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本記事では、『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズにおいて、月読調が行ったヨーヨートリックについて解説する。
概要
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月読調は、回転ノコギリの聖遺物「紅刃シュルシャガナ」を用いて戦うシンフォギア装者である。
第3期『戦姫絶唱シンフォギアGX』からは、ヨーヨーとしての機能も加わった。
彼女は物理法則を無視したぶっ飛び必殺技を多数駆使するが、現実のヨーヨー界は、物理法則に従ったままぶっ飛びトリックが日夜考案されており、それを実現するぶっ飛びヨーヨーも多数発売されている。
そして、作画自体がかなり研究されており、他のアニメではいい加減に描かれがちな点を忠実に再現している。
そのため、頑張れば、または機種によっては調のトリックを再現できることもある。
本記事では、劇中で調が行ったヨーヨートリックを、現実に即して解説する。
全般
変身バンクは実際のヨーヨー動画を参考にしているか、ヨーヨーで遊んだ世代が作画していると思われ、以下の点が現実に忠実である。
- ストリングプレイ主体だがルーピングプレイもやるという特徴から、ヨーヨーの形状がセイバーウイング(ステルスファイヤー)形である。
- ストリングを中指に取り付けている。(戦闘時は手首から出ている)
- ヨーヨーを手の甲の方向に投げ出している。言い換えれば、手の向きは手の甲が投げ出す方向を向いていているようにしている。
一方、シンフォギアの奇跡によりジャイロ効果はほぼ無視されており、縦に回転しているヨーヨーが横に周回したり、ストリングに対して横向きにヨーヨーが乗っていたりする。
トリック一覧
以下に、調が行った技のうち、全部または一部が再現可能と思われるトリックを記す。
第4期の変身バンクを除き、実在のヨーヨートリックを参考にしたかどうかは不明である。
現実のトリック・機種の詳細は、「→」の先のリンク先を参照(ないものはこれから作ります)。
通常戦闘
→フォワード・パス
→アラウンド・ザ・ワールド(ヨーヨー)
→ウォーク・ザ・ドッグ
→スラック(ヨーヨー)
→バインド(ヨーヨー)
ヨーヨーを武器にする他のアニメと同様、通常戦闘では「ただ投げて、引き戻す」という「パス」系統の動きを中心に行っている。
それ以外のトリックも、ハイパーヨーヨーを経験していればルーピング・スリーピングトリックとしておなじみのものばかりである。
90年代までに存在しない動きとして「ヨーヨーを投げ出したときにストリングがたるんでいる」というものがあるが、これは2000年代に登場した「スラック」という動きである。
しかし、スラックできるヨーヨーは普通に引いても戻ってこないので、「バインド」という技で戻す必要がある。今のところ、『シンフォギア』では行っている様子はなく、バインド仕様と引き戻し仕様を任意に切り替えることができるようだ。
β式・巨円断
→エクストリームプレイ
→ハブスタック
→ダンカン・マグネチュード
巨大化に目をつぶれば、実は『シンフォギア』の必殺技のうち、再現が楽なものの一つである。
中心部にネオジム磁石を搭載した「ダンカン・マグネチュード」という機種が存在する。
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これの黒(S極)・赤(N極)を横に並べることで、自動的に合体する。磁石部分はヨーヨーとは別に回転する(ハブスタック)ため、このまま回転させ続けることが可能。「ウォーク・ザ・ドッグ(犬の散歩)」もできる。
問題は、本機がすでに絶版である上に、メタルヨーヨーでこんな技やったら塗装がハゲるためコレクター的に嫌なことである。
戦姫絶唱シンフォギアGX
変身バンク
スリーパー
ヨーヨーを上から振り下ろすと、ストリングの先端で空回りする。
競技ヨーヨーにおいて、基礎中の基礎トリック。
通常はそのまま手を引いてキャッチするが、変身バンクでは前に振ってキャッチしている。
なお、本トリックは掌の向きが重要で、下向きにスリープする場合は、掌を上に向けて振り下ろし、掌を下に向けてキャッチする(そうしないと巻き方向が逆になる)。
このバンクでは、投げ出しは現実通りだが、キャッチ時に掌を上に向けている。これは、「フォワード・パス」の動画を見ながら作画したためと推測できる。
ツーハンドストリングコンボ
2個のヨーヨーを用いてのストリングプレイは実在し、「3A部門」という独立した部門になっている。
