スケールド・コンポジッツ・モデル339 スペースシップトゥー（Scaled Composites Model 339 SpaceShipTwo, SS2）とは、スケールド・コンポジッツが開発した民間宇宙船である。
概要
| モデル339 スペースシップトゥー Model 339 SpaceShipTwo |
|
|---|---|
| 用途 | 民間宇宙船 |
| 分類 | ロケット宇宙航空機 |
| 製造者 | スケールド・コンポジッツ |
| 設計者 | バート・ルータン |
| 運用者 | ヴァージン・ギャラクティック |
スケールド・コンポジッツが民間宇宙弾道飛行用の宇宙船（有人宇宙機）として開発・製造した単発式ロケット宇宙航空機。これはスケールド・コンポジッツ（アメリカの航空機・宇宙機製造会社）とヴァージン・グループ（イギリスの多国籍企業）による合弁企業ザ・スペースシップ・カンパニー（TSC, The Spaceship Company）のティアー1b計画（Tier 1b program）の一環である。
SS2を搭載する母機には、同じくティアー1b計画の一環として開発されたスケールド・コンポジッツ・ホワイトナイトトゥーを使用。これら機体はティアー・ワン計画（Tier One program）のスケールド・コンポジッツ・スペースシップワン及びスケールド・コンポジッツ・ホワイト・ナイトの後継機である。
2010年3月22日、ホワイトナイトトゥーが1号機VSSエンタープライズ（VSSはVirgin Space Shipの意）を搭載してテストフライト（初のキャプティブ・キャリー・フライト）を行った。
2010年10月10日、初の有人滑空飛行に成功。2012年12月19日にはハイブリッドロケットエンジンを搭載した実運用とほぼ同じ状態の機体の滑空飛行を行った。
2013年4月29日、実験用の通常型ロケットエンジンを積んで動力飛行を実施。
2014年1月17日、母機のホワイトナイトトゥの主翼に亀裂が入っているのが発見され、同年7月19日まで飛行試験が停止される。
2014年10月31日、開発が難航していたハイブリッドロケットエンジンを新しいものに積み替えて行った最初の試験飛行で墜落事故が発生。スペースシップワンから開発にかかわっていた副操縦士が死亡、 操縦士が自力で脱出に成功するも重傷を負う。
ヴァージン・ギャラクティックによる民間宇宙旅行事業は2011年6月→2013~14年→2015年3月と伸びてはいるものの、世界中の著名人や経営者やセレブなど500名以上が搭乗予約をしている。
約2時間の宇宙旅行1人当たりの価格は20万ドル。
構造
機首はスペースシャトルの様な形状であり、胴体は丸みを帯びたライフル弾型である。主翼形状はデルタ翼（三角翼）。主翼端から後方へ伸びる形の主翼エルロンと一体化した垂直尾翼が付いており、更にその垂直尾翼後方部分に水平尾翼とエレボンが付いている。メインエンジンにはハイブリッドロケットモーターを1基搭載。高度約110kmの宇宙高度（熱圏）でも機体制御が行えるように、機首にはピッチ＆ヨー制御用の複数のスラスターが、主翼端にはロール制御を行うスラスターが搭載されている。
仕様
| スペースシップトゥー VSSエンタープライズ SpaceShipTwo VSS Enterprise |
|
|---|---|
| 乗員 | 2名 |
| 乗客 | 6名 |
| 全長 | 18.29 m （60 ft） |
| 全幅 | 8.23 m （27 ft） |
| 客室全長 | 3.66 m （12 ft） |
| 客室直径 | 2.28 m （7.5 ft） |
| 尾翼高 | 4.57 m （15 ft） |
| 最大速度 | 4,200 km/h （1,167 m/s、2,610 mi/h） |
| 最大上昇高度 | 110,000 m （68 mi） |
| エンジン製造者 | スペースデヴ |
| メインエンジン | ハイブリッドロケットモーター × 1基 |
機体一覧
個別名（パーソナルネーム）はスタートレックに登場する宇宙船の名称が由来となっている。
| 機体名称 | ロールアウト | 初飛行 | |
|---|---|---|---|
| 1号機 | VSSエンタープライズ （VSS Enterprise） | 2009年12月7日 | |
| 2号機 | VSSヴォイジャー （VSS Voyager） | 製造中 | |
| 3号機 | 未定 | 製造中 | |
| 4号機 | 未定 | 製造中 | |
| 5号機 | 未定 | 製造中 |
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt
