ショウガタップリ(Shoga Tappuri)とは、2020年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。
馬名意味は「たくさん勝利して賞がもらえるように」、すなわち「賞がたっぷり」である。
「生姜たっぷり」ではない。川田将雅も関係ない。
主な勝ち鞍(全て地方重賞)
2022年:金沢プリンセスカップ、金沢シンデレラカップ、金沢ヤングチャンピオン
2023年:ノトキリシマ賞、石川ダービー、加賀友禅賞、西日本ダービー
獲得したタイトル
2022年:金沢競馬最優秀2歳馬
2023年:金沢競馬最優秀3歳馬
概要
父エスポワールシチー、母ハートフルビコー、母父*ゼンノメイジンという血統。
……ゼンノメイジンis誰?と思った人が大半だと思うが、まあ順に行こう。
父はゴールドアリュール産駒の一番槍として4歳から8歳までマイルを中心にダート戦線の第一線で活躍し、GI級を9勝したダートの猛者。2022年の地方リーディングに輝くなど地方向けダート種牡馬として活躍している。
母は3戦未勝利。14頭の産駒を送り出し、半兄スプリングマン(父ローズキングダム)と全兄ホールドユアハンドがそれぞれ2018年と2019年のクラウンカップ(川崎)を勝利している。14番目の仔となったショウガタップリを産んだ翌日、19歳で死亡した。
で、問題の母父*ゼンノメイジンはWoodman産駒のマル外で、自身は4戦未勝利。なんでそれで種牡馬入りしてんの?という感じだが、母NorthernetteはカナディアンオークスやアメリカG1トップフライトハンデキャップの勝ち馬で、叔父(母の全弟)にはあのStorm Birdがおり、自身の半姉(父Mr. Prospector)にもアメリカのG1馬Scootがいたりする良血ゆえだろう。ちなみに産駒にあの名前だけは有名なキンタマーニがいる。
牝系にもこれといって活躍馬はおらず、総じていかにも地方馬って感じの血統である。
2020年3月27日、浦河町の斉藤政志牧場で誕生。2021年の北海道サマーセールに上場され、300万円からスタートし、410万円で石川県馬主協会に落札された(下記動画の57:05~)。
オーナーは2015年フェアリーS勝ち馬ノットフォーマルなどを所有した芳賀克也。
なお、芳賀オーナーは中央の馬主資格も持っているが、ショウガタップリは石川県馬主協会の競走馬購入事業費補助金制度を利用して落札された馬なので、4歳7月末まで金沢競馬場に出走することが交付規定により義務付けられているようだ。
賞がタップリ
2歳
金沢競馬場・高橋俊之厩舎に入厩。2022年7月10日、ダート900mの新馬戦で沖静男騎手を鞍上にデビュー。まずは逃げて6馬身差の完勝デビューを飾る。なお実況は明らかに「生姜たっぷり」のイントネーションで発音していた。高橋師曰く「『生姜たっぷり』だと、冷奴みたいだよね」。
続く2戦目の若鮎特別(1400m)ではデビュー2戦をともに圧勝してきたマリンデュンデュンが単勝元返しの圧倒的支持を受けており、ショウガタップリはそれに次ぐ5.8倍の2番人気だったが、逃げるマリンデュンデュンを外から3コーナーであっさり抜き去ると、直線では悠々と突き放して4馬身差で完勝。
この勝利で3戦目のサードニクス賞(1400m)では自身が単勝元返しの支持を受け、同じ牝馬のピンクビジョンとマッチレースを演じたが、力の差を見せつけるように2馬身半差で完勝。
続くサファイア賞(1500m)でもピンクビジョンとの対決となったが、今度は後ろから差しにきたピンクビジョンを、余裕で流して1.1倍の支持に応えて逃げ切り勝ち。
4戦4勝で迎えた初重賞の金沢プリンセスカップ(1400m)では他の馬が54kgのところトップハンデ56kgを背負い、スタートは中団からになったが3コーナーでもう先頭に立つと、あとは余裕の3馬身差で楽勝。ちなみにここも2着ピンクビジョン。ピンクビジョンは泣いていいと思う。
続く金沢シンデレラカップ(1500m)ではここまで主戦の沖騎手が怪我で乗れず、大井の矢野貴之騎手がテン乗りとなったが、中団から押し上げていくと、この後中央に転入するキモンアップルを寄せ付けず3/4馬身差で押し切り勝ち。ちなみに現在のところこの3/4馬身差が金沢での最小着差である。
そして金沢の2歳王者決定戦・金沢ヤングチャンピオン(1700m)。ここは鞍上が吉原寛人騎手となったが、大逃げ馬を行かせて2番手集団の外につけると、3コーナーで前を捕まえて先頭に立ち、あとは堂々の4馬身差完勝。
この後は全日本2歳優駿や大井の東京2歳優駿牝馬にも登録していたが、降雪で乗り込めなかったこともあって結局どちらも回避となり2歳シーズンは終了。関東の競馬ファンに姿を見せる機会こそなかったものの、7戦7勝、金沢の怪物牝馬として徐々に注目を集めていくことになる。
3歳
明けて3歳は3月の準重賞・若駒賞(1500m)から始動。沖騎手が鞍上に戻り、単勝元返しの支持に応えて持ったまま3馬身差で楽勝、デビュー8連勝を飾る。
続いて5月の牝馬限定重賞・ノトキリシマ賞(1500m)。好位から進めて4コーナー前で逃げる3番人気スカイピースを捕まえると、そのまま2頭の一騎打ちとなったが、悠々と振り切って快勝。
かくして9戦9勝で迎えたダービーシリーズのトリを飾る石川ダービー(2000m)。初の2000m、鞍上は吉原寛人となり、北日本新聞杯を勝ったノブノビスケッツとの2強対決という感じのオッズになったが、1.3倍の断然の支持を受ける。