調のトリックの1つ目は、ストリングとヨーヨーの向きが揃っていなかったり、空中で折れ曲がっているストリングが存在するため、完全再現は不可能である。
しかしながら、「アラウンド・ザ・ワールド」をしながらストリングを絡ませるなど、微妙に現実に近い動きをしており、全体的にはシングルハンドの「ショルダー・トラピーズ(第1期ハイパーヨーヨーでは『ワンハンド・トラピーズ』)」に近いトリックになっている。ストリングが浮いているのは、作画スタッフが元になった映像を見間違えたか、絵作りのためにアレンジしている可能性がある。
2つ目は、1つ目のトリックからヨーヨーを跳ね上げ、カメラがそちらに向いている内に後ろを向いて別の形を作る。比較的現実的な動きだが、再現可能かどうかは検証の必要がある。
実現できたとしても、前のヨーヨーが横のヨーヨーと違う向きになっているため難易度は高いだろう。
「アラウンド・ザ・ワールド」で始めているので、キャッチ時は掌を上に向ける。これは現実通り作画されている。
なお、「ストリングプレイスパイダーベイビー」というコメントが飛んでいるが、違う。
戦姫絶唱シンフォギアAXZ
変身バンク
初めて、元ネタが明確な動きが登場した。
元ネタと思われるのは、バンダイボーイズトイ事業部公式チャンネルにおけるこちらの動画。
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演者は、2010/2015年AP部門世界チャンピオンの「SHAQLER」。
レッグラップ・ピンホイール
→ラップ(ヨーヨー)
→ピンホイール
太ももにヨーヨーを巻き付け(レッグラップまたはサイラップ)、ストリングの先端を回す(ピンホイール)トリック。ルーピングプレイに分類される。
元ネタでの演者はジョン・アンドウ(トップスピナー・リュージ)。
使用機種は「ハイパークラスター・スピードファルコン」。
ビハインド・ザ・バック・ボヨンボヨン
第1期ハイパーヨーヨー末期の技「ボヨンボヨン」を、背中側で行うトリック。
これの「ブレインツイスター」バージョンは、中村名人の得意技として有名。
ふざけた技名だが、JYYA/JYYF共にこのトリック名が用いられている(英語でもBoing-E-Boingy)。
ただし、第3期ハイパーヨーヨーでは「テレポーテーション」となっている。
通常の「ボヨンボヨン」をマスターしていても、背中側にヨーヨーが回っていると非常に見えづらく、ヨーヨーと跳ねるストリングを一直線にするのは至難の業である。
元ネタでの演者は高田柊。
使用機種は「ヨーヨーファクトリー・アストロフライ」。
ブレスト・ループ
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水平に行う「パンチング・バッグ」。
1998年世界チャンピオン・永瀬巧のシグネイチャートリックである。
元ネタでの演者はSHAQLERメンバー(当時)全員。
使用機種は「ヨメガ・レイダーEX(スパイラルジャガー)」。
ラリアート
ヨーヨーを水平に回し、ストリングをはためかせるトリック。
公式戦では加点対象にならないヨリ調整専用のトリックである。
「フライング・ソーサー(UFO、コークボトル)」との違いは、ストリングをつまむかどうか。
はためくストリングをズボンなどに当てて音を立てると「ラトルスネイク」というトリックになる。
元ネタでの演者は山田篤と思われる。ただし調はダブルハンドで行っている。
使用機種は「ヨメガ・レイダーEX(スパイラルジャガー)」。
戦姫絶唱シンフォギアXV
変身バンク
第3話より公開。今回はフィギュアスケートの動きが中心。
しかし、「日本チャンピオンの動きを元にした」動きがあると公式に発表されている。
フィギュアスケートとの組み合わせ
フィギュアスケートを嗜むヨーヨープレイヤーにより(スケートリンクの了解を取った上で)研究が進められている。
ホームラン
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→ウォーク・ザ・ドッグ
→アラウンド・ザ・ワールド(ヨーヨー)
ヨーヨーを転がしながら周回させるトリック。ヨーヨーを武器とするキャラクターの中では珍しく、「ホームラン」が多用される。
チェスト・グラインド
フィギュアスケートの「レイバック(イナバウアーとするのは誤り)」の状態でヨーヨーを体に載せ、太ももから胸にかけて転がしていくトリック。
現実では、2003年にジョニー・デヴァリェが開発した各種グラインドトリックの一つ(上記動画2:45頃)。
調がヨーヨーを縦に走らせるのに対し、現実では横に走らせるという違いはあるものの、共に繊細な動きと鍛え上げられし大胸筋を両立させて初めてできる技である。
