空手の恵子とは、壽賀田橋子著の小説またはそれを原作としたドラマである。
略称は、空恵(からけい)。
概要
主人公の進藤恵子(しんどうけいこ)は、駒戸空手道場に通う以外はごく普通の小学4年生。ある日、突如現れた謎の格闘家「ムエタイX」の道場破りによって道場を壊滅されられてしまう。師範の駒戸明斗(こまどめいと)は、自らの必殺技「駒戸地獄突き」を恵子に託し息絶える。
古萬堂:「空手の恵子公式資料集」より
毎週日曜日午後7:30にTB○系列で放送されている。初回と最終回は2時間スペシャルなのは当たり前である。
空手を題材としたドラマとしては10年以上続く大人気シリーズであり、現在は旧シリーズ終了に伴い第2シリーズが放映されている。また、劇場版作品6本、TVスペシャル36本が制作されるなどとまさに国民的ドラマと言えよう。さらに、日本国内だけで無く世界42ヶ国で放送されている。海外では"Karate Warrior Keiko"の名で親しまれ、バル・ベルデにおいては空前の空手ブームを巻き起こした。もちろん放送時間帯は現地時間の日曜午後7:30で決まりなのは言うまでも無い。
ちなみに、シリーズ中最高の視聴率は、シーズン4<死闘!亜米利加編>最終話「さらば亜米利加!」の65.6%であり、シリーズ平均視聴率は45.3%である。この時代にこんな視聴率を出すドラマは他に無いだろう。
登場人物
- 進藤恵子(しんどう けいこ)
駒戸空手道場に通う小学4年生。空手を始めたのは5歳のころからだが、その当時は体が弱かった。
ところが、空手によって虚弱体質を克服し小学3年生の時には地区大会で優勝する程までに成長した。
根性と度胸では誰にも負けないが、車などの早い乗り物、なおかつ乱暴な運転には弱い。
手先は器用で、何か(機械などの物質的なものから、技などの経験が活きるものまで)を修理・改造したり、自分の道着の修繕を自分で行うところにそれが顕れている。口癖は「今日は厄日だわ…。」
(以下ネタバレ→)潜在的に玄田スケールにおけるG5クラスの爆気を体内に有していることが、シーズン12最終回で判明。G5クラスともなると森羅万象を自在に操ることすら可能で、これが彼女の手先の器用さの正体であった。しかし、あまりにも強大すぎる力故に、恵子は「地球復活計画」の実行と中止の間で苦悩することとなる。 - 駒戸明斗(こまど めいと)
駒戸空手道場の5代目師範。雨の日も風の日も道場に通う恵子を実の娘のようにも思っている。
その空手の実力は非常に高く、若い頃は熊と牛を空手で倒したといつも豪語している。
突如現れた道場破り「ムエタイX」の華麗な足技によって瀕死の重傷を負うも、恵子に秘技「駒戸地獄突き」を授けるために残りの命を燃やした。本来3年かかる「駒戸地獄突き」を1週間で極めた恵子の姿に涙を流しつつ息絶える。その後は、恵子の精神的支柱となり幾多のピンチを救うきっかけを与えた。
口癖は「いや。」 - ムエタイX(むえたいエックス)
謎めいた格闘家で、ムエタイの達人。彼が破ってきた道場は全世界で500を超えると言われ、彼に破られた道場はことごとく壊滅させられている。足技のエキスパートで、恵子とは何度も対決し最後には恵子の良きパートナーとなる。足技ほどではないが剣や槍、銃器など武器の扱いにも長けている。
様々な乗り物の運転免許は取得しているものの、事故を起こさないのが不思議なほど運転が乱暴。恵子は彼の運転する乗り物に乗ろうとはしないが、大抵最後には流れで乗ってしまう。
口癖は「くたばるのはお前だ」
(以下ネタバレ→)実は明斗の弟「只雄(ただお)」であり、実の兄が死んだことを告げられた時は自分の行いを悔い、以降は未来の格闘家育成のため恵子と尽力していくことを誓ったのであった。
シーズン12では、異常気象により平均気温が氷点下50度以下となった露西亜で恵子と合流した。しかし彼の足はそれまでの暴徒との戦闘と凍傷によって限界を迎えており、歩いたり走ったりする事は可能なものの、以前の華麗な足技は永久に失われている。武器の腕は衰えておらず、それまで通り恵子達と共に戦った。 - 進藤理紗(しんどう りさ)
恵子の母親。夫は恵子が3歳の頃に亡くなった為、女手一つで恵子を育て上げた。普段は優しいが、怒ると怖い。明斗とは幼稚園からの仲であり、恵子が空手を始めるきっかけを作ったのも彼女である。
