デジモンセイバーズとは、フジテレビで放送された平成最後のデジモンシリーズアニメ作品である。次作はテレビ朝日より放映されるデジモンクロスウォーズ。
概要
なんといっても、シリーズ初にして唯一、「素手でデジモンをしばき倒すことが出来る生身の人間の親子が存在した」という衝撃の事実が描かれるのが特徴として挙げられる。
ある意味、デジモンに流派東方不敗もしくは反逆精神を混ぜてしまった、前衛的過ぎる試みが行われた。そのためリアリティはほとんどなくなり、そういう点でかつてのファンから突っ込みが多く寄せられた。
反面この良い意味で大雑把に熱い少年漫画な方向性を目指した作風がクリーンヒットしたファンも多くおり、シリーズの中では賛否両論うずまく作品である。
これは今まで「デジモンが戦う中で人間が見てるだけとか、それでいいの?」というデジモンテイマーズより積極的に答えようとしていた疑問に対する一つの解答である。もっともテイマーズでも李くんが生身で格闘してたけどね…。
作風的に良くも悪くもギャグテイストがマッチするため、シリーズ中通しても特にギャクシーンが多め。会話の合間に挟まれる小気味いいギャグの応酬は必見。とはいえ、シリアスシーンが全く無いかと言われればそうではない。歴代シリーズ中でも特に家族の描写に重きが置かれており、ストーリーの中核となっている。
しかし、作品を発表するタイミングの悪さや実験性からの焦りに加え、ロクに作品のプロモーションを行わなかったため、商業的には失敗している。作画などに気合を入れた作品だけに、非常に悔やまれる結果となった。
ちなみに本作のシリーズ構成である山口亮太は後に「ドキドキ!プリキュア」を担当。プリキュアでは歴代最強のスペックを誇る主人公、相田マナを産み出している。
セイバーズに対するQ&A
- Q.デジモンがなんかでかくね?
A.意図的にデジモンのサイズが底上げされています。(人間社会へおいそれと交われない異質性を表現するため) - Q.なんすかあの人!?いきなりデジモンぶん殴ったァ!
A.仕様です。 - Q.あの主人公絶対人間じゃねぇ!
A.父親はそれ以上の超人であり、その息子にも人外的な身体能力(と、精神)が遺伝した模様です。が、誰がなんと言おうと、彼等は人間です。 - Q.主人公の名前にタ・ダがない!ゴーグルもない!どういうことだゴラァ!
A.新たな始まりということで意図的に無視しました。つまり、それらの法則を制作サイドが忘れたわけではありません。 - Q.デジモンいらなくね?
A.そう思うのも無理ないですが、主人公の望みはあくまで相棒のアグモンと「一緒に戦う」ことです。その心情を察すればそういった指摘は野暮な突っ込みになってしまいます。ちなみに他のテイマーは割とフツーです。 - Q.デジモンの声違くね?違和感が……。
A.別にセイバーズや後輩のクロスウォーズに限った話じゃありません。(ヒント:別個体) - Q.バーストモードのBGMイイネ!でもサントラに入ってないお……。
A.放送終了から約半年後、「デジモンセイバーズ フラッシュバック」というCDが発売し、その中に収録されました。タイトルもズバリ「バーストモード」です。
主な登場人物
- 大門大 (CV:保志総一朗) ※幼少期のCVは山崎みちる
本作の主人公。そして、デジモンシリーズの人間主人公では唯一、デジモンを素手で殴り倒せる男。
彼だけは何故か殴らないとデジソウルが生まれないという設定があり、店頭販促映像でもトーマから「なぜ殴らないとデジソウルが生み出せないのか」と呆れられている。
その実力は深手を追ったとはいえ、22話時点で究極体の牙をへし折るほど。後にも映画版でアルゴモンを殴り倒し、クレニアムモンのクラウ・ソラスを拳で受け止めたうえにアヴァロンを砕いてしまうなど、もはや人間とは思えない。
