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1988年クラシック世代とは、競馬において1985年に生まれ1988年にクラシック競走を走った(旧4歳、現3歳を迎えた)競走馬の世代である。
概要
ハイセイコー以来の第二次競馬ブームを巻き起こしたアイドルホース「芦毛の怪物」オグリキャップを代表とする「オグリ世代」である。
秋春天皇賞制覇を果たして武豊にGI初勝利を贈った「天才を天才にした馬」スーパークリークが1歳上のイナリワンとともに「平成三強」を形成。GI昇格後初のスプリンターズステークス優勝馬バンブーメモリーともども、タマモクロス去りし後のオグリのライバルとして鎬を削った。
そのオグリが参戦できなかった春のクラシック戦線では、東京2000mに咲いたヤエノムテキ、三冠牝馬メジロラモーヌの半弟であり自身も高い才能がありながら足の状態の悪さにたびたび泣かされた「ガラスの重戦車」メジロアルダン、そのアルダンを相手にしての日本ダービーでの驚異的な差し返しが知られるダービー馬サクラチヨノオーが激闘を繰り広げた。
他、牡馬では蹄の不安を抱えながら今なお破られぬ函館記念レコードを持つ朝日杯・マイルCS馬サッカーボーイ、有馬記念で大本命メジロマックイーンを12年間更新されなかった衝撃的なレコードで破った「史上最強の一発屋」ダイユウサク。
牝馬ではマイルCSで断然人気のバンブーメモリーを下したパッシングショット、兄弟子・河内洋が武豊のGI初制覇を阻止した桜花賞馬アラホウトク、騎手が当日競馬場までの道を迷ったり実況で名前を間違えられたりと多くのアクシデントの末にオークスを勝ったコスモドリーム、カブラヤオーの代表産駒でエリザベス女王杯を制したタマモクロスの妹ミヤマポピー、ヤエノムテキの片想いの相手としても知られる桜花賞・エリ女2着馬シヨノロマンなど。
障害では中山大障害での2着との着差50馬身以上ともいわれる大差勝ちで知られるシンボリクリエンス、オジュウチョウサンによって更新されるまで26年間レコードを保持したシンボリモントルー、同じく大障害勝ち馬にして最優秀障害馬も受賞したメジロマスキットとワカタイショウなど、他の世代に比べても多くの活躍馬がいる。
地方においては、東京ダービーを勝ったウインドミル、笠松時代のオグリキャップに唯一勝利したマーチトウショウ、宇都宮から笠松、上山、大井、中央など多くの競馬場を渡り歩いて重賞を勝ち、90年～91年のNARグランプリ年度代表馬にもなった「さすらいの超特急」ダイコウガルダン、地方馬にもかかわらず高い芝適性を持ち、オールカマーなどで上位入選したジョージモナークなど。アングロアラブにはアキヒロホマレが名を遺す。
海外では、1990年ジャパンカップを勝利したベタールースンアップ、ナリタブライアンの父にして日本競馬史でも屈指の大種牡馬であるブライアンズタイム、キングヘイローの母でアメリカでGI7勝を挙げた良血牝馬グッバイヘイロー、凱旋門賞馬で89年のジャパンカップにも参戦したキャロルハウス、ワールドワイドで活躍した種牡馬シーキングザゴールド、日本に来たミスプロ系の種牡馬では1番成功したと言われているフォーティナイナーなどがいる。
中央平地GIは15～16しかない時代に史上最多の20勝を挙げた世代である。古馬戦線ではオグリキャップとスーパークリークが一つ年上のイナリワンとともに「平成三強」と呼ばれたほか、各距離に世代を代表する馬がいるなど多士済々で、特に90年は平地、障害ともにこの世代がほとんど独占している。第二次競馬ブームの頂点だった時期に当たっていることもあり、東京競馬場や中山競馬場の入場者記録はこの頃のものがいまだに不滅の記録として残っている。レコード勝利が多く、オグリキャップの90年安田記念、ダイユウサクの91年有馬記念、シンボリモントルーの91年中山大障害などは10年以上に亘って保持されていた。またサッカーボーイの函館記念のレコードは2024年時点でも残っている。記録にも記憶にも残る世代と言えるだろう。
勝利馬
中央平地GI級
世代別
| 競走名 | 1987年(旧3歳) | 1988年(旧4歳) |
|---|---|---|
| 朝日杯3歳ステークス | サクラチヨノオー | |
| 阪神3歳ステークス | サッカーボーイ | |
| 皐月賞 | ヤエノムテキ | |
| 東京優駿(日本ダービー) | サクラチヨノオー | |
| 菊花賞 | スーパークリーク | |
| 桜花賞 | アラホウトク | |
| 優駿牝馬(オークス) | コスモドリーム | |
| エリザベス女王杯 | ミヤマポピー |
古馬GI級
| 競走名 | 1988年(旧4歳) | 1989年(旧5歳) | 1990年(旧6歳) | 1991年(旧7歳) |
|---|---|---|---|---|
| 天皇賞(春) | スーパークリーク | |||