実は新体操の名手で(恵子も知らなかった)、崖の上で頭から落とされたが抜群の身体能力によって見事生還している。口癖は、「お茶でも飲んでリラックスしなさい。」 - 在明日大十(ありあす だいと)
第85代日PON(にっぽん)国首相。明斗とは小学生時代からの仲で、柔道では右に出るものは居ないと言われた事もある。非常に滑舌が悪く、特に慌てているときは「ば・る・べ・で」の音しか聞き取れない。もともと格闘技に打ち込んでいたためスポーツの振興に力を入れた政策をとっており、何かと海外に遠征する事の多い恵子たちの多方面でのサポートも行っている。(以下ネタバレ→)大統領暗殺編で世界に反旗を翻した「アリアス」張本人だと思われていたが、実は本物の「アリアス」は彼の弟の「在明日東了(ありあす とうりょう)」であった。自分が日PON国の首相に成り代わるために本物の在明日首相を誘拐し、事件の黒幕が在明日首相であるかのように裏で糸を引いていたのである。シーズン12において、混乱する日PON国と世界を救うために奔走する最中、蔓延する疫病によって死亡した。 - 緑帽元(りょくぼう はじめ)
第10代緑帽道場師範。緑帽家は室町時代から続く武士・軍人の家系であったが、終戦を機に格闘家を養成するようになった。気は優しくて力持ちを体現する漢。血染めの黒帯に関する重要な秘密を知っているようだが、本人はそれを話すことを頑なに拒む。
元グリーンベレー隊員だったという噂があるが・・・(以下ネタバレ→)実はこのグリーンベレーとは、彼が昔在籍していた少年野球チームであることがシーズン5で明らかになった。シーズン12では、京都の街を暴徒から守る自警団の団長として活躍。ボロボロになりながらも日PON国へと戻ってきた三人を号泣して迎え入れた。 - カルロ
マンドルポン山での世界大会のことを恵子たちに伝えた人物だが、実は大会を牛耳る組織「パシフィック」の下っ端で恵子たちを罠に嵌めるためにやって来た。そのことを知ったムエタイXに農具で刺されたが生還、パシフィックの崩壊後は緑帽道場に住み着いている。喧嘩の腕はからきしだがそれなりに情報通でフットワークも軽いため一応恵子達に認められている。
どんな危険な状況でも奇跡的に生き残る特徴があり、よく偵察役として顎で使われる。「見て来いカルロ」からの「この野郎生きていたのか!(ガシッ)」はもはや空恵の定番ネタ。口癖は「やべぇ!」
(以下ネタバレ→)シーズン12では、自警団の偵察員として活動。日PON国へ戻ってきた三人を最初に発見したのも彼である。
- KE-IKO Ver1.6(ケイコ バージョンイッテンロク)
恵子のこれまでの実績や試合の様子のビデオ、更には実際に対戦した格闘家の証言、果ては恵子本人のDNAまで駆使して秘密組織M202の手によって創りだされた試作戦闘用バイオアンドロイド(アンドロイドでありながら、生体パーツも用いられている)。恵子の能力をベースとしながらも、更に戦闘に特化した動きで恵子らを翻弄するほどの実力を持つ。恵子曰く、「こんな強さならいらないってぐらい強い」ほどである。(以下ネタバレ→)しかし、何度倒しても向かってくる恵子の姿を見て「自分は本当に正しいことをしているのか」という疑念をもつようになる。やがて自分の完成形であるKE-IKO VerXがロールアウトしたことで自分が用済みになったことを知ると、恵子とともに「自らの意思」で戦うことを決意。秘密組織M202の打倒を恵子とともに成し遂げる。M202壊滅後は緑帽道場にて修行を積むことになる。なお、動力源はまさかのビールである。シーズン12では、動力源のビールが補給出来ず印度の山中において機能停止に陥ったものの、彼女の生体パーツに蓄積されていた爆気が補助動力の役割を果たし奇跡的に再起動した。しかしその代償としてそれまでの格闘術のノウハウを含めた全ての記憶を失った。ただ一つ残った、「日PON国に帰りたい」という思いだけが、彼女を動かすこととなる。 - 島賀鈍八(しまが どんぱち)
恵子たちが欧羅巴で出会ったレジスタンス「レッドブル」のリーダー。コードネームは「イレイザー」。
仏蘭西外人部隊に所属していた経験を活かし、民衆を率いてDEEEENへの対抗を続けている。ふだんは温厚な性格だが、いざ戦いとなると鬼神の如く敵を蹴散らしていく。その実力は、恵子曰く「師匠に会わせたら本物の鬼神が生まれてしまう」とのこと。