相手が誰であろうとケンカ売って戦うあたり、パートナーはアグモンよりも「とにかく拳と拳の戦いを好み、相手が強くても弱くてもかまわずケンカを売ってしまう」という設定のプクモンの方が合ってるような気がする。
全てが終わったあとはデジタルワールドへアグモンとともに向かうことを決意し、五年経った後でも喧嘩番長としてデジタルワールドを回っている。しかも見た目が全然変わっていない。 - アグモン (CV:松野太紀)
大のパートナー。実際はパートナーというより弟分的存在。デジモンアドベンチャーのアグモンとは別個体。分類的に通常種のアグモンらしいがアグモンXの技が使える。
進化後のグレイモンの亜種にあたるジオグレイモンも同様にX種の技が使える。大門家では何の違和感も無く普通に生活している。しかも、愛用の枕まである。
鼻のデカさや爪に巻いたバンドをよくファンから指摘されるが、それは意図的に差別化をはかった故でのデザイン変更で、大きさも無印のアグモンより一・二回りほどでかい。
シャイングレイモンの強化武器、ジオグレイソードはよく折れるかませ犬として有名。
「兄貴、すげぇ」が口癖だが、それは視聴者の台詞だ。
進化後の姿がグレイモンやメタルグレイモンの流れを組む系統なので好みが別れるところだが、主人公のパートナーとして遜色ない格好良さを持っている。
- トーマ・H・ノルシュタイン (CV:野島裕史) ※幼少期のCVは佐藤ゆうこ
主席で海外の大学を卒業した14歳のインテリ。科学もデジモンバトルも演技も出来る多才な人物。
名家ノルシュタインの一族であるものの、日本人の母親を持つが故に一族の中での扱いはあまり良くない。病弱な妹がいる。
五年後は妹の不治の病を治す方法を見つけ、受賞を受けるほどの大人物に出世する。 - ガオモン (CV:中井和哉)
トーマのパートナー。忠誠心の強い犬デジモン。「イエス、マスター」が口癖。
何気に紅茶のブレンドが出来る。 - 藤枝淑乃 (CV:棒読み新垣結衣)
DATのメンバーの一応紅一点ポジションだがあまりに周囲の面子が濃いためスポットが当たらない不遇の人。貴重なツッコミ役。
ピアノが得意だが、その設定はあまり活かされていない。自動車免許を持っているという設定のためだけに18歳にされた説がある。
最初は常識はずれな主人公らに振り回される役割だったが、徐々に感化されたのか、その身ひとつで敵と渡り合ったりするほどにたくましくなった。
五年後は薩摩とともに警察官になっている。 - ララモン (CV:ゆかな)
淑乃のパートナー。パートナーよりヒロインらしい。ギャグなのか本気なのかレズっ気があると思われる節がある。
感情表現豊かな成長期、ネタキャラの成熟期、某八時半頃に出てきそうな完全体とゆかな女史の多彩な表現も堪能できる美味しいキャラ。
究極体はかなりエロい女王様スタイルに進化する。 - イクト (CV:釘宮理恵)
ある意味、真のヒロインと呼べるショタ。ユキダルモンに育てられた野生児。本名は野口郁人。
育った環境の影響で、割と片言で喋る。デジモン野生児なのに主人公より身体能力的に目立たないという宿命を持つ。
最終回では大門知香と良い仲に。 - ファルコモン (CV:神代知衣)
イクトのパートナー兼義理の兄弟。アニメでは「こいつの進化≒敵強化フラグ」と思っていい。
戦闘では、大のせいもあり、空気になりがちな部分が多い。 - 倉田明宏 (CV:菊池正美)
「こいつさえいなければ...」の代表格。ターゲットは違えど、似たようなことをしてるDQNが世界中にいる。
それが力を持ったらどうなるかを体現したのがコイツ。 - 大門小百合 (CV:國府田マリ子)
ぽややんな大ママン。恐ろしいぐらいに母性本能が強い人妻。デジモンが来ようが、野生児が来ようが、
マイペースに家事をこなす主婦の鑑。何、この萌え要素。 - 大門知香 (CV:菊池こころ)
