リメイク(Remake)とは、2019年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2022年:カペラステークス(GⅢ)
2023年:クラスターカップ(JpnⅢ)、コリアスプリント(GⅢ)
2024年:リヤドダートスプリント(G3)
概要
父*ラニ、母サリエル、母父キングカメハメハという血統。
父は天皇賞(秋)を勝った牝馬ヘヴンリーロマンスの仔で、2016年のUAEダービーを勝ち、日本調教馬として初めてアメリカ三冠を完走したアメリカ産の「砂のゴールドシップ」。そのクレイジーな気性から、アメリカにも強烈なインパクトを残し、日本よりもむしろアメリカで知名度があるという馬である。リメイクは初年度産駒の1頭。
母は2009年の阪神JFにも出走(15着)したが、その後は芝ダートの短距離を走って27戦4勝の条件馬で終えた。リメイクは第6仔。
母父は言わずと知れた非サンデー系筆頭の大種牡馬。
2019年4月18日、新冠町のノースヒルズで誕生。オーナーはノースヒルズ代表の前田幸治。
所属は栗東・新谷功一厩舎。気性は父のそれを受け継いでか、かなり負けん気が強く、見慣れない人間がいるといなないて威嚇するらしい。担当の榊原丈厩務員曰く「怒り過ぎると逆ギレして、まるで手がつけられなくなるからな。ヤンキーや」とのことだが、走ることに対しては真面目だそうである。
馬名意味は「作り直す」。
天空より天使が世界を造り直す
2歳~3歳(2021年~2022年)
2021年10月2日、中京・ダート1400mの新馬戦で鮫島克駿を鞍上にデビューしたリメイク。未知数のラニ産駒ということもあってか11.2倍の6番人気と微妙な評価だったが、2番手追走から楽な手応えで直線で抜け出すと、あとは後続を思うままぶっちぎって8馬身差の圧勝。ラニ産駒のJRA初勝利を飾る。
しかしこの頃はまだ気性が幼かったせいもあってか、すんなり連勝とはいかず、続く阪神・ダート1400mのなでしこ賞(1勝クラス)ではあまり見せ場なく、後の重賞2勝馬セキフウの5着。
3ヶ月休んで3歳となり、新馬戦と同条件の平場1勝クラスで和田竜二を鞍上に復帰したものの、馬群で掛かってしまい、最後にいい脚は見せたものの3着まで。
中1週で向かった2月の東京・ダート1400mの1勝クラスでは、横山武史を迎えて1.7倍の断然人気に支持され、2番手追走から直線あっさり抜け出すと2馬身半差で楽勝、2勝目を挙げる。
これで昇竜ステークス(OP)に向かったリメイク。ここから主戦は現役終盤を迎えていた福永祐一となる。3.3倍の3番人気だったが、3番手の好位先行から2番人気ジレトールをあっさりと振り落として2馬身半差の快勝。福永は「まだまだ荒削りでこれからの馬ですけど将来楽しみです」とコメント。
続いて向かった端午ステークス(OP)では3.1倍の1番人気に支持されると、福永祐一は今後の距離延長を見据えて前の馬群の中で我慢させるレースを選択。今度はしっかり折り合ってレースを進めたリメイクは、直線残り200mから鋭く加速して一気に抜け出し2馬身差で完勝。3連勝で一気にダート短距離の期待の星となる。
ここまでずっと1400mを走っていたリメイクだったが、この勢いに乗って初のマイル戦となるユニコーンステークス(GⅢ)へ。3.7倍の1番人気に支持され、中団から直線外に出して差し切りを図ったが、最後に脚が止まり6着敗戦。福永も「あと100メートルで止まってしまった」とのコメントで、レース内容ではなく距離適性の問題だと感じさせる負け方であった。
というわけですっぱりマイルを諦めて短距離路線に進むことになり、古馬相手となる盛岡のクラスターカップ(JpnⅢ)に参戦。川田将雅を鞍上に迎え、斤量51kgということもあって断然の1番人気に支持されていた……のだが、出走直前に馬体故障(左飛節フレグモーネ)であえなく競走除外となってしまった。せっかく川田が51kgまで絞ったのに……。