DEEEENに対し、特に強い憎しみを持っているようだが・・・(以下ネタバレ→)この憎しみはDEEEENに実の娘である島賀虎奈(しまが こな)を誘拐・洗脳されたことに由来する。彼女の救出のために恵子たちと共闘するも、DEEEENによるレッドブル本拠地襲撃の際に恵子たちを逃がすため最期まで本拠地に残り、最期はサイボーグとなった虎奈の自爆によって本拠地ごと爆散する壮絶な最期を遂げた。彼の死とレッドブルの壊滅は他のレジスタンスに大きな打撃となり、DEEEENの欧羅巴征服作戦は大きく進展してしまう事になる。 - 島賀虎奈(しまが こな)
島賀鈍八の娘にして、彼にとって唯一存命である肉親。本職は小説家である。代表作である「処刑人 田峰」は、核戦争により荒廃した世界を生き抜くために、一人の少年と一体の戦闘用ロボットが戦いの渦に飛び込んでいくという内容で、世界中で大ヒットしている。「病的」「実際に見てきたような」と評される程の情景描写を得意とする。
また、格闘技の分野でもそこそこの腕前を持っていたのだが、そこにDEEEENに目をつけられて誘拐・洗脳されてしまう。欧羅巴制服作戦において様々な活躍を見せるも、鈍八率いるレッドブルに対してだけはなかなかトドメを刺せずにいるようだが・・・(以下ネタバレ→)トドメが刺せなかったが故に引き起こされたDEEEEN独逸支部壊滅の責任を負う形で心を持たないサイボーグへと改造され、洗脳が解けたフリをして隊員の警戒心を緩ませるという方法でレッドブル本拠地へと侵入。全身に内蔵された火器によって多数のレッドブル隊員を殺害し、恵子も怪我を負ってしまう。最期は内蔵された超小型水爆によってレッドブル本拠地もろとも爆散。爆発の瞬間微かに「ごめんなさい、お父さん。」と呟いているが、虎奈本人の心が戻ったのかを知るすべは無い。 - 大邪神「スケアクロウ」
カルト宗教団体「DEEEEN」が崇拝し、復活を目論んでいた大邪神。周辺の爆気を吸い尽くし、その周辺は一時間ほどで死の大地と化す。かつて地球で起こった大量絶滅はこのスケアクロウによって引き起こされたとも言われる。
死の大地が広がるスピードは加速度的に増していく。KE-IKOの分析によれば、およそ1日と11時間で世界は破滅すると言う。
爆気を吸い尽くされた人間はミイラ化してしまうため、並の人間では近づくこともままならない。しかし、散っていったレッドブル隊員達の加護を受けた恵子達によって、最期は完全に消滅した。しかしその爪あとは根深く、地球は大混乱に陥るのであった。 - 守護者(ガーディアン)
シーズン2-1から登場する、全身をマントで覆った謎の人物。空手の特訓に励む恵子に助言を与えるなど、時に恵子を助けるもののその正体は不明。女性ではあるようだが・・・。
凄まじい実力を持っているらしく、一度彼女と対峙したムエタイXは彼女の気迫に圧倒され近付くことすら出来なかった。何か目的があるのかすら分かっていないこともあり、注目が寄せられている。
(以下ネタバレ?→)女性であり凄まじい空手の腕を持つ、しかも駒戸師範が死ぬのを密かに防いでいたと思われる描写もあることから、一部のファンは「劇場版でただ一人過去に戻ることを選んだ恵子ではないか」と予想しているが果たして・・・? - 闘士郎・タッシャナー(とうしろう たっしゃなー)
バトルランナーでムエタイXとバディを組む日系インド人。インド古武術のカラリパヤットを得意とするが、「千の武術を会得した男」を自称しており地球上のあらゆる武術を使う。大の女たらしで、出会った理沙に「おたくみたいなイイ女はもっと遊ばなきゃだめだ」とナンパをするが即座に振られた。
実は「千の武術を会得した」と言うが、大抵は入門後途中で投げ出しているためマスターはしておらず、ムエタイXからの信頼もいまいち。もっぱらコメディリリーフだが、時には思わぬ活躍を見せることも。
(筆者の手元には十分な資料がありません。追記よろしくお願いします。)
用語解説
- 駒戸地獄突き
駒戸空手道場に代々伝わる必殺の突き。全身の力を拳のある一点(人によって異なるらしく、本来は極めるのに3年かかると言われている。)に集中させ、相手を一撃の名のもとに斃す。
完璧に決まれば、いかなる守りの型やボディーアーマーも無いに等しい。
恵子の手によって様々な改良が施されており、「駒戸地獄突き・大炎上」や「駒戸螺旋地獄突き」、