フェイス面の風車状パーツ
蓋がパカっと開くのは、もちろん『スケバン刑事』のオマージュ。
中で風車のようなものが回転しているのは、『仮面ライダーV3』のダブルタイフーンを意識したものか。
競技機種では少ないが、100円ショップで売っているような格安ヨーヨーの中に、サイドキャップが独立して回転するものが存在する。
競技ヨーヨーにも「ハブスタック」という機構のうち、一部にこれに似たものが存在する。
ビハインド・ザ・バック・ソロハム・レール
一瞬なので見づらいが、ヨーヨーがストリングから離れる「オフストリング」という状態にしている。
2個のヨーヨーを、ストリングを外した状態で投げ出し、背中に張ったストリングで受け止める。
そのまま体の後ろで周回させ「ソロハム」の状態にしながら体の反対側に持っていき、跳ね上げる。
今回の変身バンクで、ここが最も現実に近い動きをしているため、「日本チャンピオンを元にした」部分はここと思われる。
ソロハムをビハインドで行える人物は限られるため、候補者はある程度絞られる。
アニメの制作時期を考えると、2018年ワールドヨーヨーコンテストにおける三浦元の演技が最も近い。
(上記動画12:52付近)
見てのとおり、日本チャンピオンどころか世界チャンピオンである。
三浦は「4A部門の全国チャンピオン」にだけはなったことがないので「日本チャンピオン」というのは厳密には誤りとなる。しかし、そこで「三浦選手は3A部門の…しかし4A部門では…」などと言おうものなら、一般人から「京浜東北線などない」とまくしたてる鉄ヲタの如き目で見られるため、唇を噛んで俯くのである。
詳しくは「三浦元」の記事を参照していただきたいが、三浦は3A部門地区・全国・アジア・世界チャンピオンで、4A部門地区・アジア・世界チャンピオンである。調の動きが採用されている「4A部門」だけ「全国チャンピオン」の肩書が抜けている。
2話
グラウンド・トップオン
→トップオン
→ウォーク・ザ・ドッグ の記事内「ホームラン」の項
ヨーヨーから軸が生え、コマのようにするトリック。
「ハイパーヨーヨーからベイブレードに転向か?」と言われているが、れっきとしたヨーヨーのトリックである。
現在「トップオン」と呼ばれるトリックは、ヨーヨー側面のへこみ部分を指の上に載せるトリックだが、90年代末-2000年頃、ヨーヨーの軸がコマのように飛び出している機種が発売されたことがあり、それらで「ホームラン」を行うと、地上でのトップオンが可能である(名前がついていないので、「グラウンド・トップオン」は仮名)。
また、スピントップと兼用できたり、切り替えられるヨーヨーも存在する。
なお、ヨーヨーの「ホームラン」は、ダイヤモンドを一周する動きを模して、地上で円形または半円形を描くトリックである。ヨーヨーをイガリマでかっ飛ばすトリックではない。
以下に、再現できる機種を列挙する。
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10話
相変わらずパス系とウォーク・ザ・ドッグ系が中心。
シュルシャガナ・イガリマのアマルガムモードが解禁。
シュルシャガナは盾のような形になったが、ヨーヨーとしての機能は引き続き有する。
なお、イガリマにもストリングがつくようになり、ヨーヨーのトリックが可能になった。
現実の公式戦では、「ヨーヨーのトリック」には定義があるが「ヨーヨーという物体」に定義はなく、いかなる形状/材質であろうと、「巻いたストリングがほどけることで回転が与えられ、回転の運動エネルギーで手元に戻る」のであれば、それはヨーヨーである。
したがって、アマルガムモードのイガリマはヨーヨーである。
変形
調を模したロボットのような姿に変形。
ロボットに変形できるヨーヨーは実在しないが、バイクに変形するヨーヨーは実在する。
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操作時の手の形状
ストリングであやとりのように形をつくる「ピクチャートリック」を行っている。
ヨーヨーの状態と無関係にトリックが作れるために採用されたものと思われる。
現実の公式戦ではそれゆえに「あやとりの技であってヨーヨーの技ではない」とみなされており、マウントを伴わない限り得点にはならない。
ビハインド・バー
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ストリングをすだれ状に手繰り寄せ、鉄格子を表現するトリック。
横倒しのものは「ブラインド」とすることも。
タワー(1段階目)
