東海地震は駿河湾に存在する凹み「駿河トラフ」(フィリピン海プレート・ユーラシアプレートの境界にある南海トラフの一部)で発生する海溝型地震である。最近発生が懸念されている地震の一つである。ここでは今まで起きた東海地震及びこれから起きるかもしれない東海地震について記述する。尚、過去の地震は現在の東南海地震の部分も含む。
今までの東海地震
白鳳地震
被害記録は現在の南海地震と思われるが、地質調査により東海・東南海地震も同時期に発生したと思われる。この地震の翌年、信濃国(長野県)で火山灰が降り積もったと言われている。おそらくこの地震により富士山または伊豆大島の火山活動が活発化したと推測される。
仁和地震
南海地震とほぼ同時期に活動。震源に五畿七道と書かれているがこれは昔でいう日本全国を指している。それほど規模が大きかったと言われている。
永長東海地震
この地震により駿河国にて住宅など400戸あまりが流され、多くの死傷者を出したといわれている。なお、この地震による誘発巨大地震はなかった。
明応東海地震
津波の被害がかなり大きく、伊勢大湊で家屋1000戸・死者5000人、伊勢志摩にて死者1万人、駿河にて2万6千人など多くの死者を出した。
慶長大地震
地震の揺れはあまりなかったが、太平洋沿岸部の広い範囲にわたって津波被害を出した。タイプとしては明治三陸地震のような地震であった。この地震による被害は、八丈島で死者57名、紀伊半島西岸広村で住宅など700戸が流失などとなっている。
宝永大地震
- 発生日時:1707年(宝永4年)10月28日
- 地震規模:M8.6(東北地方太平洋沖地震発生前まで日本最大級の地震であった)
- 地震の種類:海溝型
- 最大震度(推定):6(三重県にて)
- 津波:尾鷲(8~10m)と推定
南海地震と連動して発生したとみられる。因みに、現在の東海地震の領域は発生していなく、東南海地震の領域のみ発生したという見解もある。なおこの地震から49日過ぎたころに富士山が噴火し、江戸にて大量の火山灰が降ったといわれている。(8億㎥ほど降り積もったと推定されている) なおこのときの噴火により宝永山ができた。
安政東海地震
この地震により津波が発生し、主に天竜川河口(特に被害が大きかったところ)などで町全体が押し流されたと言われている。なおこの地震から34時間過ぎた頃に安政南海地震が発生している。
予測される想定東海地震について
安政東海地震以降、駿河トラフの東海地震は闇の中に身を潜め、ひそかにエネルギーを蓄え続けている。想定東海地震だけの領域が断層破壊することは歴史上や地質調査では発見されてないが、その期間があまりにも長いことからいつおきても可笑しくない状況にあるという。気象庁によるとこれから発生する東海地震は以下のようになると予測されている。
- 地震規模:M8
- 推定最大震度:7(山梨県・静岡県の複数の地域で)
- 津波:高いところで10m もしくはそれ以上の津波が来ると推定
- 推定死者:大よそ1万人
- 発生確率:88%(周期を118年と仮定した場合)
この地震では津波被害のほか、二次災害の原発事故も懸念されている。駿河湾沿いには中部電力浜岡原子力発電所が存在しており、この原発が被害を受けた場合、広範囲にわたって放射性物質が飛散すると予測されている。(政府御用達の学者指導により建設された原発は正直言って脆い)
また、2030,40年代前後まで東海地震が発生しなかった場合、前回の昭和東南海地震では東海地震の領域が断層破壊しておらず、東南海地震に誘発される可能性が高いと言われている(安政型東海地震)。その場合は想定M8.4程度とされる。
また、東海・東南海地震が発生し、南海地震が同時に連動しなかった場合、南海地震も数時間から数年以内に発生する確率が高い。逆に南海地震が発生し、東南海地震・東海地震と同時に連動しなかった場合、その後東南海地震、更には東海地震が数時間から数年以内に発生する確率が高くなると言われている。
また、東海・東南海・南海地震すべての領域がほぼ同時に発生する可能性もある(宝永型東海地震)。その場合は想定M8.6程度である。 また、1498年日向灘地震では南海地震の領域も断層破壊が起きていたことも示唆されており、以下の超東海地震の発生もありうるとされている。
東海地震の領域は発生周期が不明なことから、次も東南海・南海地震のみの可能性も一応ある。
超東海地震
なお、今度予測される東海地震が1500年周期でやってくる超東海地震であるという説もある。超東海地震の場合、地殻変動や震源域がかなり拡大することから広範囲にいて被害が及ぶ可能性があるといわれている。なお、超東海地震の場合以下のようになる。
- 地震規模:M9.0クラス
- 推定最大震度:7(静岡県をはじめ山梨県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県など)
- 震源域:駿河湾から日向灘(さらに越えて南西諸島沖にも達する可能性がある。)
- 津波:東日本大震災で発生した津波を越える可能性がある。
- 地殻変動:宝永型東海地震の3倍
東日本大震災と同様、海溝付近の震源が浅いプレート間地震と、従来の宝永型東海地震が同時に発生したこの程度とされている。また南西諸島沖付近まで震源域が延びた場合、さらなる被害が予測されている。予測される地震のためにも、日頃防災意識を高めておくことが必要となってくる。
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