「駒戸脳天粉砕突き」など様々なバリエーションが存在する。 - 日PON(にっぽん)国
恵子たちが暮らす国。基本的に現実の日本と同じような国ではあるが、在明日大十首相によるスポーツ振興政策により国民の健康度は世界一であると言われている。特に空手や柔道など、格闘技の競技人口が国民の6割を占める。
島国でであることが幸いしTRICKの侵攻が遅れたため、首相が不在ながらもTRICK反攻作戦の本拠地として機能した。
(以下ネタバレ→)シーズン12では、爆気の欠乏によって全ての活火山・休火山の八割が破局噴火を起こしたことによって居住可能な国土の3割と人口の6割を失い、政府の機能も溶岩に沈んだ東京から奇跡的に被害の軽微だった京都へ移っている。 - カカシの宝玉
戦国時代より緑帽家に伝わる秘宝(緑帽家が武士の家系となったのは室町時代であり、この頃の緑帽家はいわゆるシャーマンたちの家系だった)。人間の「闘志」に反応し様々な影響をもたらすとされているが、悪しき心の持ち主が使うと世界の破滅を招くとされる。緑帽道場にて厳重に封印されていたが、犯罪集団「辺熱斗」に盗まれ、京都の街を大パニックに陥れた。
辺熱斗との争奪戦の末に恵子の純粋なる闘志を受けたことによって元の輝きを取り戻すも、恵子に対し自らの破壊を希望。その意志を汲んだ恵子の手によって粉砕、宝玉に込められていた力は京都の街に光となって降り注いだ。 - 血染めの黒帯
緑帽家の歴史からも抹消されたはずの、忌々しい黒帯。血染めと言われる所以は、元の持ち主である三代目緑帽道場師範「緑帽元(げん)」がヤクザに血祭りに挙げられた際に身につけていた事による。彼の血と怨念が染み付いており、緑帽家は幾度と無く破棄を試みたがいずれも失敗したため、倉庫の隠し扉内に封印していた。しかし、偶然にも恵子がこれを発見してしまい、更に身につけたため元(げん)の怨念により暴走してしまう。
身につけた者の生命力を奪うため、これを外すべくムエタイXと緑帽道場の猛者達が奮闘した。
最終的に、恵子本人の精神力が元(げん)の怨念を打ち払ったことにより呪いが解け、ごく普通の黒帯に戻った。その後、「いつもより気合いが入る」として恵子が愛用することとなる。 - 爆気(はじき)
作品を通して登場する未知のパワー。他作品でいうオーラや闘気といった意味で使われる。戦闘力が高い者ほど多くの爆気を持つと言われ、熟練者なら爆気そのものを攻撃に用いることも可能である。体内の特殊器官「手我(しゅわ)」で生み出される、悪魔サタンがもたらした、宇宙人の技術であるなど様々な説があるが確証は無く、空恵の物語の中核をなす謎多き力である。爆気の強さは、玄田(げんだ)スケールでG1~G5の5段階に分類される。一般人の場合、G1~2程度である。恵子やムエタイXは、シーズン11時点で日PON国政府からG4と認定されている。
(以下ネタバレ→)実は名前を変えて様々な場所に登場している(カカシの宝玉内の強大な力、HAJIKIのエネルギーなど)。シーズン8では爆気を用いて機械であるKEIKO Ver-Xを強化していたりシーズン9ではTRICKの一般兵が洗脳強化を受けていたりと、爆気は使い方次第で様々な力を発揮することが分かっており、シーズン10や11では人間から爆気を抽出する技術が登場するなど、多くの爆気を収集することの重要性が強調されている。このためファンの間では「爆気の持つ強大な力の使い道」が今後のストーリー展開に大きく関わるのではないかという推測がなされている。 -
玄田(げんだ)スケール
未知のパワー、「爆気」は現代科学では光や熱などとは違いセンサーや計測器の類では測れない。このため、個々人の戦闘能力や熟練度によってその強さを総合的に評価するシステムが考案され、玄田鉄将博士によって完成した。以下にその表を示す。
階級 どのような人物・強さか G0 死人、または手我が形成される前の胎児。
なお公式には認められておらず、あくまで便宜上の階級である。G1 普段あまりスポーツや格闘技をしない人、または初心者。 G2 格闘技を長く続けている人や、中堅以下のスポーツ選手など。 G3 かなりの実力を持ち、格闘家の場合G2以下とは一線を画す戦闘力を誇る。 G4 一騎当千、百戦錬磨の猛者達。G4以上の者同士の戦いは時に地形すら変えるほど。 G5 未だかつて人類が到達したことのないとされる領域。この領域に人間が達した時、
