ファイアーエムブレムとは、ゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズにおける重要アイテムないし設定である。
概要
『ファイアーエムブレム』といえばSRPGとして有名だが、同名のアイテムや設定が作中で登場する。
第1作目では地竜を封印する封印の盾として登場し、6作目では封印の剣の力を解放する宝玉として登場。
これ以外の作品でも何らかの形で『ファイアーエムブレム』という概念は登場しているが、それが何を指し示すのかはまちまちであり、戦争を左右する具体的・重要なアイテムとして登場する事もあれば、何らかの概念的なものをそう呼んでいる場合、ただ名前が存在するだけで大した意味はないという事もある。
また、別の作品と同一の舞台の外伝作品である場合、他所に存在しているためその作中では全く出てこない、という場合もある。
かつてのFFにおける『クリスタル』のようなポジションであるが、その存在感はまちまちである。そんな歴代のファイアーエムブレムを紹介していこう。
暗黒竜と光の剣・紋章の謎・覚醒
ファイアーエムブレムの原点である。ファイアーエムブレムそのもの。
アカネイア王家に伝わる家宝であり、暗黒竜を討つ鍵となる最重要アイテム。
この盾の所持を許された者は大陸中の財宝を使用する許可が下りる。
しかし、その正体は「封印の盾」と呼ばれるもので、元々はメディウスがナーガの命を受け、ナーガが自らの牙を切り出して作った剣(=ファルシオン)等と共にラーマン神殿で保管されていたものなのだが、ある日人間の盗賊がこれらを奪った上、神官のマムクートたちを皆殺しにされてしまう。
そこからメディウスが人間に絶望し、ドルーア帝国を建国、その後色々あった末暗黒竜本編の話に繋がる。
この「封印の盾」は台座となるファイアーエムブレムに星、光、大地、命、闇の5つの宝玉をはめ込んだものであったが、奪われた後に宝玉は取り外され、売り払われて得た金で結成された軍団を元にアカネイア王国が誕生した。
ちなみに本来の姿を取り戻すと地竜を封印する効果の他、竜族の暴走を抑制する効果を発揮する。
余談になるが、宝箱の解錠が出来る事をよくネタにされる。しかし、身分を持つ者のみ開けられる宝や扉などはファンタジーでも珍しく無い話である。むしろ無許可で宝箱を開ける勇者ご一行こそがおかしいのだ。
外伝・Echoes
作中では一切登場しない。
というのも、あくまで『外伝』は『暗黒竜と光の剣』の外伝として作られたからと考えられる。
本作は、上記の『暗黒竜と光の剣』~『紋章の謎』の間に、アカネイアの隣にあるバレンシア大陸で起きた話である。そのためファイアーエムブレムはアカネイア大陸にはあるはずであり、あくまでバレンシア大陸には存在しないという解釈が正しいか。
聖戦の系譜・トラキア776
炎の神器ファラフレイムを受け継ぐヴェルトマー公爵家の家紋としての登場。
ヴェルトマー家自身は常に戦争の中心に居続けるが、その家紋がキーになっている訳でも戦争を左右する訳でもなくそう呼ばれているだけという設定上の存在でしか無い。
封印の剣・烈火の剣
ベルン王国の至宝である宝玉。これがなければ王位継承の儀を行えない。
封印の剣に嵌め込む事で魔竜を封印するための力が解放される。
宝玉を嵌め込む事で竜を封印する力が解放という設定は『封印の盾』のオマージュかと思われる。
神器の部品である仕様上、『スマブラ』等で目にできる数少ないファイアーエムブレムの一つである。
聖魔の光石
マギ・ヴァル大陸各国に存在する5つの『聖石』、その中でも古の魔王フォデスを封じたグラド帝国の聖石の通称。
グラド帝国皇子リオンはこの聖石の力を使い帝国で遠く無い未来に起こる自然災害から救おうとしたが、その過程で聖石から魔王の魂と闇の力が凝縮された『魔石』が誕生、魔石にリオンは支配されてしまい、すべての聖石を破壊すべく戦争が勃発した。
残念ながら災害を防ぐことは叶わずグラド帝国は大地震によって甚大な被害を受け、エフラムがリオンの遺志を継いでグラドを助けに行くという所で話が終わる。3DSのアンバサダープログラムで配布されたソフトであるため、この展開を覚えているプレイヤーも多いかと思われる。
蒼炎の軌跡・暁の女神
中には邪神が封じられていると言われ、そのメダリオンに触れた者は暴走・凶暴化してしまうというとんでもない代物。
正の気が強い者には何の影響もなく、ミストは握っていても平気だった。
この蒼きファイアーエムブレムが国から国に渡り大陸中を移動する物語、それが蒼炎の軌跡なのだろう。
3年後の世界を描いた『暁の女神』でメダリオンに封じられているものの正体が明かされる。
if
神器『夜刀神』が白夜王国の神器『雷神刀』『風神弓』、暗夜王国の神器『ジークフリート』『ブリュンヒルデ』と共鳴した最終形態『夜刀神・終夜』のこと。
元々は十二の神祖竜が覇権争いをしていたとき、その一人であった「虹の賢者」が他の竜を殺すために両国の4つの神器と一緒に製作されたもの。
ちなみに終夜は神祖竜(≒神)を殺すための物ということもあってか、本当にバラバラにできそうな見た目をしている。(エリーゼ曰く「ちょっと痛そう」)
主人公の愛剣がファイアーエムブレムというのは封印の剣と似ているが、あちらは剣のパーツがファイアーエムブレムというだけなので剣自身がファイアーエムブレムというパターンはこれが初となる。
ちなみに他の者が触れると、宵闇の魔道士曰く「いやあ…ちょっと触んないでくださいよ」的な意思が伝わるらしい。
風花雪月
はるか昔フォドラの大地を見守る女神から英雄たちに授けられ、血によって受け継がれる遺伝的な性質を指して『紋章』と呼称しており、英雄の子孫であることの証であり貴族の証ともなっている。
その中の紋章の一つとして『炎の紋章』が登場する、従って何らかの物品ではなくキャラステータスとして扱われる。
女神ソティスの紋章であり元々は解放王ネメシスに授けられたが、邪神を討ち果たした後に邪に染まり、聖者セイロスによって討たれて断絶した、と言われている。
主人公が士官学校教師となった後調査によってその身に炎の紋章が宿っていることが明らかになり、かつてネメシスが振るった、炎の紋章に呼応する「英雄の遺産」である『天帝の剣』を教団より預けられることとなる。
ゲーム的には「確率で与ダメージの30%HPを回復」という効果を持ち、さらにストーリーが進むと「ごくまれに威力上昇&反撃不可」の効果が加わる。リザイアと合わせて安定した地雷戦法を取ることができる。なお、天帝の剣はシステム上他の英雄の遺産や神聖武器と異なり「主人公専用武器」として扱われる。
エンゲージ
アイテムでありかつ同時に概念でもあると言える。
恐らくこれまでで一番重要なものとして登場し、過去の出来事に起因する遺産ではないため作中でそれが新造されるシーンを見ることができる、という初の事例となる。
今作ではこれまでの歴代主人公(や、チキなどのそれに準ずる者たち)が「紋章士(エムブレム)」、例えばロイなら「封印の紋章士(エムブレム)」というような形である種の神様のようなものとして「紋章士の指輪」「紋章士の腕輪」というものに宿っており、それを装備することで様々な助力を得られる、という世界である。
従って、ファイアーエムブレムもまた同様の性質を持つ者と考えられる。
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