ドゥレッツァ(Durezza)とは、2020年生まれの日本の競走馬である。青鹿毛の牡馬。
生産者はノーザンファーム、馬主はキャロットファーム。美浦・尾関知人厩舎所属。
馬名の由来は「激しさ、厳しさ」という意味の音楽用語。父名からの連想。
暴れん坊は遅れてやってくる
血統
父ドゥラメンテ、母*モアザンセイクリッド、母父More than Readyという血統。父は超良血の2015年のクラシック二冠馬。種牡馬入り後わずか5年で急逝してしまったが、その後産駒が大挙してGⅠを勝利しファンの脳を焼き続けているファンに早世を惜しまれている。
母はオーストラリア産馬で、GⅠニュージーランドオークスを勝利した活躍馬。母父は米国馬で主にダート短距離で活躍。種牡馬としては距離の壁を越え多数の活躍馬を輩出した。母系の血統表には*デインヒルやDanzigなども並んでおり、日米欧が混在した国際色豊かな血統である。
2歳
デビューは2歳9月の中山芝2000m。単勝1.7倍の断然人気に推されたが、二の脚がつかず後方から終始大外を回らされ、直線も伸びきれず3着に敗れる。
2戦目は11月の未勝利戦。ここも2.0倍の1番人気に支持されると、再び大外からの競馬になったが今度は直線でじわじわと差を詰め、先行していたサトノグランツを最後の最後にかわして初勝利を挙げる。
3歳
明け3歳初戦は1月のセントポーリア賞を予定していたが挫石で回避。3月の条件戦も回避となり、結局レースに戻ったのは3歳4月の1勝クラス戦山吹賞。6頭立ての少頭数もあり単勝1.7倍の断然人気。レースはやはり中団から外を回って末脚勝負となり、作戦通りに直線で1頭だけ33秒台のアガリを記録する伸びで突き抜け、1馬身の着差以上に余裕のある勝ち方で2連勝を飾る。
これで一部ではダービー出走を期待する声も上がったが、やはり消耗が厳しかったか陣営はダービーを回避し夏競馬に舵を切る。
復帰戦となったのはダービー翌週の2勝クラス戦ホンコンジョッキークラブトロフィー。初の古馬相手ではあったが単勝1.3倍と完全に一本かぶり。レースはやっぱり中団から外を回って直線ヨーイドン。今度は直線入口の時点で前とかなり離されていたが、上がり3ハロン32秒7というとんでもない末脚で差を詰め、きっちり1馬身差し切って勝利。3連勝を飾る。
約2ヶ月の間隔を空け今度は新潟に転戦し3勝クラス戦日本海Sに出走。ここには同じ3歳で京都新聞杯2着のダノントルネードもいたが本馬が1番人気に支持される。なおこのレースは戸崎圭太が騎乗。
このレースは2枠4番の内枠もあって終始内々での競馬。4コーナーも最内で回り、直線入り口で馬群がばらけた隙を突いて馬場の真ん中に持ち出す。ここから伸びて先行集団からは抜け出したが逃げた2頭がまるで止まらず、脚色が同じになったかと思われたが残り100mでさらにギアが上がり前を急追。ギリギリの競馬にはなったが半馬身差し切って勝利。未勝利戦から4連勝でOPへ昇格する。
陣営はトライアルを飛ばして菊花賞(GⅠ)に直行。皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラ、神戸新聞杯レコード勝ちのサトノグランツが三強の様相を呈する中、本馬は上がり馬ではトップとなる単勝7.3倍の4番人気に支持される。
クリストフ・ルメールに手が戻り、あまりありがたくない大外17番から発進。スタートはまずまずだったが最初の3コーナーを待たずに外から一気に進出、ハナを奪っていくというこれまでにない競馬を始めたもんだから一大事である。そのままペースを握って1000m60秒4と淀みないペースを刻む。
このまま行くつもりか…?と思いきや、2コーナーあたりでスッと3番手に下げて馬の後ろに入れた。垂れたのかと思いきや馬は余裕綽々。これでハナ争いが押し出し合いになったことで、1000m~2000mの通過タイムは64秒1と一気にスローダウンしていたのである。
これで息も入り、このまま2番手で直線に突入。逃げ馬を悠々と抜き去ってあとは独壇場。3番手から上がり最速を使われては後続はどうしようもなく、2着タスティエーラに3馬身半差をつけてゴールイン。圧巻の5連勝でクラシック最後の一冠を手にした。
これで鞍上のルメールはフィエールマン以来5年ぶりの菊花賞3勝目。そして父ドゥラメンテは前週秋華賞を勝ったリバティアイランドに続いて2週連続の産駒GⅠ勝利で、この年の3歳GⅠ7戦のうち5戦をドゥラメンテ産駒が独占する結果となった。
なお重賞初出走での菊花賞勝利は1990年メジロマックイーン以来33年ぶり。また2着タスティエーラ(堀宣行厩舎)、3着ソールオリエンス(手塚貴久厩舎)と関東馬のワンツースリーとなったが、これも菊花賞では1985年(勝ち馬ミホシンザン)以来38年ぶりという珍しい記録もついてきた。
さらにタスティエーラはサトノクラウン産駒、ソールオリエンスはキタサンブラック産駒であり、2015年の春クラシック戦線で競い合った同期3頭の産駒が上位を占める結果。これが同クールに放送中だったキタサンブラックが主役のTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」と重なり「ウマ娘馬券」として話題になった。
4歳
その後有馬記念などには向かわずに年内は休養。4歳は国内中長距離路線を進み、金鯱賞からの天皇賞(春)のローテで挑むこととなった。その金鯱賞は後方からの差し切りを狙うがさらに後ろからめちゃくちゃな末脚で来たプログノーシスの前に5馬身も差をつけられた2着。天皇賞(春)は前目で進めるが熱中症の疑いもあってか力を出せず4コーナーでいっぱいになり勝ち馬から5秒6も離された(タスティエーラからも4秒8差。というか重賞初挑戦の同い年の牝馬ゴールドプリンセスにさえ4秒4おいていかれてしまい、いくら体調不良とはいえ菊花賞馬としての威厳が台無しである)ブービー15着に惨敗(16着はシルヴァーソニック。なおハピが競走中止)となってしまった。
血統表
ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
アドマイヤグルーヴ 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
エアグルーヴ | *トニービン | ||
ダイナカール | |||
*モアザンセイクリッド 2009 青鹿毛 FNo.2-f |
More Than Ready 1997 黒鹿毛 |
*サザンヘイロー | Halo |
Northern Sea | |||
Woodman's Girl | Woodman | ||
Becky Be Good | |||
Danalaga 2000 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | |||
Tamarino | Caerleon | ||
Fruition |
クロス:Halo 4×4(12.50%)、Mr. Prospector 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
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