何が起こるかは想像もつかない。
ある研究によれば、宮本武蔵はこの領域に達していたとも言われている。 - HAJIKI
秘密組織M202が開発した光線銃。 命中すると一時的に筋力が大幅に減退し、格闘はおろか立つこともままならなくなる。KE-IKOシリーズに搭載されたほか、拳銃型、自動小銃型などいくつかのバリエーションがあり劇中ではテロ組織などへの密売も計画されていた。M202壊滅後、恵子たちの手によってすべて破棄された。
(以下ネタバレ→)秘密裏に在明日首相直下の諜報部隊によって五挺ほどが回収・分析されており、強力な疑似爆気を照射して体内の爆気の流れを乱すことによって筋力を減退させることが判明している。 - 金弐苦山(きんにくやま)
緑帽道場から車で2時間ほどのところにある、日PON国の象徴というべき山。標高5029m。
遥か昔から武人や格闘家が修行のためにこの山に入っているが、修行場所である頂上は平地の半分以下の酸素量・常に吹きすさぶ強風・気温が二ケタになる日がないなど非常に過酷な環境である。
頂上までの道のりで、また頂上までたどり着けても修行中に命を落とすものも多い。
このため入山には首相の許可が必要となる。一応、修行者が寝泊まりするための山小屋があり、水や食料も定期的に補充される。 - DEEEEN(デーン)
表向きは格闘技クラブを運営する株式会社。その真の顔はカルト宗教団体であり、クラブへの参加者やそうでないものでも優秀な能力をもった人間を誘拐して自身の信者・軍勢に加え、欧羅巴各地で暴虐の限りを尽くす。独自の拳法「SCW」を用いるため、警察も対応しきれない程の戦力を持つ。
爆気の収集に異様な執着を見せたり、爆気を無駄に消費したものは即処刑と謎の多い集団である。
また、カルト宗教団体でありながら劇中では教祖やその側近の描写が殆ど無く、この方面でも謎は多い。
(この部分を補完するテレビスペシャルが制作されている。詳しくは後述。)
彼らが崇拝する大邪神「スケアクロウ」の復活という悲願を達成するものの、その直後にスケアクロウが教祖以下すべての信者から爆気を吸い尽くしたため、全滅。呆気無い最期を遂げた。 - 辺根津島(べねつとう)
日PON国の排他的経済水域内にある無人島。周囲を断崖絶壁に囲まれていて簡単に上陸することはできないため、豊かな自然が保存されていることが調査で明らかになっている。一方で漁師の間では、島から異音が聞こえる、島に近付こうとすると謎の力で阻まれる、など怪しい噂が囁かれている。
(以下ネタバレ→)島の地下には日PON国の秘密基地があり、有事には臨時政府としても機能する性能を有している。もちろん極秘施設なので、島に入った者は諜報組織「KKS」によって確保・記憶処理が行われる。恵子が島に上陸した際は、KKSと恵子の間で壮絶なデッドヒートが繰り広げられた。
ちなみに旧シーズンでも設定はあり、日PON国が異常気象で大混乱に陥った際に在明日首相が島へ避難することを提案されていた。
シーズン一覧 (赤文字はキャッチフレーズ)
シーズン1<邂逅編> 2003年 見ていてください、師匠。
記念すべき「空手の恵子」第一シーズン。師匠の意思を継ぎ、ムエタイXの打倒とワールド・カラテ・チャンピオンシップでの優勝を目指す。
シーズン2<京都編> 2004年 更なる、高みへ。
さらに強い空手家に会いに行く為京都を訪れた恵子たちは、地元の空手道場「緑帽道場」に弟子入りする。
しかし、道場の仲間たちが次々と姿を消すと言う怪事件が発生!ついには理紗までさらわれてしまう。恵子は仲間たちを救うことは出来るのか!?そして、事件の背後に潜む恐ろしい陰謀とは!
シーズン3<修行編> 2005~2006年 不屈の精神、爆発。
稽古中に足を骨折してしまった恵子は、医者から3ヶ月の絶対安静を言い渡される。
3ヵ月後、恵子は鈍ってしまった空手の腕を磨きなおすため、そしてさらに強くなるために金弐苦山(きんにくやま)で地獄の特訓に挑む!
蘇れ!必殺「駒戸地獄突き」!
シーズン4<死闘!亜米利加編> 2007年 言葉はいらない、拳で語れ。
ある日恵子の下に一通の手紙が届いた。それは、亜米利加で開催される格闘家の祭典、「WMF」への招待状だった!
意気揚々と渡米する恵子一行。しかし、その先には凶悪格闘家集団「クレイモア」の魔の手が!
空手の恵子、波乱の第四シーズン開幕!