気を取り直し、翌9月の浦和・オーバルスプリント(JpnⅢ)へ。鞍上は福永に戻った。今年重賞2勝のシャマル、地元浦和のティーズダンクに次ぐ3番人気。4番手でシャマルを前に見ながら進めて、先に抜け出したシャマルを捕まえにかかったが、そのまま振り切られてしまい2着。とはいえ福永は初の小回り、コーナー4つのコースに対応できたことに手応えを感じていた。
JBCスプリントには賞金不足で出られず、一休みして年末のカペラステークス(GⅢ)へ。古豪リュウノユキナに次ぐ5.2倍の2番人気だったが、今度はハイペースの展開に対して後方からレースを進めると、直線で大外から末脚一閃、他の馬が止まって見えるレベルのとんでもない脚で一気に差し切り、ぶっちぎりの上がり最速35秒1を叩き出して4馬身差で圧勝。重賞初制覇を飾る。
調教師試験に合格し翌年2月での引退が決まっていた福永は珍しく鞍上でガッツポーズ。昇竜Sからじっくり競馬を教えてきたことが実を結び、どんな競馬もできるようになったことで、これで安心して他の騎手に任せられるという確信を抱いたのだそうである。そして福永にとって、これが騎手として最後のJRA重賞制覇となった。
4歳(2023年)
明けて4歳、カペラSの勝利でリヤドダートスプリント(G3)の優先出走権を得たリメイクは、勇躍サウジアラビアへと渡った。鞍上の福永祐一はこれが正真正銘の現役最終騎乗。ラストライドを勝利で飾るべく挑んだが、さすがにアメリカ短距離王Elite Powerに出てこられては相手が悪い。後方から追い込んだものの格の違いを見せ付けられての3着。福永は「悔いのない騎乗が出来ました」と言ってステッキを置いた。
福永は去ってもリメイクの戦いは続く。そのままドバイに転戦し、ドバイゴールデンシャヒーン(G1)に参戦。鞍上には新たに武豊を迎えたが、スタートで立ち上がり気味になってしまい出遅れ、最後方からのレースとなり、直線追い込んだものの5着まで。
帰国後は3ヶ月ほど休み、プロキオンステークス(GⅢ)から復帰。主戦はここから川田将雅となる。2.0倍の1番人気に支持され、4~5番手の好位で進めて直線外からすんなりと抜け出す王道の勝ちパターン。あとは前で逃げ粘っているデカい馬をかわすだけ……と思いきや、その2番人気ドンフランキーを捕まえきれず2着。3着は6馬身突き放したので、単純に力の抜けた馬がもう1頭いたという話であった。
続いて昨年除外になったクラスターカップ(JpnⅢ)。ここでもまたドンフランキーとの顔合わせとなったが、1.6倍の断然人気に支持される。レースは中団のインで進めると、4コーナーから一気に進出。内を突いてあっさりとドンフランキーをかわし、あとは突き放して2馬身半差で快勝。上がり3ハロン33秒5、コースレコードにコンマ1秒差というタイムを叩きだし、きっちり前走のリベンジを果たして重賞2勝目を挙げる。
その後はシャマルが辞退したコリアスプリント(GⅢ)の招待が届き、受諾しバスラットレオンとともに韓国へ。中団でレースを進めると、ノーステッキのまま進出し、そのままあっさりと残り200mで抜け出してコースレコードで4馬身差の快勝。日本のダート短距離トップ層として韓国競馬に力の差を見せつけた。
そして帰国し迎えた大一番・JBCスプリント(JpnⅠ)。ドンフランキーは不在で、相手関係は既に昨年のカペラSで完勝しているリュウノユキナ、兵庫総大将イグナイター、どう考えても1200mは短いバスラットレオン、前年覇者ながら7歳で衰えも見えているダンシングプリンスといった面々。川田将雅がブリーダーズカップで渡米したため、鞍上は武豊の予定だったが、負傷離脱のため大井の御神本訓史のテン乗りとなった。とはいえ、さすがにこのメンバー相手なら固いだろうと、単勝1.2倍という断然人気に支持された。ところが……。
スタート直後、大外のダンシングプリンスが躓いて落馬、競走中止。カラ馬になったダンシングプリンスが馬群に寄ってきて、中団のリメイクの横を通り過ぎてリュウノユキナやケイアイドリーに絡んでいく。そんな中、直線で外に出して上がり最速で追い込んだリメイクだったが、2番手先行から先に抜け出したイグナイターが止まらず、そのまま1馬身半差振り切られて2着に敗れた。無念。