| 安田記念 | バンブーメモリー | オグリキャップ | ||
| 宝塚記念 | ||||
| 天皇賞(秋) | スーパークリーク | ヤエノムテキ | ||
| マイルチャンピオンシップ | サッカーボーイ | オグリキャップ | パッシングショット | |
| ジャパンカップ | [豪]Better Loosen Up | |||
| スプリンターズステークス | 1990年よりGI昇格 | バンブーメモリー | ||
| 有馬記念 | オグリキャップ | オグリキャップ | ダイユウサク |
中央障害重賞
| 競走名 | 1988年 (旧4歳) |
1989年 (旧5歳) |
1990年 (旧6歳) |
1991年 (旧7歳) |
1992年 (旧8歳) |
1993年 (旧9歳) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神障害ステークス (春) | パンフレット | メジロワース | ||||
| 中山大障害 (春) | パンフレット | シンボリクリエンス | ||||
| 京都大障害 (春) | ナムラモノノフ | |||||
| 東京障害特別 (春) | シンボリモントルー | |||||
| 阪神障害ステークス (秋) | メジロワース | メジロワース | ||||
| 東京障害特別 (秋) | メジロマスキット | シンクロトロン | シンボリクリエンス | |||
| 京都大障害 (秋) | サイコーホーク | クリバロン | スガハラテンジン | |||
| 中山大障害 (秋) | メジロマスキット | ワカタイショウ | シンボリモントルー | シンボリクリエンス |
その他の主要競走
中央
| 競走名 | 1988年(旧4歳) | 1989年(旧5歳) | 1990年(旧6歳) | 1991年(旧7歳) |
|---|---|---|---|---|
| フェブラリーハンデキャップ | ||||
| 高松宮杯 | オグリキャップ | メジロアルダン | バンブーメモリー | |
| スプリンターズステークス | 1990年よりGI昇格 | |||
| シュンエイ記念 | アキヒロホマレ | 4歳馬限定戦 | ||
| セイユウ記念 | アキヒロホマレ | |||
| タマツバキ記念 | アキヒロホマレ | アキヒロホマレ | サシオギ | |
| アラブ大賞典 | セッテノベラ |
地方
| 競走名 | 競走名 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 全日本三才優駿 | 3歳馬限定戦 | ||||
| 羽田盃 | 4歳馬限定戦 | 千鳥賞 | オタルホーマー | ||
| 東京ダービー | ウインドミル | 4歳馬限定戦 | アラブダービー | オタルホーマー | |
| 東京王冠賞 | アエロプラーヌ | 4歳馬限定戦 | アラブ王冠賞 | ||
| ダービーグランプリ | アエロプラーヌ | 4歳馬限定戦 | オタルホーマー | ||
| 競走名 | |||||
| 川崎記念 | アエロプラーヌ | ||||
| かしわ記念 | 1989年重賞昇格 | ||||
| 帝王賞 | |||||
| 北日本マイルチャンピオンシップ南部杯 | |||||
| 東京大賞典 | |||||
| 全日本アラブクイーンカップ | ニシノラツキー | ||||
| 農林水産大臣賞典 |
英クラシック
| 競走名 | 1988年(現3歳/旧4歳) |
|---|---|
| 1000ギニーステークス | Ravinella |
| 2000ギニーステークス | Doyoun |
| オークスステークス | Diminuendo |
| ダービーステークス | Kahyasi |
| セントレジャーステークス | Minster Son |
米三冠
| 競走名 | 1988年(現3歳/旧4歳) |
|---|---|
| ケンタッキーダービー | Winning Colors |
| プリークネスステークス | Risen Star |
| ベルモントステークス | Risen Star |
年度表彰
日本
中央競馬
| JRA賞 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現2歳/旧3歳) |
(現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1991年 (現6歳/旧7歳) |
1992年 (現7歳/旧8歳) |
| 最優秀3歳牡馬 | サッカーボーイ | 3歳限定部門 | ||||
| 最優秀3歳牝馬 | シノクロス | 3歳限定部門 | ||||
| 最優秀4歳牡馬 | オグリキャップ | 4歳限定部門 | ||||