大門家唯一の常識人(当社比)。が、家族が家族なので非常識なことに動じなさ過ぎる(慣れてしまっている)のが玉に瑕。
レギュラークラスでは唯一のロリキャラだが、兄や父並にデジソウルが豊富。デジヴァイス不所持でもデジモンを進化させられるあたり、血筋は争えない。 - ピヨモン (CV:寺田はるひ)
知香にとっては運命の相手というべきデジモン。
旧作を知っている人はピヨモン絡みのエピソードはハンカチが必要になるほど、泣けるシナリオとなっている。アグモンが初めてライズグレイモンに進化するきっかけを作った。
なお、進化の順番は「ピヨモン→アクィラモン→ガルダモン」と、別個体として差別化が図られている。
アナザーミッションに登場するピヨモンとは別個体だが、ゲームではこのピヨモンに関しても触れられている。
後半は正式に知香の力を受けてガルダモンに進化し、大門家の守護者となる。 - 大門英 (CV:郷田ほづみ)
大門家の大黒柱だった人。この人もデジモンを素手で殴り倒せる。しかも、この人の場合対戦相手はほとんど究極体相手である。おいおい研究者だろ、アンタ!
長い間、殴り合いを続けていたから恐ろしい。実はキーパーソン。デジヴァイスをつくったのもこの人。 - バンチョーレオモン (CV:竹本英史)
キーデジモン。なぜなのかは本編を最後まで見てみよう。そして、アニメで重要な位置に建つレオモン一族の
例に漏れず、彼も悲しいフラグを手に持ってあるかなければならない。
デジタルワールドにオンボロ小屋道場を持っている。
最終回では彼の復活に触れられなかった。なんとも哀れな立ち位置である。 - 薩摩廉太郎 (CV:楠大典)
DATSの隊長。グラサンで重たそうな服をいつも着ているオッサン。後半は刑事っぽいコートで登場する。
実はパートナーがロイヤルナイツというすごい人。
冷静な人物であるが、徐々に大門家に毒されてしまった感がある。 - クダモン (CV:葛城七穂)
薩摩のパートナー。メインキャラクター以外では珍しく成長期から究極体までの全ての形態を見せているデジモン。
大に対して非常に手厳しいが、徐々にこの人も毒された感がある。
その正体はスレイプモンで、人間達を監視していたスパイ。しかし人間の味方として登場する。薩摩とは渋いパートナー関係にある。 - 黒崎美樹(CV:永野愛)&白川 恵(CV:埴岡由紀子)
薩摩の部下であるオペレーター。黒崎は売れ残り臭のするちょっとガサツなOL風の、白川は童顔の子供っぽい女性。
後半ではデジヴァイスを持っていることが判明。 - ポーンチェスモン黒・白
ふたりはプリキュ……じゃなくて二匹はデジモン!な、空気デジモン。黒崎と白川のパートナー。
進化してもまったく喋らない。完全体になってようやく名前が双方変わる。 - 湯島浩(CV:チョー)
DATSの所長なのだが、いつも外をブラついているじいさん。一応主人公の導き手なのだが、後半はバンチョーさんにその役を取られる。
まさかのデジモン所持者。 - カメモン(CV:高橋直純)
お茶くみ係、と見せかけて所長である湯島のパートナー。
争いとは無縁な見かけをしておきながら実は人間とデジモンが仲良く暮らせるように、と英パパから送られてきた重要な存在。
進化して完全体になるとお茶くみなんて言えないくらい格好良くなる。究極体もあるが尺の都合で出せなかったという噂。
それにしても中の人はつくづく緑のデジモンに縁があるもんだ。 - ゴツモン (CV:前田健)
脇役だが、どっかのヒロインよりまともに演技していた。当初は敵対して主人公らにちょっかいをかけてくる立ち位置だったが、転生して仲間的な位置に。
関連項目
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