そしてレースは好位から進めて3コーナーでもう抜け出すと、最後は吉原騎手がビジョンを見る余裕を見せて横綱相撲の4馬身差圧勝。10戦10勝でダービーを制し、文句のつけようもなく金沢の3歳最強馬の地位に君臨した。
ついでとばかりに沖騎手に戻って中1週で牝馬限定戦の加賀友禅賞(1400m)に向かい、ここも3コーナー先頭で悠々流して押し切る盤石の勝ちパターンで2馬身半差の11連勝を飾る。
一冠目の北日本新聞杯に出なかったので金沢三冠(石川ダービーを含め四冠)も特に関係ないこともあってか、地元で同世代相手にやることがなくなったショウガタップリは、満を持して関東へ遠征。吉原騎手とともに、大井の黒潮盃(南関東SⅡ)に挑むことになった。
米G1サンタアニタダービー2着でKYダービーに挑んだマンダリンヒーローの帰国初戦に、前走の大敗から巻き返しを図る羽田盃・東京ダービー2着のヒーローコールも参戦するヒーロー対決に、金沢の怪物牝馬がいよいよ関東に殴り込みとあって大きな注目を集め、この3頭の3強対決というオッズとなり、ショウガタップリは4.9倍の3番人気に支持される。
しかし金沢の怪物にも南関の壁は高く、レースではマンダリンヒーローとヒーローコールを見る位置で進めたが左右を固められて馬群に揉まれる格好になってしまい、直線でも伸びあぐねて見せ場なく6着。悔しい初黒星を喫した。
連勝は止まってしまったが、金沢の怪物として威信を示すべく、今度は佐賀へ遠征し西日本ダービーに参戦。単勝1.3倍の断然人気に支持されると、レースは好位から進めて3コーナーで先頭に立つ勝ちパターンであとは後ろを歯牙にもかけず、捲土重来の6馬身差圧勝。重賞7勝目を挙げた。
次走はまた関東遠征し、11月の川崎・ロジータ記念(南関東SI)に出走。地方他地区は彼女と岩手3歳クラシック四冠の実績馬、ミニアチュールの2頭で南関牝馬に挑む。それを迎え撃つ南関牝馬は今年の浦和桜花賞勝ち馬で関東オークス4着馬のメイドイットマムにそのメイドイットマムをトライアルで8馬身差圧勝したマテリアルガール、岩手の牝馬重賞留守杯日高賞を勝ったワイズゴールド、東京プリンセスカップ4着のエオリエンヌなどがいた。
西日本ダービーでの快勝や南関牡馬の重賞級相手でもそれなりに走れていたことから3番人気に押されるも黒潮盃同様パドックや本場場入場で興奮してしまい、レースの最中でも引っかかってしまう。
それでも鞍上の吉原騎手は必死に抑え、最後の直線でヨレながらも脚を伸ばして4着フークエンジェルとクビ差の5着に入る。黒潮盃といいロジータ記念といいナイターは苦手なのだろうか。
人気以下の着順となってしまったが輸送や苦手だと思われるナイター競馬、何より南関東とのレベル差を考慮すれば恥ずかしい結果とは言えないだろう。(現にこれまでロジータ記念に遠征した金沢所属馬の中でも最も良い着順である)
2戦続けて南関東馬に敗北してしまったが陣営は挑戦を止めず、ショウガタップリを年末に行われる金沢競馬の中距離路線総決算、中日杯(2000m)に出走させる。
ここには重賞20勝の記録がかかる金沢競馬現役最強馬のハクサンアマゾネスにA級3連勝中のテトラルキア、同じようにA級レースを2連勝(それも圧勝)して来たセブンダートオー、笠松のオータムカップとA1を連勝してきたトランスナショナル、百万石賞3着のサンレイファイト、今年のサラブレッド大賞典を勝ったダイヤモンドラインなどが参戦していた。ショウガタップリはこのメンバーを相手にしても3番人気に押されるも、レースでは中団につけると3コーナー手前で逃げ馬を交わして先頭に立ったハクサンアマゾネスにじわじわと近づくが途中から勢いが落ちてしまい、直線で他馬にぶつけられたことも災いしてしまってか6着に敗れてしまう。(このレースもナイター)
最後は地元戦初めての敗北を喫してしまうがそれでも無敗ダービー制覇や西日本ダービー勝利、3歳馬獲得賞金第一位が評価されて2023年金沢競馬最優秀3歳馬に選出された。
古馬や他地区の馬にはほろ苦い敗北を喫してしまったショウガタップリだが、ピリッと来る強い走りで逆襲してくれると思いたい。
血統表
エスポワールシチー 2005 栗毛 |
ゴールドアリュール 1999 栗毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ニキーヤ | Nureyev | ||
Reluctant Guest | |||
エミネントシチー 1998 鹿毛 |
*ブライアンズタイム | Roberto | |
Kelley's Day | |||
ヘップバーンシチー | *ブレイヴェストローマン | ||
コンパルシチー | |||
ハートフルビコー 2001 鹿毛 FNo.14-b |
*ゼンノメイジン 1994 栗毛 |
Woodman | Mr. Prospector |
*プレイメイト | |||
Northernette | Northern Dancer | ||
South Ocean | |||
*ラブビート 1986 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | |
Flaming Page | |||
Belle Marie | Sadler's Wells | ||
French Gal |
クロス:Northern Dancer 5×4×4(15.63%)、Hail to Reason 5×5(6.25%)
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