シーズン5<奪われた宝玉編> 2008年 奴は、私が斃す。
亜米利加から帰国した恵子達に、緑帽道場に保管されていた秘宝「カカシの宝玉」が犯罪集団「辺熱斗(べねっと)」に奪われたとの連絡が入った!
辺熱斗の足取りを追う中で、辺熱斗を従えたムエタイXが恵子の前に立ちはだかる!
恵子とムエタイXの因縁、ここに決着!
シーズン6<血染めの黒帯編> 2009年 怨念など、拳で砕く。
ある日恵子は、緑帽道場の倉庫で古びた黒帯を見つける。その黒帯をつけた恵子は突然自我を失い本能のままに暴れだした!
何とか恵子を抑えることは出来たのだが、その黒帯は、身に付けた者の能力を10万倍にも強化する代わりに着けた者の自我と生命力を奪うという、呪われた「血染めの黒帯」だった。
このままでは恵子が危ない!「血染めの黒帯」を外すために、ムエタイXと緑帽道場の猛者達が立ち上がった!
恵子以外の人物が主人公という、これまでとは一線を画したシーズンである。
シーズン7<世界大会編> 2010年~2011年 「最強」の名が、欲しいか?
血染めの黒帯事件から三ヶ月後、緑帽道場に謎の男カルロが訪れた。彼の話によると、マンドルポン山という地球最後の秘境の奥地で、世界中のありとあらゆる格闘技の頂点を決める世界的な大会が開かれるという。はじめて聞く地名に戸惑うも、自らの見聞を広げるためにマンドルポン山へと向かう事となった恵子たち。しかし、そこには想像を絶する世界の強者達が恵子たちを待ち構えていたのであった!
シーズン8<破獄編> 2012年~2013年 「強い」って、何?
緑帽道場が謎の武装勢力に襲われた!一時的に筋力を大幅に減退させる効果を持つ光線銃「HAJIKI」の前に、恵子たちは為す術もなく武装勢力に捕らえられてしまう。謎の武装勢力の基地で恵子が見たものは・・・自分と瓜二つの容姿をしたロボットの上半身部分だった。この謎のロボットの正体は?そして、恵子たちは基地から脱出することができるのか!?
これまで空恵シリーズでは殆ど使われることのなかったVFXや3D技術がふんだんに盛り込まれた意欲作。
シーズン9<大統領暗殺編> 2013年~2014年 叛逆、開始。
謎の武装勢力「M202」を壊滅させ、新たな強敵(とも)「KE-IKO Ver1.6」を迎えた緑帽道場の面々。
しかしその平穏もつかの間、世界中の格闘技の猛者たちが「TRICK」を名乗るグループの兵士に次々と殺害されるという事件が発生。そのリーダー「アリアス」は世界大統領を名乗り、世界中に宣戦を布告した。
世界各国がなすすべもなくTRICKの支配下に置かれる中、日PON国中の猛者たちがTRICKに対し反撃の狼煙を上げる!
これまで様々な要素を取り込んできた空恵シリーズであったが、今回はさらにサスペンスや推理を取り入れるなど空恵シリーズ最高傑作との呼び声高いシーズンである。
シーズン10<輪廻転生編> 2014年~2015年 斃れた者の魂は、何を語るのか。
「TRICK」の脅威から世界を守った恵子達は平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日恵子が目を覚ますと、そこにはかつて戦い屠ってきたはずの強敵が緑帽道場の仲間として訓練に励む姿があった。驚き戸惑う恵子であったが、道場破りが現れたことを聞き駆けつける。
その道場破りとは、なんと自分の仲間であったはずのムエタイXやKE-IKO達であった!
果たしてこの世界とは!?「自分」にすら自信を持てぬまま、恵子の孤独な戦いが始まる!
シリーズ10作目を記念して制作されたオールスター出演作。
主人公サイドだけでなく今まで登場した敵側の人物のキャラクターも巧みに描写したことで高い評価を得ている。
シーズン11<欧羅巴横断旅行編> 2015年~2016年 陰謀、疑惑、そして格闘。
ある日商店街の福引で3名分の欧羅巴横断旅行のチケットを獲得した恵子は、ムエタイXとKE-IKOと共に欧羅巴へと旅だった。その欧羅巴についた途端、恵子たちは空港で謎の拳法を使う集団に襲われる。謎の集団を退けた恵子たちは、追手から逃げるうちに地元のレジスタンスと出会う。彼らの話によると、最近新しい格闘技クラブを騙った宗教組織「DEEEEN」が欧羅巴の各地で勢力を広げ、暴力で人々の生活を脅かしているという。こうして欧羅巴の平和を取り戻すべく、恵子達とレジスタンスはDEEEENへ叛逆の狼煙を上げたのであった…
───それが、世界を破滅に導く「何か」の覚醒を早めるとも知らずに。
シーズン12<望郷編> 2016年~2017年 必ず帰る。「ただいま」を言うために。
DEEEENが集めた爆気により現世に復活した大邪神「スケアクロウ」との死闘から数ヶ月、恵子達三人の活躍により破滅を免れた世界であったが、スケアクロウによって地上の7割の爆気を吸い尽くされた地球は異常気象・農作物の不作・疫病の蔓延などにより大混乱に陥っていた。この混乱によって日PON国に帰ることもままならず、更に三人は離れ離れになってしまう。恵子は、仲間達と再会し日PON国へ戻ることはできるのか!?そして、この明日なき世界に希望はあるのか!?