| 最優秀4歳牝馬 | アラホウトク | 4歳限定部門 | ||||
| オグリキャップ | ||||||
| ルイジアナピット | パッシングショット | |||||
| 最優秀父内国産馬 | ヤエノムテキ | |||||
| 最優秀スプリンター | サッカーボーイ | バンブーメモリー | バンブーメモリー | |||
| 最優秀ダートホース | ||||||
| 最優秀障害馬 | メジロマスキット | ワカタイショウ | シンボリクリエンス | シンボリクリエンス | ||
| 最優秀アラブ | アキヒロホマレ | アキヒロホマレ | アキヒロホマレ | |||
| 年度代表馬 | オグリキャップ | |||||
| 特別賞 | オグリキャップ | |||||
地方競馬
| NARグランプリ | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 表彰部門 | (現3歳/旧4歳) |
(現4歳/旧5歳) |
(現5歳/旧6歳) |
1991年 (現6歳/旧7歳) |
1992年 (現7歳/旧8歳) |
| サラ系年度代表馬 | 1990年新設 | ダイコウガルダン | ダイコウガルダン | ||
| アラ系年度代表馬 | 1990年新設 | ||||
| ばんえい年度代表馬 | 1990年新設 | ||||
代表馬
- オグリキャップ
- '87:ジュニアクラウン、中京盃、中日スポーツ杯、ジュニアグランプリ '88:有馬記念(GI)、ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(GII)、高松宮杯(GII)、毎日王冠(GII)、ペガサスステークス(GIII)、毎日杯(GIII)、京都4歳特別(GIII)、ゴールドジュニア、他天皇賞(秋)(GI)2着、ジャパンカップ(GI)3着 '89:マイルチャンピオンシップ(GI)、毎日王冠(GII)、オールカマー(GIII)、他天皇賞(秋)(GI)2着、ジャパンカップ(GI)2着 '90:安田記念(GI)、有馬記念(GI)、他宝塚記念(GI)2着
- '88JRA賞最優秀4歳牡馬
- '89JRA賞特別賞
- '90JRA賞最優秀5歳以上牡馬、年度代表馬、NARグランプリ特別功労賞
- JRA顕彰馬
- 「平成三強」の一角
- 地方移籍馬重賞最多連勝記録保持馬[1]
- 史上初の毎日王冠連覇達成
- 獲得賞金世代最多
- JRA「ヒーロー列伝」No.29 「ありがとう。」
- そのほかの活躍馬
- ミヤマポピー エリザベス女王杯(GI)など
- ナムラモノノフ 阪神大賞典(GII)など
- サマンサトウショウ エプソムカップ(GIII)など
- メジロマーシャス 函館記念(GIII)
- メジロマスキット 中山大障害(秋)など '89最優秀障害馬
- グレートモンテ 札幌記念(GIII)など
- ラケットボール オールカマー(GIII)
- ニホンピロブレイブ 京阪杯(GIII)など
- ワカタイショウ 中山大障害(秋)など '90最優秀障害馬
- ラガーブラック シンザン記念(GIII)など
- カツトクシン 愛知杯(GIII)など
- ディクターランド 函館3歳ステークス(GIII)
- インターアニマート 中京記念(GIII)
- ジュネーブシンボリ 東京スポーツ杯(OP)
- サンキョウセッツ 3歳抽籤馬特別
- ウインドミル 東京ダービー
- マーチトウショウ 岐阜王冠賞
海外調教馬
- アサティス(英)
- アンフワイン(英)
- インディアンリッジ(英)
- ウイニングカラーズ(米)
- ウォーニング(英)
- カドージェネルー(英)
- カヤージ(英)
- キャロルハウス(英)
- グッバイヘイロー(米)
- クラフティワイフ(米)
- クリミナルタイプ(米)
- ザフェロー(仏)
- サンシャインフォーエバー(米)
- シーキングザゴールド(米)
- シェリフズスター(英)
- シルヴァーデピュティ(加)
- シルバーレーン(米)
- ダイナフォーマー(米)
- ディミニュエンド(英)
- ナスルエルアラブ(米)
- フォーティナイナー(米)
- ブライアンズタイム(米)
- ブラッシングジョン(仏)
- ベタールースンアップ(仏)
- ラーイ(英)
- リズンスター(米)
関連動画
ウマ娘に登場するキャラクターのモデルになった競走馬を解説する動画だが、ウマ娘に登場しない同年代に走った他の競走馬の多くがレース映像や解説付きで登場する。
関連リンク
関連項目
関連項目
| 前世代 | 当世代 | 後世代 |
|---|---|---|
| 1987年クラシック世代 | 1988年クラシック世代 | 1989年クラシック世代 |
競走馬の世代一覧
脚注
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