5歳(2024年)
明けて5歳初戦は今年もサウジに渡り、リヤドダートスプリント(G3)へ。鞍上には川田が戻った。スタートから馬なりで中団に構えたリメイクは、ハイペースの流れをインに寄せていきながらスムーズに追走。持ったまま抜群の手応えで直線を向くと外へ持ち出し、川田将雅のゴーサインに答えて一気に加速。前で粘るSkellyをあっさりとかわして突き抜け完勝。昨年のリベンジを果たして重賞4勝目を挙げ、ビッグタイトル獲りへ視界良好といった感じの勝利であった。
ちなみに英語実況はリメイクのウイニングランの最中「ラニ!wwww父ラニwwwwwベルモントSのwwwwwww」と大喜びしていた。親父どんだけ向こうで愛されてんねん。
そのまま昨年同様ドバイへ向かい、川田とともにドバイゴールデンシャヒーン(G1)へ、ライバルのイグナイターやドンフランキーと一緒に参戦。前走の勝ちっぷりから海外ブックメーカーでも1番人気に支持された。
レースはスタートで挟まれてしまい後方から。ドンフランキーと地元勢のTuz、Color Upの3頭がハイペースで引っぱる流れを後方のインに構える。直線で外に進路を確保して追い込み態勢に入ったが、力尽きて失速したColor Upが急に垂れてきて、それを避けようとしたイグナイターの斜行で集団玉突き事故が発生。リメイクもその煽りで外に弾かれてしまう。まあ、これが無くても2番手から残り200mで一気に突き抜けて6馬身半ぶっちぎったTuzには到底届かなかっただろうが、ドンフランキーにも届かず、外にいた海外2番人気Nakatomiとの追い比べにも競り負けて4着。スタートで挟まれてしまった時点で勝負ありという感じで、先輩追い込み馬レッドルゼルもそうだったが、前のめりの展開になりがちな海外ダートスプリントを後方から勝つことの困難さを感じさせるレースであった。
血統表
*ラニ 2013 芦毛 |
Tapit 2001 芦毛 |
Pulpit | A.P. Indy |
Preach | |||
Tap Your Heels | Unbridled | ||
Ruby Slippers | |||
ヘヴンリーロマンス 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | |||
*ファーストアクト | Sadler's Wells | ||
Arkadina | |||
サリエル 2007 鹿毛 FNo.14-f |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
シンコウノビー 1995 栗毛 |
Nashwan | Blushing Groom | |
Height of Fashion | |||
Christabelle | Northern Dancer | ||
Where You Lead |
クロス:Northern Dancer 5×4(9.38%)、Mr. Prospector 5×4(9.38%)、Raise a Native 5×5(6.25%)
関連動画
関連リンク
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- クールフォルテ
- ドウデュース
- イクイノックス
- ナミュール
- トーセンヴァンノ
- スターズオンアース
- ジオグリフ
- ノットゥルノ
- ルクセンブルク(競走馬)
- アスクビクターモア
- スタニングローズ
- ヴァレーデラルナ
- ペイシャエス
- トウシンマカオ
- ウインマーベル
- ナムラクレア
- グランブリッジ
- ケウ
- ジャスティンパレス
- ドンフランキー
- テイエムスパーダ
- ウィルソンテソーロ
- アーテルアストレア
- ジュンコ
- スピーディキック
- マッドクール
▶もっと見る
- 7
- 0pt