いわゆる「トウキョウタワー」。
トラバサミモード時、切歌側のストリングの形。
フリーハンド親指と人差し指でヨーヨーをひっかけている。
ここから手を返してストリングを交差させ、三角形の底辺からストリングを引っ張り出すと、おなじみの「トウキョウタワー」になる。
スター(2段階目)
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ヨーヨー古典技の「スター」には2種類あるが、こちらは両手を使う「ツーハンド・スター」。
ストリングを5本の指にひっかけて星を作るが、調のものは2段階目まで行った形。
スリングショット
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トラバサミを引き戻すとき、調のみが行っているストリングの形。
親指と人差し指の間からストリングを引っ張り出し、パチンコのような形状を作る。
現実では、手を離すとヨーヨーの重みでストリングが短くなる仕掛けである。
ポリフィリム鋏恋夢
ヨーヨーが「噛みつく」技としては「ドッグバイト」がある。
ヨーヨーの溝に服のすそなどを巻き込ませる技であり、トラバサミに変形する必要も2人で行う必要もない。
現実ではパフォーマンス用に研究が進められており、テーブルクロス引きや洗濯もの取り込みなどを行うパフォーマーが増えている。
中に「犬」が入っているヨーヨーには、「ヨメガ・キャラブレイン」がある。
これは「ヨメガ・パワーブレイン」の中にキャラクターフィギュアが入っているものであり、このなかに「パラッパラッパー」のパラッパが入っているバージョンがある。
戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED
β式・廻旋波
ツーハンド・ウォーク・ザ・ドッグ→ツーハンド・フォワード・パス
アニメ版の通常技で頻出。
終β式・縛戒斬鋼
ツーハンド・フォワード・パス
同上。
β式・超巨円投断
フォワード・パス・マウント→オープンウィップ
ヨーヨーを真上に上げた後ストリングが外れるのは、もとからストリングを取り付けていない「オフストリング」というトリック。なぜ手元に戻るのかと思うかもしれないが、上記動画のように投げ縄の要領で素早く軸に巻き付けると戻すことができるのである。
非常Σ式・禁月輪
バックフリップ・アラウンド・ザ・ワールド
(10:25)
「アラウンド・ザ・ワールド」と同時に自分もバック宙するトリック。
動画の通り、現実では高田柊のシグネイチャートリック。
β式・螺旋烈衝斬
ストリングを使用せず、投げているだけなのでヨーヨーのトリックではない。
殺Χ式・裂風残車輪
風車手裏剣を投げる技なのでヨーヨーではないが、ヨーヨーの方に、手裏剣を摸した「ニンジャ・スター」というトリックが存在する。
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殺Χ式・灑掃幻泡波
モップ状のヨーヨーを投げる。実はほぼそのままの形状の「yoyo mop」が実在する。
ゴム紐タイプのものもあり、石けん液をつけてぶつけてやることも出来る。
ヨーヨー形スポンジも実在する。ひもを巻き付けるのではなく、一方を手で掴みやすくするものである。
θ式・パステルパレット
フォワード・パス
同上。
ベーシスト
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後半のベースを弾く技もトリックとして存在する。見ての通りストリングで弾く真似をするだけ。
スローダウン(斜め後ろ)
待機モーション。
嘆きのドールハウス
トラピーズ
待機モーション。ハイパーヨーヨーでは「ムーンサルト」という。
戦姫完食シンフォギア~調めし~
1話
ブッダ・スリーパー(ハブスタック・スリーパー)
23ページ。
掴んだヨーヨーからストリングを引っ張り出しているが、これは側面の黒い部分が独立して回る構造になっている(ハブスタック)ヨーヨーで可能なトリック。
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ヨーヨーのストリングは、現在ポリエステル製が主流なのでお好み焼きを切ろうと思えば切れる。ただし何かを切るには太いので、あまり切れ味はよくないと思われる。ナイロン製ならもう少し楽だろうがもったいないので使いたくない。
関連動画
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関連リンク
関連項目
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