるようになる。
攻撃も魔法も使える、万能タイプのキャラクター。 - アンデッドヒーロー (CV:坪井智浩)
不死英雄戦士とも。かつて「剣の時代」で活躍した剣士の成れの果てで、「伝説の剣」の持ち主。
ストーリーの序盤で仲間になり、以後はプレイヤーの後を付いて自動的に攻撃をしてくれる。
絶対に死なないため、ピンチな時には彼に戦わせて自分はひたすら逃げる、という戦法も取れる。
王国関係
- カノン・G・グレイ (CV:大木民夫)
「魔法の時代」から生き続けていると言われる暗黒魔道士。
理想的な魔道国家を作るために王国に入り込み、王国を裏から操るが、その理由についてはストーリーの中盤で明かされる。
完全に魔法特化なキャラクターで、攻撃の大半は全てMPを消費する魔法扱いの攻撃である。 - ラインハルト・バルガー (CV:納谷六郎)
王家の正当な後継者であり、王国の黒騎士団団長でもある。ゲーム上では「バルガ」と表記されていたりする。
国王の命でカノンの手助けをしているが、内心は国王とカノンのことを快く思っていない。
主人公たちのライバル的存在であり、度々主人公たちの前に現れては戦いを挑んでくる。
余談だが、彼が持つ二刀の剣が、ギンジロウが探している「村柾」である。 - デッドアイ・ガッシュ (CV:小野英昭)
王国の青騎士団団長。かつてのハーンの上司。
眼帯をしているが、相手に対するハンデをつけるための物で、隻眼ではないようだ。
ルートによってはとある目的で騎士団を率いている彼と戦うことがある。
技やステータスはハーンと全く同じで、いわゆるコンパチキャラ。 - カティ・サーク (CV:麻丘夏未)
セレナが騎士団を抜けた後、後釜で赤騎士団団長になった女騎士。
異様なほどにセレナのことをライバル視しており、ルートによっては彼女と戦うことがある。
セレナのコンパチキャラだが、魔力がわずかに劣っている。
余談だが、名前の由来はスコッチウィスキーの「カティーサーク」から取られているのだが、その酒の名もイギリスの帆船名から付けられている。 - ズル・パ・イヤー (CV:横尾博之)
カノンの側近で、王国の遊撃隊を率いている。
優勢な時は強気だが、ピンチになるとすぐに逃げ出す典型的な小悪党。
バルガーからは疎んじられていて、あるルートでは愛想を尽かしたバルガーに引導を渡されてしまうが・・・。 - プロト・シルバー&ゴールデン・シルバー (CV:加瀬康之)
自らの意思を持つ魔道兵器(いわゆるロボット)で、カノンの命令に忠実に従うようプログラムされている。
ブーストダッシュによる突進や、地を這う爆炎などで攻撃する。
ゴールデン・シルバーはプロト・シルバーに自立攻撃型のビットが付いたもので、技は同じである。
元ネタは同社のゲーム「ガンスターヒーローズ」のキャラクター(ラスボス)。スタッフ達が冗談半分で提案したら本当に本編に組み込まれてしまったキャラである為、「ガンスターヒーローズ」とのストーリーや世界観の繋がりは全く無く、いわゆるスターシステムとしての登場である。 - 王国騎士団員
序盤によく出てくるいわゆるザコ敵。
一番下っ端の王国兵士(CV:加瀬康之)、斧で攻撃する中隊長格の王国騎士(CV:斉藤周)、回復魔法やバリアを使う劣化ニコレの王国破戒僧、通常攻撃ですぐ死ぬ王国魔道士、量産型ロボットである王国魔道兵器といった面々で構成されている。
何故か王国兵士だけは顔グラフィックが用意されている。
その他の勢力
- マッチョ・ゴロー (CV:秋元羊介)
強奪団「ゴーダッツ」の頭領。
アンデッドヒーローの事を気に入っており、会うたびに献上しろと迫ってくる。
やや強引なところがあるものの、部下からの信頼は厚いようだ。
我流の格闘術での攻撃を得意としており、攻撃力が高いが、技のコマンドが少々複雑(バーチャファイター系のコマンドが多い)。 - サンボ・シナユマ
強奪団「ゴーダッツ」の副頭領。
マッチョの格闘術を見よう見まねで覚え、同じ技を使用するマッチョのコンパチキャラ。
ただ、サンボの方はコマンドが簡略化されており、マッチョよりは使いやすくなっている(その分技の攻撃力は低い)。 - ゴーダッツ (CV:坪井智浩)
強奪団の戦闘員。
やたら肉体を強調した攻撃が多く、スクワットや腕立て伏せ、汗で攻撃をする。
セリフの語尾に「マッスル」を付けるのが特徴。 - レジスタンス
王国に抵抗している一団。
村に祭られていた古代魔道兵器を動かして王国騎士団と戦おうとするが、暴走したり王国騎士団に奪われたりして、逆に襲われるハメになる。
性能は王国兵士とほとんど同じ。
その他事項
- ガーヒーのシステムは、トレジャーが以前に開発したメガドライブ用ゲーム「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」の流れを汲んでいる。
- ストーリーモードではカルマというマスクデータが存在し、体力が0になっている敵を追い討ちしたり、無抵抗の敵を攻撃したり、市民を攻撃したり、いわゆる「悪いことをする」と上がってしまう。
エンディングを迎えた際にカルマが溜まりすぎていると、通常とは展開が少々異なる、いわゆるダークエンディングになってしまう。 - ルートによるエンディングは五つあり、カルマで変化するダークエンディングを含めると全部で10通りのエンディングが存在する。
- 2012年に発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフト「CODE OF PRINCESS」はスタッフの一部が本作と共通しており、ゲームシステムなどが本作と類似している。
関連動画
関連項目
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- 0pt