荒廃した世界の監修に「北関東の拳」原作者武雷餡(ぶらいあん)氏を据え、史上最大級の予算をかけて制作されている。
シーズン2-1<邂逅編> 2017年~ New Legend,New KARATE.
進藤恵子は空手が大好きな普通の小学生。しかしある日、恵子が父のように慕う駒戸空手道場の師範がムエタイXと名乗る謎の男に倒され、意識不明の重体になってしまう。恵子はムエタイXへのリベンジを誓い、過酷な空手の世界へと飛び込んで行く。
12シーズンと数を重ねてきた空手の恵子シリーズにいったん幕を下ろし、新シリーズとして再スタートした。旧シリーズから総合プロデューサーを務める矢廊倉車(やろうくらしゃ)氏は「単なる上書きにはしない、OK?」と意気込みを語っている。
駒戸師範がムエタイXによって殺されないなど、旧シリーズとはストーリーが若干異なっている。守護者という新キャラクターも登場するなど、単なるリブートに留まらないのでは?とファンからの期待も高まっている。
シーズン2‐2<行脚編> 2018年~ 旅もまた、戦い。
駒戸師範を目覚めさせる方法を探していた恵子は、金弐苦守の森(きんにくもりのもり)の奥地に万病に効く霊水が湧き出る泉があるという話を聞き付け、修行も兼ねた旅に出発する。しかし泉を探し求めるのは恵子だけではなかった。ムエタイX、更には謎の諜報部隊「KKS」が恵子の前に立ち塞がる!
師のために走れ、恵子!
シーズン2-3<双闘編> 2019年~ 己の背中を、預けられるか?
恵子の活躍によって一命をとりとめた駒戸師範の元に、ルール無用の異種格闘技戦と裏で噂される格闘大会「バトルランナー」への招待状が届く。ムエタイXが参加することを聞き付けた恵子は駒戸師範の代わりに出場することを決意するが、バトルランナーはタッグでの参加が絶対条件だった!
共に戦う仲間を得るため、恵子は強者ひしめくと名高い空手道場「緑帽道場」に赴く!
シーズン2-4<絶海孤島編> 2020年~ この身一つ、それが全て。
理紗や緑帽道場の面々と飛行機に乗った恵子だが海上で飛行機が墜落、仲間とはぐれた恵子は絶海の孤島に辿り着く。空手の技を活かして過酷なサバイバル生活を生き抜く恵子だったが、様々な脅威、そして島に隠された謎が恵子に襲い掛かる!
シーズン2-5<拳王の遺産編> 2021年~ その力は、善か、悪か。
映画
第一作 劇場版・空手の恵子 2004年
時系列はシーズン1より前の時代の話で、恵子が地区大会で優勝するまでを描いた作品。
空手の恵子が世界中に広まるきっかけになったのもこの作品から。
第二作 空手の恵子 ~温泉旅館殺人事件~ 2007年
時系列はシーズン3から4に移る途中の話。修行を終え骨休めに訪れた温泉宿が舞台。
「恵子に恋の予感!?」のキャッチフレーズで一世を風靡したのは言うまでもない。
第三作 空手の恵子外伝・ムエタイX 2008年
ムエタイXの過去に迫った、衝撃の外伝。何故彼はムエタイXとして道場破りに燃えるのか!?
第四作 空手の恵子 死闘!天空大魔神F・C・A 2015年
実に7年ぶりとなる劇場版。時系列はシーズン8と9の間に入る。
堕落しきった人間社会に鉄槌を下すべく、天空大魔神F・C・Aとその軍勢が地上へと侵攻を開始した!人類の武器が通用しない彼らに対し、残された武器は己の「拳」のみ!
かくして、地上と天界の決戦が始まったのであった!
監督を怒らせてしまった制作会社側が10万ドルPON☆と手渡してようやく制作が決まったという経緯があるらしい・・・
第五作 空手の恵子 時を超える拳(前後編) 2017年
シーズン12の最終回から連続した構成になっており、「空手の恵子」のフィナーレを前後編2本立ての壮大なスケールで描く超大作。
多くの犠牲を払いながら遂に日PON国に辿り付いた恵子一行。そこで彼らは、政府直轄組織「砦(ラストスタンド)」が進める「地球復活計画」への協力を要請される。しかしそれは、爆気のパワーで地球の時間を巻き戻すというものだった!今の世界を見捨てる事は許されるのか。生き残った人類、そして恵子一行は各々が推進派と反対派に別れて対峙することに・・・!
果たして空手は世界を救うのか!?空手の恵子、堂々完結!
圧倒的な人気を誇るシリーズのラストということもあり、総監督を務めた藍初留鉄舟(あいういるてっしゅう)氏はワールドプレミアにて「私を起こさないでくれ、死ぬほど疲れている」とそのプレッシャーの程を語った。
第六作 恵子 vs 田峰 2021年
ある日、緑帽道場に佐良という女性が逃げ込んでくる。佐良が言うには、自分は命を狙われており、もし自分が死ねば未来で人類は滅亡するという。半信半疑ながらボディーガードを請け負った恵子一行だが、彼らの前に、「田峰」と名乗る殺人マシーンが現れた!
果たして恵子と田峰、最強の二人がぶつかったその時に何が起きてしまうのか!?
シーズン11の作中劇として登場した「処刑人 田峰」がファンの間で人気を博したことを受けて制作が発表された。一種のファンムービーであり、空恵の本筋には組み込まれない。公開前の期待値は高くなかったが、特殊技術を多用した大迫力の映像・シンプルかつ魅力的なストーリー・巧みなキャラクター描写などが評価され公開後に人気が爆発、大ヒットを博した。これを受け、「処刑人 田峰」ドラマシリーズの制作も決定した。
その他
KEIKO THE ANIMATION 2010年
シーズン1をアニメーションとしてリブートしたOVA作品。設定の変更を危惧した反対意見も多かったが、アニメという特徴を活かした迫力ある戦闘シーンやデフォルメされた人物描画などが賞賛され本編と同じく多くのファンを獲得した。また実写ドラマに興味を持たなかったアニメファンというファン層を開拓したことも特徴である。
空手の恵子・短編集 2012年
ドラマスペシャルなどで放送された作品の中でも人気の高いストーリーを集め、更に新作を追加して販売されたオムニバス形式のDVD作品。里紗の再婚話の噂に揺れる緑帽道場を描いた「マリアージュ作戦」、在明日首相がてんやわんやの一日を送る「エックスデイ」、ムエタイXが偶然人気ヒーロー・ターボマン役として遊園地で働く事になる「MUAY THAI ACTION HERO」など必見の名作揃いである。
恵子500人組手 2011年
東日本大震災を受け、被災地支援のためのチャリティー企画として行われた組手。500人の全国から集まった猛者達と恵子が一対一の組手を行い、その様子はTV,ネット配信などで広く放映された。
TVの視聴率やネット配信の視聴者数に応じた金額を募金するというもので、最終的に1200万円以上という金額が日本赤十字社に募金として寄付された。
恵子が闘う姿は震災に揺れる日本を鼓舞し、再び人々が前を向いて歩くための活力を生み出したと言われる。
また、翌年発売された「空手の恵子 DVD-BOX」に収録されている。こちらは舞台裏や組手後のインタビューなども収録されたノーカット版。
空手の恵子・短編集2 2017年
ドラマスペシャルなどで放送された作品の中でも人気の高いストーリーを集め、更に新作を追加して販売されたオムニバス形式作品の第二弾。カルト宗教団体「DEEEEN」の発足から欧羅巴征服作戦決行までの前日談を描いた「案山子の神」、恵子たちが何故か傭兵としてテロ組織壊滅作戦に参加する「高価な消耗品」、テストで赤点を取ってしまった恵子の逃避行を描いた「エンド・オブ・オコヅカイ」など、こちらも必見である。
空手の恵子 -武闘伝- 未定
空手の恵子情報を発信するイベント「ケイコン」(Keiko-Con)にて鋭意開発中と発表された格闘ゲーム。
第一シリーズ完結に伴い開発が決定したということであり、第一シリーズに登場した敵味方のキャラクターが使用出来るほか、新ストーリーも展開される予定だという。
開発は格闘ゲームの老舗、サーズデイ・シネマシアター・ワークスが務める。
これは元ネタだ。関連動画じゃないんだぜ!
実際はPART2までしか出てこなかったが・・・
関連項目
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